EX6 ハンバーガー転生29
バーナーが生まれてから4年が経つ。
「ヤァ!!」
バーナーの上段がスパインを狙う。スパインはバラけさせた紙聖剣の1枚で受ける。その後、数回の剣戟。
「……ハッ!」
紙聖剣の1枚がバーナーの木刀を上へ弾き飛ばす。バーナーが手を伸ばす、もちろん手は届かない。
「風!」
風が空を舞う木刀を押し返してスパインを狙う。弾かれても何度も戻ってくる。風の操作能力も高まっているな。スパインは木刀は見ずにバーナーを見据えている。
「面白い戦法です、ですが本体はどう守りますか!」
スパインはさらに2枚目を飛ばす。バーナーは風でその1枚を圧縮する。
「風球!」
ほう、本来なら手のひらから発射して使う風球を対象の部分で発動して抑え込むために使うとは。応用を利かしているな。
「やりますね、む!」
背後からの風球を3枚目で防ぐ、もう片方の手でこっそり生成したか。風属性は肉眼で見えにくい上に空気ならそこら中にあるからどこから攻めて来るかわかりにくい。利点を利用した不意打ちだ。
「そこまで!」
俺が叫ぶとバーナーはふぅっと両腕を下ろす。
「すごいぞバーナー! 3枚目まで使わせることが出来るようになったな!」
「はい!」
スパインが紙聖剣を刀身に戻す。
「成長速度が早い、ここからは加速度的に成長していくでしょう」
バーナーがフルフルと首を振る。
「まだ1000枚目まで使ってもらってません!」
「それはバーナーの魔力をその腕輪で抑えているからでしょう、風力が増せば対応する紙も多く裂かなければならなくなるので」
視線を俺に向ける。
「私が教えられることはもうないと思います、任期も終えたので王国に──」
「いいや、あるね」
「といいますと?」
「様々なシチュエーションを再現出来るその紙聖剣の力でまだまだ再現出来るパターンはあると思うんだよね」
ゴマをするようにバンズをスリスリさせる。
「だからさ、これからは週一とかさ、月一でもいいから!」
「……そういうことでしたら畏まりました、返答は王さまに確認してからでもよろしいか?」
「モチさ!」