EX6 ハンバーガー転生25
翌日。
「バーナーの魔力トレーニングをしようと思う」
俺の発言にアイナが疑問を口にする。
「まだ4歳ですよ? 100歳くらいになってからでも……」
急にエルフの時間感覚出しますやん、アイナはん。
「魔力量は大人を凌駕している、このままじゃまずい気がする」
「そうですが……」
「俺もハンバーガーになる前は、自分の力をセーブ出来ずに暴走したことがある」
「バーガーさまも!?」
「そうさ、まだ未熟な筋肉だったころの……いや筋肉は悪くない、俺の精神がハニーシロップのように甘かったんだ。だからバーナーの精神がしっかりするまでは力を抑えるような方向性で教えたい」
「そういうことなら、わかりました」
「とは言ったものの、魔力の抑え方なんてアリサ先生でも教えられないよな?」
今年来たスパインはバリバリの聖騎士って感じだしなぁ、ちょっとお堅いから近づき難いというか、いい距離感というか。とにかく魔力操作に精通している感じのタイプじゃないよな。
「ジゼルにお願いするか」
「ジゼルはいまディザスターと決闘の準備をしています」
「そうだったな、カッパーみたいに水を差すわけにはいかないな」
「となると」
ふーむ、これだけ人材がいても困ることってあるんだなぁ。街すら作れたのになぁ。子育ての方が難易度高いぜ。
「あの人たちにも聞いてみるか」
「どなたですか?」
「ギアたちさ」
アイナが顔をブンブン振る。
「絶対にダメです!」
「もう蟠りはとけたよ?」
殺された俺が許してるからな。
「ギアは仕事で動くのでもしバーナーがターゲットになったら迷わず襲って来ますよ」
「あー、それはダメだな、俺が軽率だった」
俺はない頭をフル回転させる。アイナが先に答えに辿りつく。
「私たちで教えましょう」
「そうだよな、俺たちで教えよう」
それからバーナーの知育が始まった。
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・基本はバーナーの手を優しく握り、片手にアイナの魔力を流し、残りの手からバーナーの魔力も一緒に混ぜて放出させる、これを逆も行う。
こうすることで体内にある魔力の感覚を掴みやすくなる。細胞にある魔力を通す道も太く頑丈になる。
バーナーはくすぐったいのか、これをやるときはよく笑っている。嫌がったらやめようと思っていたからすごく助かる。
・次は指先から魔力を渡し反対の指先から出す。少しして指を指定して流す。
無意識に放出する先を選べるようにする。手のように魔力を動かせるようにする訓練だ。やったあとはよくニギニギしている、血行が良くなるためかホカホカおててになる。