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幼年期 二話 『ルキ・グラン誕生』

感想とは本当に嬉しいものです。

気がつくと俺は暖かい温もりに包まれていた。ここは、どこだろう。俺は誰だろう。そもそもなんで一人称が俺なのだろう。疑問だらけだ。


「おい、サラ!俺たちの子だ!!」


声のする方を見ても視界がぼやけていてよく見えない。そういえば体がいうことをきかない。


「ルーシー!大変よ!!赤ん坊は泣いて産まれて来るというのにこの子ったら泣かないわ!」


「そう、慌てなさらないでください奥様。希に驚いて泣かずに産まれてくる赤ん坊もいますよ。」


「ああ、良かった…良かった……。」


赤ん坊?そうか、俺は赤ん坊なのか。だから自分の体の身動きがとれないし、視界がぼやけているのか。待てよ?なぜ赤ん坊がこんな判断ができている?普通、赤ん坊は自我をもてないだろうし。それに、なんで赤ん坊が自我をもてないという常識をすでに知っている?どうやら謎が謎を呼ぶというのはこういうことらしい。


色々考えていても駄目だ。今はこの空腹状態から抜け出さないと…。赤ん坊の食事はなんだ?そう、乳だ。


「サラ!決めたぞこの子の名前はルキだ!かつて魔王を倒したというルキナという勇者の名からとったのだ。いずれ、アミノマ王国最強の騎士に育て上げるのだ!」


「では、奥様。最強の騎士にするためにまずはルキ様の食事からきっとお腹が空いていますよ?」


「ええ、そうね。」


俺の母はそう言うと衣服をめくりあげる動作をする。お腹が空いて極限状態になった俺はあれに狂ったように吸い付いた。


「元気な子ね…。」


「サラのをこんなにも…いいか?ルキ、サラは俺たち二人だけのものだぞ?」


「グラン様、赤ん坊の前でそのような発言は少々品がないかと。」


母親、サラお母様の感動する言葉とお父様の変な発言、それを指摘するメイドと思われる人物の三方向からの声なんて全く気にせず俺は目の前にあるあれを吸い付いる。

しばらく食事をとって腹がふくれると何だがひどく眠たくなってきたのでそのまま目をつむった。お母様の暖かい腕の中ですぐに、意識は遠のいていく…。


目が覚めたらすでにまわりは暗くなっていた。隣で寝息をたてなからお母様が眠っている。赤ん坊は生活リズムがまだ管理できなく、夜中に起きてしまったり、昼間に眠ったりしてしまい、さらにそれも数時間だけしか眠れない非常に不便利な体だ。それにしてもこの常にぼやけている世界。どうにかならないものだろうか…。


「ルキ、無事転生できたようだな。」


しばらく考え込んでいるとどこからともなく声が聞こえてきた。いや、こいつ…直接脳内に……!


「ああ、ぅ。」


声に出そうとしても口がなかなかいうことを聞かない。くそっどうにかならないものだろうか。


「声に出さなくともよいお前の考えてることはわかるからなそれに、声を出したらとなりの女性が本能で起きてしまうぞ?」


それもそうだ。お母様にはぐっすり眠ってもらいたい。して…どなたですか?あなたは?


「私はカミュー、神と思ってくれ。」


神!?本当にいたのか、今まで宗教の類いは信じていなかったが信じざるをえなくなってしまった。もっとも、その今までが解せないけど。


「ルキ、この世界は魔法が使えるぞ、使い方は至って簡単。心の中でイメージするだけだ。」


魔法か、なんだか知らない気もするが。げんに俺が知っているということはこの世の常識だな。多分。それで?なぜ神様がこの俺にわざわざ語りかけているんですか?


「ふむ、私の語りかけは神のお告げとでも思ってくれ。」


さっきから思ってくれって本当に神なのか?心を読めるということは神様なんだろうけどさ。


「細かいことは問題ではない。そうそう、今の不便利な体を魔法によって改善できるぞ。その事を告げに来たのだ。」


へぇ、いいこと聞いた。魔法というのは簡単でイメージするだけで使えて、この状況を変えれる。本当に便利だ。


「では、神もなかなか暇でなくてね。また告げにくる。」


そういうとさっきまでの語りかけはなくなった。今の心も神様は読んでいるのだろうか?まだ謎が多いな。


では、早速魔法を使ってみよう。まずはこのぼやけた世界からの脱出だ。使い方は簡単、イメージするだけ…。目のぼやけを治すイメージって、どうするんだよ。


その後も思考錯誤繰り返した結果、カメラのピントを合わせるような感じで視界がはっきりと捉えれた。これ、ホントに魔法なのかな。ただピントを合わせる『感じ』にしただけなんだけど。まぁ、神様もイメージって言ってたしどうやら魔法は使えたのだろう。


ふと、隣をみてみると今までぼやけていたお母様の顔がみれた。茶髪に近い髪で容姿は非常に整っている美人さんだ。なぜだろう、家族だというのに、赤ん坊というのに、こう…ドキドキしてしまうのは…。


その日の夜は赤ん坊というのになかなか眠れなかった。


ここまで読んでくれてありがとうございます。

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