EX6 ハンバーガー転生4
少ししてアイナがバーナーを抱えて降りてくる。
「バーガーさま……この2人は」
「実は──」
諸々説明する。かくかくしかじかバガバガうまうまだ。
「お願いしましょう」
「え、いいのか?」
思いのほかすんなりとアイナは受け入れた。
「王さまだから断りにくいとかあるなら気にしなくてもいいんだよ」
アリサの視線が痛いがつとめて無視する。決定権は俺たちにある。
「そうじゃなくて、魔物の件もありますし、強い人が護衛についてくれるならバーナーも安心かなって」
「たしかに」
俺はなんて浅はかな考えをしていたのだろうか。そうだ全てはバーナーのために行動しなければならなかった。俺とアイナでそう決めたんだ。
「私も家族水入らずがいいんですけど、バーナーがもう少し大きくなるまでの間は必要かと」
「そうだな、じゃあお願いしよっか」
俺とアイナはアリサとオンブルに体を向ける。
「そんなわけだから、お願いします」
「まかせて!」
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「……魔物の出現位置はここから……」
オンブルと一緒に来た場所は俺たちの家からさほど離れてはいない草原地帯だった。
「思ったよりも接近されてるな」
「……申し訳ございません……」
「責めてるわけじゃないよ、城壁の役割をしてる丸太じゃダメってことか」
王都みたいな頑丈な城壁とまでは行かないまでも、街クラスの城壁はほしいところだ。
この一年でタスレ村にも移住者が増えた。俺とアイナのダブル勇者がいるから、前は全くいなかった観光客も来るようになった。
「タスレ村の発展か」
「……何を考えているのですか?……」
「この村を発展させたほうがいいかなって、このまま移住者が増え続けたらここのキャパなんてすぐに超えちゃうからさ」
「……素晴らしいお考えです、たしかに賑わえば必然的にセキュリティレベルも上がります……」
「よし、その旨を王さまに伝えてくれるか?」
「……かしこまりました、必ずお伝えします……」
日が陰ってきた。オンブルが闇にまじる。
「あれどこいった?」
「……私の体は闇に紛れるようになっています、夜の間なら高速で王都まで戻れます……」
「それでオンブルが一番手だったわけだ」
「……はい、ですが、これからは転移ゲートもありますので、往来もより快適になるかと。では失礼します……」
「おう、今度は任務じゃなくてオフの日に遊びに来てくれよな」
「……はい、必ず……」