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EX4 人類最強の七人15



「くっ……」


 パロムはフラフラと瓦礫に腰掛ける。クロスケはカカカと笑いながら上を見る。


「おせぇじゃねぇか、お前ら」


 クゥが呆れた顔をする。


「お前が早すぎるんだ、クロスケ」

「カカカ! どうやらチョウホウ街の前にいたデカブツも片付けたみてぇだな」

「はい! これで転移魔法が使えるようになりました!」

「アイナも立派になりやがったな」


 クロスケはギラギラとした顔でパロムを見下ろす。


「全員お前の予想より早く着いたな、脳みそのシワが足りねぇンじゃねぇの?」

「……」


 トゥルーファングがエリノアに駆け寄る。


「帝王さま! ご無事で!」

「……ちょっとやばいかもにゃ、ごほっ!」


 オディットが治癒魔法を掛ける。


「怪我人は黙ってなさい。ファング、エリノアはジュが面倒見るから、任せたわよ」

「ああ、真実にかけて」


 パロムが立ち上がる。


「……は、はは、なんだい、それ」


 一瞬にしてアイナの矢に囲まれる。


「それ以上動けば貫きます!」

「……完璧に勇者の矢(ブレイブアロー)を使いこなしたようだね、でもね!」


 パロムの身体に矢が突き刺さる。


「動けば貫くと、言いました」

「くはっ……」


 パロムはそれでも叫ぶ。


「これで終わりだと思───────」


 クロスケに首をはねられた。


「けっ、最後は負け惜しみか元四天王が聞いて呆れるぜ」

「クスクス」

「あ?スカリーチェ、何がおかしい?」

「いやぁ、悪は去ったなって思ったら、自然と」

「お前だけには言われたくねぇと思うぜ」


 エリノアがハッとした様子だが、言葉を飲み込んだ。それを察したファングが顔を近づけ、小声で話す。


「何か、ありましたか?」

「魔王が───────」

「エリノア、待ちなさい」

「オディット?」

「あれが本当に魔王だったと思う?」

「……だよにゃ」

「何の話ですか、帝王さま」

「いいや、肉親だから分かることがあるってことだにゃ」

「そうよ、あれは魔王であると同時に別物、何か、もっと」


 地震だ。


「にゃ、にゃんだ!」


 サガオが叫ぶ。


「センサーに反応あり! 地中に根を張っていた骨が一箇所に集中している!」

「なんだと!」


 クロスケはパロムの死体を見る。


「こいつは確かに死ンでンぞ!」


 念の為と、頭部を入念に潰す。


「目視できます! チョウホウ街の外、あの巨大な骨の骸にエネルギーが集まってます!」

「クスクス」


 スカリーチェが魔力を纏わせて飛び上がる。両手を合わせて消滅魔法(ディスアピアランスマジック)を発動する。アイナも飛び、隣に並ぶ。


「スカリーチェ!何をしているのですか!」

「先手必勝スよ」


 巨大カセキくんの骸はそれを回避する。巨体を思わせない身軽さだ。


「動きました! 生きてます!」


 グレイブが怒鳴る。


「そんな馬鹿な、ここにきたときには完全に停止していたぞ!」

「あはははははははははははははははははは!!」

「この声は!」


 巨体からパロムの声がする。


「いやぁ、参った参った、圧倒的に力があるとついつい油断してしまうね」

「その骨の塊がてめぇだって言うのかよ!」

「そうさ。この世界では死んだら魂はスーサイドドラゴンに吸収される、でもね、近くに魂を吸い寄せるものがあればそれが優先されるのさ!」


「分かるだろう? トリガーはボクの死、そしてそのトリガーを引いたのはクロスケ、キミなんだよ!」


 そういうと受肉していく。今までの受肉とは違い、完璧なものだ。


「カセキくんの神ボディ、兄さんの計算外の気合い、そしてボクの頭脳が合わさった、最終フェーズ、新たな神!」


 その巨龍は邪悪な笑みを浮かべる。


「邪悪龍、エビルドラゴンの誕生さ!」


挿絵(By みてみん)

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