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EX3 グリムリーパー14

挿絵(By みてみん)


(深刻な槍の攻撃を受けてしまった)

(わわわ、私のせいで)

(我々の責任だ、罪は我々に等しくある)

(クモ、ヘビ、このままではお身体が持たない)

(やむを得まい、ヤギ)

(ああ、もうあとがないね)




「む」


 ノーは突き立てた槍を引き抜くと怪訝そうな顔をする


「生きている、というのか」


 グリムの胸には大きな穴が空いている、だが確かに生きている。


(ならば頭を潰す、それでも生きるというのならば、全身を貫き消してやろう)


「このお姿のおかげで助かったよ、姿が怪物だったら一手目で完全消滅させていたよね」


 グリムの空いた胸から漆黒線状魔力が溢れ出す。即座に『機体』を魔力生成する。


「なんだその『乗り物』は」

「あんたと僕は似てるタイプだよ」


 グリムを載せた大型バイクが場内を疾走する。


「起きて、僕の意志をバイクに移して、肉体の指揮権を戻したよ」

「……くぅ……」

「起きたかな、ク……グリム」

「はい……」

「もうあとがない、まずはこの城から出るよ」

「攻めの逃げですね」

「そうだ、龍宮城の内部はノーさまの意のままだ、部が悪すぎる」


 壁を破壊して城の外に出る。バイクは空を飛び、周囲を旋回する。


「この乗り物はなんですか?前は馬車でしたよね」

「情報がアップグレードされたからね、新世界の鉄の馬さ」

「ヤギなのに」

「やれやれ、グリムは一人の時は頑張るけど、僕たちが出ると途端にそうなるね、気張りなよ」

「はい!」


(ヤギまで出てきてくれたんですから、全ての手札を使います)


「時間を稼いでください」

「わかったよ」


 バイクが高速で離れていく。龍宮城は砲門を解放する。玉座の間から全てを見通すノーが叫んだ。


「撃て!」


迫る砲弾をバイクはギリギリで回避する。


「大砲のくせにえらい精度だね」


 グリムはポシェットの中に手を入れて、漆黒線状魔力で武器を生成する。


(急げ〜急げ〜、でも綿密に精巧なものを〜!)


「どこにいけばいい?」

「かっ飛ばして!」

「はいよ!」


 バイクはさらに加速する。グリムはポシェットから大砲を取り出し、バイクに装着させた。今度は玉を取り出し装填する。


「ファイヤ!」


 放たれた砲弾は砲門に命中。次々に撃ち破壊していく。


「ラスト!」


 最後の砲門を破壊してバイクは空中に停車する。


「下の方から何かが降りていってますね」

「あれは避難用の船だね、乗組員の他にブラギリオンさまとマグラも乗っているようだ」

「ノーさまも少しはやる気だしてくれるようですね」

「気をつけなよ」

「はい、飛び切りの武器を作ります!」


 大砲を解除してポシェットの中に意識を集中する。正門が開かれる、正面にノーが立っている。


「手こずらせよって、龍宮城にここまで食らいつくとは」

「序列的には下の人たちの方が強い感じしますよ!」

「ふん、奴らがこの龍宮城に対して何が出来る?毒、山、影、そんなものでこのレスさまから賜った城が落とされるものか。毒を克服し、山を穿ち、影を落とす。陸地の者とは一線を画している」


(たしかにあの城を自在に操作できるなら……)


転換(コンパート)


 背後から馬車が出てくる。戦闘馬車だ。


「ゆくぞ小娘!」

「ヤギ!」

「はいよ!」


 グリムの後を追うノー。超高速で空をかける。


「えい!」


 もう一つのポシェットから爆弾をばらまく、大爆発が起きる。爆煙の中をノーが飛び出してくる。


「こんなもので儂が止まるものか!投擲ぃ!」


 ジャベリンをスレスレで回避する。グリムはクナイブレードを作り、連続投擲。ジャベリンのない隙を狙う。


「ハアッ!!!」


 怒号で弾き飛ばした。帰ってきたジャベリンをキャッチする。


「出来ました!」


ポシェットから引き抜くは巨大な斧だ。デザインはシャープさを追求したものになっている。


「行ってください!」


バイクが疾走する。ノーとすれ違う。後方の城が真っ二つになる。


「かはっ!!」


 胴体を裂かれたのはグリムだった。


「城を斬らせて胴を断つ。実際には城は自ら二つに別れたのだがな」


 ジャベリンを構える。


「今度は肉片一つ残さん、喰らうがいい、裁きの槍(ジャッジメントレイ)


 空に投擲したジャベリンが光を纏いグリムを襲った。





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