第10話 ラピス
第10話 ラピス
食事を済ませた俺は、夕暮れまで時間があるので威力偵察の肩慣らしに外で射撃練習などをする事に決め、人通りの少なさそうな林をうろついていた。
街にそこそこ近いので特にモンスターっぽい奴はいなかった。なんだか妙にデカいカナブンやハエの様な虫はそこそこいたが、それはモンスター言うよりも大きすぎる昆虫程度だ。
あの巨大なスズメバチを見たせいで少し感覚が狂ってしまっている気もしなくはないが、特に危害を加える様子も無かったので素早く狙いをつける練習相手ぐらいにして射撃するのはやめておいた。
すると何やら奥の方から人の声がする。ちょっと気になるので向かってみると、ハーネア先生と子供が2人。ありゃハーネア先生って子持ちなのかな?とか考えるも折角なので声を掛ける。
「おはよう、ハーネア先生」
「あら、エイジロウさん。おはようございます。今日は見回りか何かですか?」
「いえ、ちょっとした肩慣らしの散歩ですよ。ところでそこにいるお二人のお子さんは?」
「え?ああ、エイジロウさんはハンターですものね。この位のハイド魔術は効きませんか。今日はこの子達の魔術の教室なんです」
そう言えば、初めて魔術師ギルドに行った時に子供とすれ違ったのを思い出した。ハーネア先生は子供も教えているのか。
「なるほど」
「ちぇー、なんでバレルんだー?僕の魔術は完璧だったはずだぞー。ねーなんでー先生ー」
つまらなそうに男の子がぼやく。
「エイジロウさんはハンターさんなんです。腕のいいハンターさんやチェイサーさんは身を隠す魔術やスキルを見破るスキルを持ってたりします。ですから身を隠す魔術が使えるからって安心するのは禁物ですよ」
「ちぇーそれじゃぁじゃー意味ないじゃん」
つまらなそうに少は答える。
「そんな事はありません。見破るスキルよりも隠す魔術やスキルの技術が高ければ、見抜けなくなりますから、しっかりと練習しましょうね」
たしかに、俺の索敵能力にそんな事が書いてあったな。つまり、俺も索敵能力と気配消しのスキルを上げておかないといけないということだな。
「――――つ!」
一瞬、キーンという耳鳴りがした。なんだ?
(・・・だれか・・・たすけて・・・)
なんだ?何かが聞こえたようなキョロキョロ見回すも特に何もない。
≪エルリード、なんか言ったか?≫
≪何モ発言ハシテイマセン≫
「どうかしましたか?」
「特に何か助けを求める声なんてしないよね?」
「いえ、特には聞こえませんでしたが・・・」
気のせいかな?
(たす・・・け・・・て)
まただ!耳鳴りの後に声が聞こえた。一体なんだ?
≪周辺ニ異常ガ無イカ確認シマスカ?≫
≪頼む≫
≪スキャン開始・・・・スキャン完了、ココカラ東ニ100m付近ニ人ノ死ヲ感知シマシタ≫
≪急いで案内してくれ≫
「あの?エイジロウさん?大丈夫ですか?」
無言でエルリードとやり取りしてたからハーネア先生のことすっかり忘れてた。
「ハーネア先生。どうもここから東で何か異常が起きてるみたいだ。ちょっといってくる」
そう言ってエルリードの案内で現場に向かう。辺りにはなぎ倒された木がちらほらと見られる。何か争ったのだろか?
