EX6 ハンバーガー転生16
「ラゼ、俺に何か力を分けてくれないか? できればものがいい、体の一部とか」
「さっそく他力本願じゃん!!」
ラゼはキョトンとしているが「それなら」と左手で右腕を掴む。
「ん? 何を?」
「えい」
ポコンと右腕が取れちゃった……人形遊びじゃないんだから……。
「お、おいおい大丈夫か?」
「助けてくれた礼だ、受け取れ」
右腕のあった部分に風が集まるとすぐに再生した。アリサが解説してくれる。
「ラゼは魔力生命体なんだよ、スーやネスと同じ」
「なるほど、風そのものなのか」
だからといって身体を裂くのは痛いだろう、スーだって死ぬときは痛がっているんだし。
俺は感謝を述べてから腕を挟もうとすると腕が玉になった、ビー玉くらいの大きさだ、挟みやすくていい。挟むと力が湧いてくる、美味しい魔力だ。
解析はさっきしたから何が使えるかわかる。闇玉はもう使い切ったからそれ以外ならいけるか。
「魔物たちもそろそろ様子見を終えて来るころだ、ならば!」
俺はMAXソードに意識を集中する。そしてラゼの頭から飛び上がる。
「必殺!」
俺の掛け声にMAXソードに勇者の魔力が迸る。
『勇者斬』