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幼年期 四話 『専属メイドのアゲダさん』

展開は遅いです。ゆっくりまったりと進んでいきます。

お母様で食事をとった後。彼女は俺の頭を撫でたりかまってくれたりしたので楽しい一時を過ごせた。やはり愛情というものはとても心に来る。

しかし、


「奥様、朝食の準備ができました。」


「わかったわ、マーゴット。」


と昨日のメイド、マーゴットさんの声がすると華やかな貴族らしい衣服に着替えて


「またね、ルキ。しばしのお別れよ。」


俺の額にキスをして部屋を去って行ってしまった。そしてドアの向こうで少し話し声がした後、マーゴットさんではないメイドが部屋に入ってきた。


「ルキ様、この度からルキ様の専属メイドとして参りました。アゲダと申します。」


髪は黒色で特徴的な長い髪、見た目は若く見えるがしっかりとした礼儀に大人びた雰囲気は30代前半といったところだろうか。


「と、言ってもまだルキ様にはわかってもらえませんよね。」


「うぁ~。」


ちゃんと聞こえてるよ。の意思を含めて一応声に出してみたが勿論伝わることはない。俺の声を聞いたらアゲダさんの口は綻んだ。なんだ、固い表情だけじゃなくてしっかりと女性らしい顔もできるじゃないか。赤ん坊のくせにちょっと安心しちゃうな。


お母様同様にアゲダさんにかまってもらっているとき、やつは突然やってきた。そう、尿便意だ。赤ん坊に我慢はできなかった。


「…ぅう~。」


気づいてもらえるように少し不満げな顔をして声をだす。最悪だ。尻の辺りが気持ち悪い。


「あらあら、泣かずに教えてくれるんですね。」


さすが赤ん坊専属メイドといったところだろう。すぐに、替えのおしめと思わしきものや水の入った容器を持ってきた。もしかして、臭いで気づいちゃったかな…。魔法で神様みたいに語りかけられないかな。


処理が終わってまたかまってもらってたが、だんだん飽きてきた。浮遊魔法を使って探索に行こうとしてもアゲダさんがいるからできないし、本の読み聞かせとかしてくれないかな。俺は部屋を見渡す。すると棚のはじに少しばかしの本があったのでまだ手を懸命に動かして本を指差す。


「あぅ、あぅ。」


アゲダさんは最初はポカンとしていたが三回指差したところで気づいてもらえた。


「読み聞かせですか?赤ちゃん向けの本はないと思いますけど…。」


なんだっていいさ。俺はもう一回指差す。すると、数冊持ってきてくれた。


「えぇと、ルミナス領の歴史、礼儀作法について、母と赤ん坊、等の本がありますが、分かりますか?」


アゲダさんは本の題名を言いながら丁寧に俺に見せてくれた。

ルミナス領?ここのお父様の領かな。もし違っていたとしてもここの領地と関係がきっとあるから知っていても損はしないはず。俺は最初のルミナス領の歴史の本に指を指した。さすがに文字はまだわからなくとも絵柄でわかる。


「…まさかと思いますけど言葉の意味がわかるんですか?」


ここぞとばかりに可能な限り大きく頷く。もうさっきみたいにおしめに糞尿をだしたくない。ちゃんとしたトイレでしたい!


「では、本を読む前にちょっとした質問をしますね。」


そういうと3つの本をシャッフルし、3冊の本を持って


「さあ、ルミナス領の歴史はどれでしょう?」


と質問してきた。簡単だ。俺は一番左の本を指した。


同じ質問を5回繰り返したところでアゲダさんはこの質問をやめた。


「…すごいです。でもちょっと怖いですよ。」


アゲダさんは驚いた表情をした後、喜んでいるのか悲しいんでいるのかよく分からない複雑な表情をした。でも、それも一瞬のことですぐに微笑んで最初に指定した本を開いた。


「では、読みますね。」


「ルミナス領・アミノマ歴418年~現在に至るまでグラン家が統治している領。314年現ルミナス領辺りに誕生し、後に魔王を封印した勇者ルキナから由来している。地理・首都コンスタンまで早馬四日間の距離でルミナス領には森林、湖、草原と自然豊かな領、湖に流れる川を境に隣国オスル帝国領となる…」


自分からお願いしといて失礼だけどもう眠たくなってきた。そういえば起きてから3時間くらいたってるよな。赤ん坊ならそろそろ眠たくなってきてもしょうがない。


「文化は、自然豊かなこともあり冒険者ギルドや食文化が発展していて…」


アゲダさんの声がだんだん遠くなる…。俺はお昼寝の時間に突入した。

ここまで読んでくれてありがとうございます。

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