耳鳴りが起きてから、何か妙に頭の隅でチリチリしてる感覚がある。なんだこれ。
すると、視界に突然奴隷と思われる男が無残にも引き裂かれて血を流して倒れている・・・。これは死んでる。
俺はいきなりの死体に驚き尻もちをつく。心拍数が上がり視界が歪み気持ち悪くなり、恐怖で声も出ない。
≪精神ノ急激ナ変動ヲ感知、精神ニヨルバイタルノ急激ナ変動モ認メラレマシタ。マスターノ安全優先ノ為、強制的ナ精神安定措置ヲ行イマス≫
エルリードの思念が脳内に響くと、腕輪がほんのり暖かくなるのを感じる。すると一気に上がった心臓の音が少しずつ収まり身体の状態と思考が戻って来る。
≪ありがとう。助かった≫
そう思念を飛ばして立ち上がる。どうやら問題なく動ける様だ。
≪ドウイタシマシテ。ソレヨリモ付近ニ大型ノ敵性モンスターヲ感知シマシタ。注意シテクダサイ≫
すると何かが近づく気配、素早く反応して振り向き様に銃を構えるとそこにハーネア先生が近づいて来るのが分かる。
「エイジロウさん、大丈夫ですか?」
「先生!来ちゃだめだ!」
そう警告するが止まらず、男の死骸を見てしまう。驚き口を押える様子を見せるが精神は安定しているようだ。慣れているのか?俺より全然強いんだな。
「これは・・・モンスターの仕業?」
「ハーネア先生、子供たちは?」
子供たちがいないのに気が付き聞いてみる。
「大丈夫です。使い魔に守らせていますから」
「使い魔?」
「ええ、魔術で使役するモンスターと言ったところでしょうか」
「どうやら大型のモンスターがいるようなので先生は、一度子供達と戻った方がいい」
「それは、出来ません。どうせエイジロウさんは、残るのでしょう?」
「そりゃそうだが、先生は子供達と一緒に街へ戻った方が・・・」
そう言いかけると、ハーネア先生が指で俺の口を閉ざす。
「エイジロウさん!貴方も私の生徒です。ほっぱらかしになんて出来ません」
まぁそうだけど・・・ダメだ、こういうタイプは頑固で何言っても引いてくれない典型的なパターンだ。
「わかった。適当にヤバくなったら逃げてくれ」
そう言って移動する。すると、馬車が破壊されて、3人が八つ裂きにされて死んでいる。
≪敵性モンスターヲ発見シマシタ≫
案内の通りに俺は無言で走っていく。
脳内に響く、チリチリ残る妙な感覚、わからないけれど多分これは確かに近づいている!
すると、木がなぎ倒されるような音がして、男が吹っ飛んで行くのが見える。
急いで走ると、巨大なクマの様なバケモノが幼い少女を襲おうとしているのが見えた。
「やらせるかぁ!」
そう叫びながら、巨大クマに向かって、白い生ガスが出るまで弾丸を連射で解き放つ。余り効いていないようだが、注意を此方に向ける事は出来た。
素早く俺はハイキャパをしまうと、アサルトライフルのLVOA-Cを袋から取り出して武器を切り替える。
そのタイミングで巨大クマも此方に向かって来る。巨体の癖に早い。俺は素早く銃のセレクターをフルオートに変えると突撃してくる巨大クマの顔面を狙って連射する。
秒間16発という連射が巨大クマの毛をそぎ、皮を抉って行くが致命傷にならない。なんつー硬さだ。だが、距離を取るように移動しながら連射を止めずダメージを蓄積させていく。
すると、流石に巨大クマはこれは堪らんと逃げ出そうとする。
「逃がすか!お前の様な奴を野放しにするわけにはいかないんだぁ!!!」
全力で回り込む。一体何処からこの速度が来るのか分からないままAPS-DREIに切り替える。
「こいつでー!おちろぉ!!!」
そう叫びながら回り込んで引き金を引く。弾丸は巨大クマの横顔に当たると一瞬で閃光が瞬き、激しい爆音が響くと巨大クマは動きを止めて激しい地響きと共に倒れる。
一息ついて体を見るとほんのり光っている。ふと気配がして後ろを見れば、後方でハーネア先生が杖を構えて魔術を行使していた。
なるほどハーネア先生の支援魔術があったから、あんな速度で走れたのか。俺は先生に向かってサムズアップをする。
「しかし凄いですね。まさかエイジロウさんが魔弾の使い手とは思いもよりませんでした。それに最後の一撃は、上級魔術と比べても遜色ない威力・・・」
先生は近づいてきて、そう言う。
「支援魔法をありがとう。しかし上級魔術の威力をぶつけてやらないと倒せないモンスターが街の付近にいるとは・・・あ!」
大事な事を思い出した。一人女の子が生きてる事を思い出して、走って向かう。
いたいた、白髪に青い眼の小学生くらいの女の子。服装からすると奴隷の子か。そういえば皆、奴隷服を着ていた。襲われたのは奴隷商人の馬車だったか。
俺が近づくと少女は此方に歩きながら人の顔を眺めている。そうすると、怖かったのか飛びついて服に顔をうずめている。
つい反射で頭を撫でてしまう。気が付かなかったがこの子、耳が尖っている。
(あ・・・りが・・・とう・・・)
え・・・?さっきから聞こえてたのは、この子の声なのか?そう言えば知らないうちに脳内でチリチリしていた感覚がなくなっている。
どれくらいそうしていただろうか?後ろからハーネア先生が声を掛けてくる。
「あらー私もそれなりに自信は、あるんですけどねー。私をほっといて、女の子と抱き合ってるなんて。エイジロウさんの趣味はそっちだったんですね」
小さい子供に抱きつかれ、その子を頭を撫でている姿を見られてしまう。
「え?いや、そういう訳じゃ無くですね、これは何というかですね・・・」
しまったな、ハーネア先生も女性だし、ほっぱらかしすぎたかな?
