EX6 ハンバーガー転生37
バーナーには驚かされてばかりだ。
わずか5歳で四騎士のクロスケに鍛えられ、冒険者ギルドに所属し、魔力量が多くてエルフの神ラゼに抑えてもらっている。さらにその魔力は勇者属性ときたもんだ。
あ、あと野獣と意思疎通できる。まさしく才能の塊だ。
あれからバーナーと話し合い、ベアハルトについては埋め直さずに、南の森の奥にある小屋(ハンマーに作ってもらったバカでかい小屋)に住んでもらっている。
「行ってきます!」
「いってらっしゃい!」
アイナに見送られてバーナーは風に乗って空を飛ぶ、風をスケボーのようにして滑るように進む。俺はバーナーの頭に乗っている。
そう、話し合いの結果、俺かアイナが付き添うことになった。
アリサの授業を終えて、午後からスタートだ。
まずは王都にいくために転移魔法陣の設置してあるプラットフォームにいく、タスレ駅だ。
使用料を支払い、転生魔法陣を通過する。通り終わるとそこは王都のプラットフォームだ。
電車に乗って景色を楽しんだりすることはできないが、これだけ移動が楽だと文句なんて言えるわけがない。
「クロスケはどこにいるんだ?」
「王城にいます!」
「え、王さまのところにいくのか!?」
「はい、いつも入れてもらってます」
……やっぱり着いてきてよかった。
俺とバーナーは門番に挨拶する。返事を返してくれた門番は俺たちを素通りさせる。セキュリティは大丈夫なのか、だって?あの人は幻術を見破る看破の魔眼の持ち主だ。
「なぁ、バーナー。王さまと会ったことはあるのか?」
「まだないです」
通路を歩いていると向かいから聖騎士が来る。
「バーガーさま」
見慣れない聖騎士だな。
「え、誰?」
フルフェイスを外す、美しい金髪の長髪を持つ美しいエルフだ。
「王さまの近衛兵です」
「近衛兵の人か、俺なんかしちゃった?」
「王さまがお2人に会いたいと」
「あー、それって……いや、わかった、今からか?」
「はい、差し支えなければと仰られていました」
差し支えなんてあるわけない。
「バーナー、いこうか」
「はい!」
そこそこ久しぶりの玉座の間だ。
「よく来ましーた」
「お久しぶりです」
「元気そうでーすね」
「王さまもお変わりないようで」
王さまは俺の隣にいる、バーナーに目を向ける。
「彼がバーナー・グリルガードでーすね」
「はい」
「ふむ、5歳なのにしっかりとしていそうでーす」
「ええ、今もクロスケに鍛えてもらおうとここに来ました」
「話はきいていまーす、親と同じ師を持つことは素晴らしいことでーす、ごほごほ」
「王様!?」
「あ、いや、気管に唾が入っただけでーす」
紛らわしいなおい。
「バーナー」
「はい! 王さま!」
バーナーはビシッとする。こういうところのマナーはまだ教えていなかったが、バーナーなりにここはちゃんとしなきゃと思ってくれているんだろう。そうだよこの人は人間の代表でこの国を守ってきた凄い人なんだよ。
「君は将来なにになりたいのでーすか?」
「お父さまとお母さまを守れる強い人になりたいです!」
「ふぉふぉ、それは素晴らしい」




