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一の過去 前編

皆様 よいお年を

 一が転生した理由はとてもシンプルである。



父親に殺されたのである。


 元々一の父親の気性はとても荒く、たびたび一や一の母親に暴力を振るっていた。


 そのため母親は逃げるように離婚し、その怒りの矛先は当時高校1年生だった一と当時中学1年生だった妹の結

ゆい

に向けられた。


 一の父親は元々エリート大学を卒業したのだが、就職した企業で詐欺に遭い人間不信に陥りそのトラウマから逃げるために暴力を振るっていたのだが、一と結がそんなことを知るよしもなく繰り返される暴力から必死に身を守ることだけしかできなかった。


 一が高校2年生の時、事件が起こった。


 結が父親に暴力を振るわれたと連絡してきたのだ。


 元々一が「俺のことは好きにしてくれ!だから頼む!結には手を出さないでくれ!」と父親に頼んでいたのでこれまでは大丈夫だったのだが・・・


 「なんで・・・なんでだよ父さん!」


 家に帰った一を待っていたのは、顔の所々が痣になっている結とリビングのソファーに座り酒を飲んでいる父の姿だった。


 『おー帰ったか。ひっひっひ」


 父は酔っているらしく、かなり上機嫌だった。


 「なんで・・・なんで結を殴った!あいつはなんもわるくねぇだろぉ!」


 「あぁ?俺が久々に掃除してやろうと思ったのに結がキレるんだぜー?」


 父がテーブルの方を見るとそこには一が母に買ってもらった鍛冶師についての本が置いてあった。


 「友達に借りたのかなんなのかは知らないけどなーこーゆー本はお前には必要ねーんだよぉ!」


そう言うなり父は一に近づくなり一を殴りかかった。もう慣れたので不快感はそれほどないが怒りが沸々とこみ上げてきた。


 「これに懲りたら・・・」


 父の言葉は最後まで続かなかった。理由は簡単で一が父を殴ったからだ。


 「俺のことはどうでも良いにしても・・・結を、そして母さんを侮辱するのはぜってー許さねぇ!」


 「一ぇ、お前今ぁ何をしたぁ!」


激昂した父は台所から包丁を取り出した。


 一は数秒後に(終わりか・・・)などと思っていたがその考えは一瞬にして吹き飛ばされた。


 父は一ではなく結を狙ったのだった!


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