「ふふふ、冗談です。大丈夫です。わかってますよ」
ちょっと本当に大丈夫なのかなぁ。怪しい感じだな。
そんなこんなで、女の子を身体からはがして、目線を合わせるためにしゃがんでみる。
「名前はわかるかな?」
取りあえず名前から尋ねてみるが、答える事はない。ただ首をよくに振っているだけである。
「えーと、俺の名前はエイジロウ。わかるかな?」
そう言うと大きく頷いた。なのでもう一度名前を聞いてみるも、女の子は首を振るだけである。
うーん?どうしたものかな。自分の名前がわからないのかな?試しにお腹はすいてないか聞いてみるけど首を振るだけ。
首を振ると長く白い髪が綺麗に揺れる。ただ、その髪は泥や埃で汚れておりボサボサだ。
≪エルリード、この子の状態を確認してくれ≫
≪了解シマシタ。スキャン開始・・・スキャン終了 特ニバイタルニ問題ハ無イヨウデスガ、一部、スキャンエラーガ出マシタ。エラーノ理由ハ不明デス≫
スキャンエラー?おいおい、壊れたんじゃないだろうな?
まぁ病気でもなさそうだし。うん?なんだか突然俺の腕輪を触りだしたぞ?うーん。珍しいからか?よくわからん。
そうしてると何やら周りが騒がしくなってくる。どうやら兵士達が来たようだ。その中にリンシア一行がいる。
「いよぅ、リンシア」
そう言って立ち上がり手を振ると、なんだかリンシアがよそよそしい感じでやってくる。兵士が沢山いる手前、俺がなれなれしくするのは良くなかったかな?それとも昨晩の事を引きずっているのか?
「こ、こんにちわ・・・エージロー。その子は?」
「モンスターに襲われてたのを助けたんだ。でも、何も答えてくれなくて、名前もわからん」
ぎゅっと俺の服を掴んだままリンシアを見ると、じりじりと俺の後ろに隠れてしまう。
リンシアは、怖がられない様にしゃがんで声を掛けるが、俺の身体の影から顔だけだして首を振って長い白い髪を左右に揺らすだけだった。
「いよっ。エージ。まさかお前さんに先を越されちまうとはなぁ」
そういって現れたのはヴァンだった。
「先を越される?」
「おうよ!今確認したが、あのモンスターは、俺達が追っていたバーバリアンベアーだったぜ」
「え?そうなのか。悪い事をしたな」
そう言えば、初めて会った時にそんな話をしてたの思い出した。
「いや、見つけられなかった俺達が悪いのさ。こういう得物は早い物勝ちなのがこの世界の決まりだしな。しっかし、こんな街の近場にいたなんてなぁ。そりゃ見つからないわけだ」
そんな話をしていると、カラフルなターバンの様な帽子を被った小太りの男が現れる。
「どぉーもぉ。お話しの最中失礼しますねぇ。私、ドーレイ・ウーリィマッスーというケチな奴隷商人です。本日、私どもを襲ったモンスターを退治して頂いてありがとうございます」
「ああ、俺はハンターのエイジロウだ」
「本当にありがとうございます。御蔭で、奴隷達も全滅せずに済みました。それでは、いきますよ。名無し」
そう言い、ドーレイが少女を引っ張って俺から剥がそうとすると、首を振って嫌がりながら俺の服を必死に掴んで離れない様にしている。
「仕方ありませんね、言う事を聞かないのなら・・・」
そう言って、少女から手を放し、その手を少女にかざす。すると少女のつけている首輪に付いている小さな石が光る。突然少女が苦しみだして首輪に手を当てて掻き毟る。
突然の事に驚いて俺も、一瞬、声を失うが直ぐに思考が動きコレが奴隷を拘束する力なんだと理解する。
「おい、もう止めてやれよ!」
そういい、俺はドーレイの腕を掴んで止めさせる。
「これはこれはエイジロウ様、しっかりと奴隷には奴隷の生き方を躾けなければいけないのですよ。特に小さい時から分からせないと後で大変な事になります」
「しかし、だな・・・」
俺は、一瞬、この世界に来て奴隷について見た事や聞いた事がフラッシュバックして言葉を続けられなくなる。
「ふむ・・・そうですか。そうですねぇ。私も商人ですからねぇ。その子も懐いている様子。どうです、その子を身請けしては?」
「えっ?」
そう言われて、いつの間にか俺にしがみつき直していた少女を見る。
「まぁ、私としてもそうして頂けると助かります。何せ言葉も発せられない、幼い子供。場合によっては何も出来ずにいつの間にか病気にかかり、うっかり死んでいくこともあります」
正直、金で人を買うのに抵抗はある。だが、そうしなければこの子は、どうなるかは分からない。
それに言葉も発せられない・・・?確かにさっきの首輪の件でもこの子はうめき声すら上げることができなかった。
宿屋の子供が、ハンターズギルドのカイータが、麻袋を背負っていた男が、そして今日、沢山死んでいった奴隷達の姿が思い浮かぶ。
「わかった、それでいくらなんだ?」
俺は決めた。どうせ地球に戻れないんだし、人を金で買うのか!とののしられても、買った人間次第で全ては変わる。
それは良く知っている事だ。何故なら、エアーソフトガンだって、正しく使えば、スポーツにもなり、年齢壁なんてない素敵な趣味になり、サバゲやコスプレなどの楽しい日々がおくれるのだ。
逆に、悪く使えば、人に危害加え、イジメや、動物虐待、時には犯罪行為にまで及ぶ。どんな行為もその権利を行使する側の心次第なんだ。
ならば、俺は後ろ指、指されようとも一人の女の子を救える方を選ぶ!
