EX6 ハンバーガー転生34
程なくしてバーナーの帰りが遅くなるようになった。いろいろ言い逃れされて半年ほどたった頃、痺れを切らした俺は朝のトレーニングに向かうバーナーを呼び止めた。
「なー、バーナー」
「はいなんでしょうかお父さま」
「なーんか最近、俺に隠してることないか?」
バーナーの顔がギクリと引つる。
「な、なにも隠してることなんてないですよお父さま」
「ほんとかなぁ〜?」
俺はバーナーの頭に飛び乗る。
「お、お父さま?」
「俺は頭に乗った人の考えていることがわかっちゃうんだ」
「え!?」
「ふむふむ、なるほどな、こんな隠し事を……」
「あわわわ!」
バーナーが俺を取って胸に持ってくる。
「お父さんからいってもいいけど、自分で言ったほうがいいぞ」
「……はい」
ホントにあったのか……隠し事。
「アリサ先生の授業が終わったあと、転移魔法陣で王国に行ってます」
「なぁにぃ〜!?」
俺はビックリバーガーになりそうなのをギリギリで我慢する。
「なんで……?」
「クロスケさまに会いに」
俺はビックリバーガーになった。
「まさか教えてもらってるのか……戦い方を」
「はい……」
でも俺のときみたいに満身創痍で帰ってきていないとこを見るにマイルドな感じの特訓なのかな……。
「あと、ベアハルトさんにご飯をあげてます……」
俺はビックリダブルバーガーになった。
「なして!? なしてそげんことしよっと!?」
「お腹すいてて可哀想だったので……ごめんなさい」
なんて優しい子だ。
「あと冒険者ギルドで冒険者になりました……」
「アイエエエエエエ!!?」
ビックリダブルバーガーのセット!
「あれお父さまは全てお見通しでは?」
「あ、ああ、あれは嘘だ」
「!?」
バーナーは目尻に涙を溜めてこちらをジーーッと見てくる。
「嘘をついて悪かった、嘘はつくなと教えていたもんな」
「はい……お父さまズルいです」
お前を守るためならなんだってする、嘘だってつくよ。
「悪かったよ、でもこれからは内緒はあんまりしないでほしいなぁ」
「わかりました……ごめんなさい」
「うん、アイナにも言おう、俺も一緒にいるからさ」