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幼児期 三話 『浮遊魔法習得』

誤字とかあるかもしれないのでよかったら指摘してくれると嬉しいです。

小鳥の鳴き声で俺は目覚めた。隣をみるとお母様はまだ寝ていた。朝早く起きてしまったのだろうか。この美人ママのおかげで昨夜は良く眠れなかったな。

衣服といい、昨日のメイドの口調といいどうやら俺は貴族の息子として産まれたらしい。ちょうど良い、貴族に産まれたのなら書物かなんかでこの世界を知れる。

しかし起き上がろうとしても体が動かなかった。そうだった、まだ俺は生後一日だった。昨日使った視力を上げる魔法を使ってたせいか、いつも通りに起き上がれると思っていた。

なぜいつも通りと思うのかは昨日と同様に引っかかる点だ。


さて、あまり脳を使ってしまうと魔法をイメージする集中力が持たないのでそろそろ思考するのは魔法だけにしよう。

昨夜に使った視力を上げさせる魔法はまだ発動しているようだ。これからこの魔法は視力向上魔法(仮)にしよう。

視力向上魔法は良いとして、書物部屋があって行くとしてもまだハイハイもできない赤ん坊だ。まずは、移動手段から整えなくては。身体を強くする魔法を模索して試そうとしたが集中力がもたない。


では、フワフワ浮きながら移動する。というのはどうだろうか。自分が宙に浮くイメージを膨らませる。すると、自分の足腰がほんの少しだが浮いた。それを見て、やった!と思った瞬間に足腰はすぐ落ちた。まだ魔法の扱いに慣れていない証拠だ。この魔法が成功しても、万が一に備えて床スレスレに浮こうとするか。

数分練習をしているとイメージが固まって全体が浮けるようになったが実際宙に浮いていると不安定なもので結構この魔法は難しい。


「あぅ!」


フワフワ自分の寝床の真上30センチくらいを浮いているといきなりバランスがくずれてついうわ!と言ってしまった。実際はあぅ!だけど。

衣服が擦れる音がしたので隣を見るとお母様がこちらを虚ろな目で見ていた。

やばい。これからこの移動手段で書物部屋に行こうというときに知られてしまった。勝手宙に浮く赤ん坊がいては、俺からそう目が離せなくなってしまう。面倒なことになるのはいやだ!


俺はゆっくりと寝床へと落ちていく…。お母様の目はさっきと違ってよく見開いて、俺が落ちていく様子を目で追っていた。

寝床に着くと俺は何事も無かったように目を瞑り寝始めた。お母様…これは夢ですよ。彼女がそう思ってくれることを祈りながら魔法を使いすぎた赤ん坊はすぐ、眠りにつく。


「本当だってルーシー!この子ったら私が寝ている間に宙に浮いていたのよ!?」


今度は鳥のさえずりではなく、お母様の声で起きた。あちゃ…やはり俺が浮いていたことは気づかれてしまったか。お母様はベッドの側に立ち、聞き覚えのある声の人と会話をしている。

隣にいるのはお父様だった。髪は金髪で目は黒かった。ものすごくガタイが良いわけでもないが細マッチョな体格にあの爽やかな整った顔つき。美男女の間に産まれた俺の容姿にも期待して良さそうだ。


「落ち着けサラ、赤ん坊が宙に浮くわけないだろう?まさか浮遊魔法が使える何てことはないしきっと寝ぼけていたんだ。昨日の出産できっと疲れているんだ。」


お父様のルーシーは混乱状態のお母様をなだめている。へぇ、いいこと聞いた。俺が使った魔法の名前は浮遊魔法というのか。

…お腹が減ってきた。さほど動いていないというのにな。魔法を使うと体力が消耗されるのか?それともただの食べ盛りなのだろうか。


「あぅ、うぅ~。」


いまだに議論をしている二人に声をかけてみる。


「ほら、サラ。ルキはお腹が減っているぞ。」


「…そうね。またこの話は朝食の時にしましょうか。今はこの子に食事をあげないとね。」


よかった。無事伝わった。さすが母と父だ。息子が考えていることはお見通しってわけかな?お母様が服を脱ぎ始める。あっ。問題が見つかった。昨日は死んでしまいそうな激しい空腹だったから無我夢中で食事をしていて、さらに視力も悪かった。しかし今はどうだ?身の回りの物がくっきりと見えてしまっている。


「こら、ルーシー?ルキのお食事タイムですよ?」


くっ、家族といっても他人のような気がする。まずい、早くこな視力向上魔法を解かないと!


「あ…ああ、悪い。」


駄目だ…。この魔法の解き方わからない。浮遊魔法の時は力を抜いたらすぐに解けたのに…!


「ふふ、ルキの前だからそういうことは期待しちゃダメよ?」


ああ、わかった。覚悟を決めよう。家族なんだ。なにが赤の他人だ?息子がお母様に欲情するなどあってはならないことだ。いや、欲情はしないかな?抵抗感っていうのかな。


「分かってるよ!別の機会に…な?」


二人で何か話していたようだが俺の頭には入ってこなかった。なんせ魔法の解き方に集中してたからな…。何話してたんだろ。


「ええ、楽しみね。」


「じゃあ、食堂で会おう。」


なんだ、今日の朝食の話か。それなら別に聞かなくてよかったな。

ガチャリと扉が閉まる音がする。それを見届けたお母様は再び服を脱ぎ始める。そして、ついにあれが見えた。

なんだ、覚悟してたのが馬鹿みたいだったじゃないか。今までの抵抗感は一気なくなり、食欲が頭の中に広がった。いただきます。

ここまで読んでくれてありがとうございます。

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