「銀5枚でどうでしょう。本来ならもっとするのですが、モンスターを倒して頂いたお礼もありますし声の出ない子供では、合法非合法でも価値は差ほどありません。それにエイジロウ様はその子を解放するおつもりなのでしょう?」
「まぁそうなるだろうが・・・」
流石は商人だな。色々見抜いている。しかし、合法でも非合法でもか・・・。恐ろしい事を言うな。
「それでは、商談成立ですな。それでは様々な手続きがありますので、一度街にいきましょう」
「ああ、そうだけど・・・」
そう言うも、周りは後始末でまだ忙しそうである。するとハーネア先生が声を掛けてくる。
「大丈夫です。私が後はやっておきますよ。早く、その女の子を助けてあげて下さい」
「先生・・・ありがとう。それでは言ってくるよ」
俺は、少なくとも理解をしてくれる人が一人はいるという事で安心する。
それから、少女と共に街に向かい奴隷商人の店で支払いを済ませ、手続きを進めていく。
すると、彼女が名前不明の子供だと通達され、現状、名無しという事になっていると話をされ、名前を付ける事を提案される。
名前かぁ・・・ふーむ。ここの世界の名前のセンスを散々疑ってきたが、実を言うと俺も地球では名前のセンスを疑われる事がしばしばあった。まぁこの世界よりひどくはないはずだ。
とはいえ、うーむ。女の子を見つめる。その瞳が澄み切った濃い青色である事に改めて気が付いた。それは宝石のラピスラズリの様であると形容していいだろう。
「名前は・・・ラピスだ。どうかな?」
そう、少女に聞くと、首を縦にふる。ひねりも何もないが彼女も頷いているのでこれでいいだろう。
「分かりました。それではその様に記載しましょう」
そう言ってドーレイが記載すると、ラピスの身体がほんのり光った気がする。気のせいか?ドーレイを見てみるも、何事も無かったように書類を書いてる。まぁいいか。
そんなこんなで、俺は主になった。少なくとも書類的には。
≪オメデトウゴザイマス。マスター≫
≪あ、ああ。おめでたいのか?≫
≪コレデ、夜モ昼モ、タダデ、ヤリタイホウダイデスネ!≫
≪おめぇ・・・殺すよ?≫
すると、何故かラピスも片手を腰に当てて、片手の指を俺の腕輪に指している。まるで、腕輪に怒っている様だ。この念話が聞こえているのか?まさかな。
それから、基本的な奴隷法と、奴隷のいう事をきかす為の方法の説明を聞き、ラピスの服の替えを買うと店をでる。
どうやら、奴隷法によると、奴隷は奴隷服以外を着てはいけないらしい。せっかく、ラピスを着飾ろうと思っていたのだが残念だ。だから宿屋の子も街の奴隷も皆、同じ服という訳か。
早めに金貨10枚、或いは銀貨100枚集めないとな。出費も結構あったけれど、キラービー退治もそこそこ値段よかったし今は、銀貨計算で約50枚といったところか。
約半分か、とはいえこれから宿屋の値段も倍になるし出費もかさむから単純に倍ではすまないな。ラピスの為にも仕事がんばらないとなぁ。
それから、俺は宿に戻ると宿の女将さんに事情を話す。女将さんはラピスの宿代はいらないと言う。その代わり同じ部屋でベットは一つだ。
そして、とりあえずボロボロなラピスを風呂に入れてピカピカにする事にする。妹がラピスと同じくらいの時にはよく一緒に風呂に入ったなぁと思い出しながらラピスを洗っていく。
ふっ・・・ラノベの主人公なら、少女と風呂入るのに戸惑い無駄に騒ぐ所だが、俺は妹の世話を散々してきたからな、そんな軟弱な事はないのだよ!ハッハッハー!
