EX6 ハンバーガー転生11
「てなわけだ、アリサ」
「合点承知之助っ! ってなるか!」
見事なノリツッコミだ、それはもう文化遺産のような切れ味だ。
「私の役目は皆さんをお守りすることだよ」
「聖騎士十大大隊長ともあろう人がそんな自信の無いことを言っちゃうのか? 俺が居なくても2人を守れるでしょ?」
「そっちじゃなくてバーガーのほうだよ、あのね、一番の防衛法は危険な場所に行かないことなんだよ、ハンバーガー1品で行ってどんな目にあうか」
「大丈夫だって、俺強いから」
「それにクエストで稼ぐったって、街起こしできる額を稼ぐなんて到底できないでしょ?」
「それも大丈夫なハズだ、ちょっとあてがあるからさ」
「あて?」
「まぁ、冒険者ギルドを作ったときに色々な」
「そんな含みを持たせて……、ああ、やっぱり王さまから魔王討伐の褒美を頂戴すればよかったのに!」
「あんな造作もないことでお金なんてもらえるか!」
「あの魔王を倒したことが造作もない!?」
番重岳人に戻ったときの俺ならマジで造作もなかった。アイナが助け舟を出す。
「まぁまぁアリサ」
「アイナ」
「バーガーさまは勇者です、MAXソードもありますから大丈夫です!」
「……」
アリサは難しい顔をして悩んでいる。そして答えを出す。
「私もついて行きますよ、それでいいですね」
「ああ、アリサが来てくれたら助かる」
「わかったよ」
「よし!」
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タスレ街の冒険者ギルドにつく。大通りに面しているからわかりやすい。アリサの肩に乗って入る。一瞬視線が集まるがすぐに戻る。俺たちも気にしない、ここはそういう場所だ。
「まだ綺麗な床に新品な家具、なのにもう賑わってる」
「じゃあいいクエストとられちゃってるんじゃない?」
「ふふふ、アリサさんは冒険者ギルドをご存知でないらしい」
俺はクラウン部分を動かして2階のロフトを見る。
「1階で受けられるクエストはAクラス以下のものしかないんだ」
「じゃあSクラスのものはまだ取られてないってこと?」
「そういうことだ、このあたりのSクラスのクエストはほとんど手付かずなんだ」
「それがあてってやつ?」
「Sクラスをまとめて片付ければ相当な稼ぎになる」
王国ぐらしのときにSクラス冒険者になっといてよかった。