EX6 ハンバーガー転生30
5年目に突入する。今年は誰かな?誰かな?
俺はもう年一で引ける聖騎士十大大隊長ガチャのことで頭が一杯だ。彼らがこの街を、俺たち家族を豊かにしてくれた。全員がSSRだ。
あと俺が知っているのは、あの激辛聖剣マスター・ド・ソードを使いこなすマスター・ド・ロイくらいだ。
オンブル、アリサ、ハンマー、スパイン、ロイ。
他の5人とは面識がない。
コンコン。さっそくノックだ。
「はーい!」
もう日にちは確認済みだ。やはり出迎えないとな。アイナとバーナーは出かけている。
「……」
俺が扉を開けると大きな黒猫の獣人が──いやこの『人』は。
「クロスケ!!」
「カカカ! おうバーガー!」
「え、ドアをノックした……?」
「あ? ドアはノックして入るもンだろ?」
いやいやいやいや、クロスケの入り方はドアを蹴破るのがマナーでは……いやあのときは窓からだったか。
「ていうか、今日は聖騎士十大大隊長が来る日だぞ」
「ン ?ああ、そうだな、そういう日だ」
クロスケが身体を横に傾ける、外から気配がする。
「まだ誰かいるのか」
「こいつがそうだ、今年のオモリ担当ってやつだ!」
俺が目にしたのは太い鎖で雁字搦めに縛られた原始人だった。