≪マスター、ソレハ勝チ誇ル程ノ事ナノデスカ?≫
そう腕輪が訴えると同時に、ラピスが憐れむ様な顔をして見てるように見えてしまう。
何故だ!何故そうなるんだ!俺は何も悪くない!!!
それから、風呂を出ると女将さんにお願いをする。俺が夕方から夜に掛けて仕事に行く間、時間が空いた時でいいから様子を見て欲しいと。もちろん必要ならお金を払うといったが、女将さんはお金はいらないと言う。
全く、良くできた女将さんだ。同じ年の奴隷の子を連れてるからシンパシーを感じて親切にしてくれるのだろう。
約束の5時まで後2時間。急いで銃のチェックと弾、銃のパワーソースを入れ直し、野戦用のナイトビジョンもチェックする。
そして、次にスキルの確認と調整をする。スキルポイントが23と増えていたので、スキルポイントを索敵能力、初速、気配消し、視力に振り分けレベルUPさせる。
何故かユニークスキルが増えているんだが・・・なんだ?女神の傍らって。内容も意味不明だ、女神との信頼関係を築けるってなんか意味あるのか?
続いて魔術の項目が増えてるのはありがたいが、説明が雑すぎるだろう。まぁ媒体次第で威力が変わるし仕方ないか。特に何かを起こせるだけでまだ、攻撃魔術みたいなものないしな。
ついでに、オンオフを繰り返して幾つかの属性持ちの弾を念の為、製造しておく。
とまぁスキルはこんな感じになった。
通常スキル
弾丸製造 Lv1・OFF【アイテム袋に自動でホローポイント属性の弾が製造される。1/10秒/MP1】
・ Lv2・OFF【アイテム袋に自動でBB弾(焼夷属性)が製造される。1/20秒/MP2】
・ Lv3・OFF【アイテム袋に自動でBB弾(徹甲属性)が製造される。1/30秒/MP3 レベルUPまで必要ポイント3】
索敵能力 Lv5・ON【殺気や追跡、視線に関して敏感になる。レベルUPまで必要ポイント5 気配を消すタイプのスキル及び魔術をLv5相当までを自動で無効化する】
命中精度UP Lv5・ON【射撃に関する命中精度が上がる。レベルUPまで必要ポント5】
初速UP Lv3・ON 【装備に設定された初速を+20した数値が実際の初速となる 初速がどれだけ上がっても発射音は変化しない。レベルUPまで必要ポイント3】
気配消し Lv5・ON【物陰に隠れている時や、移動する際に見つかりにくくする レベルUPまで必要ポイント5 索敵タイプのスキル及び魔術をLv5相当までを自動で無効化する】
視力UP Lv3 ・ON【視力が上がる。暗闇にも強くなる レベルUPまで必要ポイント3】
ユニークスキル
シンクロニズム 【一定の波長とシンクロする】
転移者 【運気が大幅に上がり、様々な運命や縁に廻り会いやすくなる。スキル及び魔術による透しは不可能】
転移体 【病気、怪我、毒物、等の耐性、及び身体能力が大幅に上がり丈夫な体となる。スキル及び魔術による透しは不可能】
女神の傍ら 【女神との信頼関係を築くことが出来る】
魔術
火炎魔術 Lv1【火が出る】
水魔術 Lv1【水が出る】
冷気魔術 Lv1【冷気が出る】
よし、これでいいな。後は時間まで少ししかないがのんびりしよう。
しかしラピスは大人しいな。ベットの上に座って此方のやってる事を見ているだけで静かにしている。
時間も来たので、仕事で出かけるから留守番をお願いすると伝えると、頷いて了承してくれた。
(気を・・・つけ・・・てね)
部屋を出ようとすると、そんな言葉が浮かび上がる。これはラピスなのか?
確実にエルリードの念話とは感覚違う。エルリードとの念話は、なんていうか思考を押し付け合う様な感じだが、先程の感覚は、何処からか湧き出てくる感じなのだ。だからこそ断定出来ない。
色々気になる事はあるけど、兎にも角にも今は夜間の偵察に集中しよう。よし気を引き締めて行くか。
そう覚悟を決めて宿屋を俺は後にした。




