EX4 人類最強の七人3
「まぁ、にゃんだかにゃあ、オディット、にゃにか分かったらすぐに伝えてね」
「ええ。それまで何が正解か分からないから姉妹(あの子)たちを呼ばないようにね」
「んにゃ、帝国の守りもあるからこれ以上の人員は割けにゃしね」
「あ、来るわ」
空に転移魔法陣が展開される。魔法陣から現れたのは、
「あ、皆さん! お揃いで!」
アイナとサガオが現れた。
「いやぁ、新婚ほやほやにゃところ悪いにゃあ」
「もう新婚だなんて、10年経ってますよ」
「あー、そうだったにゃあ、ずっと新婚みたいにイチャイチャしてるから勘違いしちゃったよ」
「バーガーさまは甘えん坊さんですからね!」
「って当のバーガーは来てにゃいの?」
「はい、どちらかは残っていてあげないとってバーガーさまが」
「え、もう10歳ににゃるんでしょ?」
「本人もしっかりしてるし、叔父様も叔母様も近くにいるので、お願いすれば大丈夫なのですけど、バーガーさまは家族というものに一家言あるので」
「ふーん」
サガオが前に出る。
「グレイブさま、遅れました」
「構わん、立ち話する必要もないくらいだ。2人とも座れ」
「はい!」
サガオの中にはサガオ一家のヒマリ、コスモ、ダリアが入っている。中で話しているが外に声が漏れないようになっている。クゥにうるさいと怒られてから防音機能が追加された。
「スカリーチェを倒すんですよね!」
「めっちゃ乗り気にゃんだね」
「それはもう……バーガーさまを殺そうとした魔女ですから!」
アイナの目に漆黒の殺意が宿る。エリノアは身震いして視線をオディットに向けるがそっぽをむかれる、だが代わりに助け舟が出される。
「現在の状況をジュがわかりやすく説明してあげるわ」
「お願いします!」
「現在、向こうのほう、すごく遠くでスカリーチェとトゥルーファング、クロスケが交戦中」
「私たちも早く加勢に行かなくちゃですね!」
「ですが、少し不測の事態となりました」
「え?」
「この作戦が第三者に仕掛けられたものの可能性が高いのです」
「え!? 私来ちゃってよかったんですか?」
「相手の思惑も分かっていないし、まだ確認も取れていませんので、全員が集合してから一度話した方がいいとジュが独断しました」
エリノアが手を上げる。
「補足するよ。新世界から派遣された傭兵が一人、スカリーチェに殺害されているよ。まぁ向こうがどうしてもと言うから作戦に組み込んでみたけど、想像通りの結果ににゃったにゃ」
「どうしてそんなことになったんですか?」
「まぁ、色々とにゃ、ミーももう一国の主だし新世界が擦り寄ってくるにゃら歓迎してやるしかにゃいんだよね」
「そうですか……やっぱり早く倒さなきゃですね!」
「……アイナ(あいにゃ)はあの魔女が戦ってるところをちゃんと見てにゃいからそう言えるんだよ」
「そんなことありません! ちゃんと報告は受けてます! それに戦の規模も魔王戦と比べれば小規模なのは明らかです!」
「たしかに、シチューはバーガーに悪い所だけ剥がされてリタイア、ブラギリオンはバーガーと戦ってなんか勝手に満足したし、パロムはーーどうにゃんだか、今いるのは四天王がたったの一人、それを人類最高峰の6人で確実に討とうとしている、まるで詰将棋のようだにゃ」
「これが終わればパロムだけになります! あと少しで人類の勝利です!」
「『あの時』バーガーがシチュー以外もデコピンで倒してくれたらよかったのににゃ」
「あの時のバーガーさまは理の外にいらしたので、やはりこれは我々の問題なんですよ、バーガーさまも今の姿なら協力してくれます」
「……ハンバーガーの姿でしょ?」
「世界で一番美味しくて強くて優しい私のハンバーガーです!」