EX6 ハンバーガー転生33
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タスレ街から少し離れた草原エリア。至って普通の草原だ、月面並の数と規模のクレーターがなければ……草原エリアより、月面エリアと言ったほうが正しいかもしれない。
「……」
午後の授業を終えて合流したアリサが絶句する。
「グルルルル……」
低い唸り声をあげているベアハルトは地面に頭だけ出している。
「いい運動になったぜ!」
「またクロスケさまがやらかしたんですか!?」
「大人しくさせてやったってのに酷い言い様だな!」
クロスケはしばらく戦ったのちベアハルトを鎖で雁字搦めにして地面に埋めた。
「こんな危険人物を不法投棄しないでくれ」
「今度はちゃんとした特別性の鎖で縛ってやったから安心しろよ」
「最初からやってくれぇ!」
「ま、これで俺の仕事は終わりだ、あー楽しかった、それじゃあな」
踵を返し帰ろうとするも立ち止まる。目の前にバーナーがいた。
「お? こいつがお前の息子かぁ?」
「息子には手を出さないでくださいいいいいい!!」
「……俺は人喰いの鬼か何かか?」
「ほとんど同意義でしょお!?」
「ふーん」
クロスケはジロジロとバーナーを見る。
「お、お父さま、この人は?」
「目を合わせてはいけません!連れていかれるぞ!」
「ええ!?」
バーナーは慌てて目を閉じる。吟味したクロスケがカカカと笑う。
「魔力の質がいいな、ガチンちょのクセに量も多い、やりがいがあるな」
実の子を見てこんなこと言われたら絶対嫌だランキング上位のワードを吐く。
「おいバーガー、こいつ俺が鍛えてやってもいいぞ!」
「絶対に嫌です!!」
「カカカ! なぁおいバーナーとかいったな」
「は、はい!」
「お前強くなりたかったら俺のところまで来い」
「バーナー! その人の話を聞いちゃ──」
「行ったら強くなれるんですか?」
「ああ、バーガーとアイナを鍛えたのは俺だぜ?カカカ!」