EX6 ハンバーガー転生15
そんなこんなしてると静寂を保っていた森がざわめき始める。
「なんだ?」
瞬く間に気配が周囲を包む。隠す気もないから俺でもわかる、獰猛な気配だ。
「ラゼさまは私の後ろにいてください」
「やだ、お前また痛いことするだろ」
「しませんよ」
だだっこラゼだ、仕方がないので俺が頭の上に乗る。
「神である私の頭に乗るなど頭が高いやつだ」
「頭しかもんでな、くるぞ!」
周囲の森から現れたのは魔物たちだ。巨木を枝のようにかき分けて取り囲んでくる。俺はクラウンを高速回転させて周囲を確認する。計8体の魔物、全てS!
「ていうか、こいつらSランククエストの討伐対象モンスターじゃないか?」
依頼書のイラストでみた奴が7体と、残りの1体はちょっと場所が遠くて取らなかったクエストの魔物だ。
「それどころかまだまだ来るよ、遅れてきてるのはAランククエストの魔物だね」
「森中のいや、この地域全体から集まってきているのか、なんで!?」
「空に打ち上げた膨大な闇の魔力に誘われたんだろうね」
マジか、一気にやりすぎちゃったか、いやでもラゼが辛そうだったからな、しょーがない。
「それならそれで都合がいい、これだけの奴らを狩ればそれなりの報酬になるだろう」
「そんなこと言ってる場合かなー、私が殿務めてあげるから、2人で突破口を──」
「ふふふ、バッガッガ!」
ちゃんちゃちゃらおかしいぜ!
「俺を見くびってもらっちゃ困るな、俺はバーガー・グリルガード、このくらいの修羅場、朝飯さ!」
「前じゃないんだ!」