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幼年期 二十一話 『王国誕生祭前夜#3~フィリナ~』

目上の人には いる を いらっしゃる って表しますけどなんか堅苦しくなるので使って来ませんでした。読みにくいですしおすし。

ルキ、フレッド一行が昼食のために外食店に赴く前、フィリナとサラも同じく昼食のために馬車で外食店へ向かっていた。


~フィリナ視点~


私はほんの数日前までただの獣人、フィリナだった。でも、ルキとの出会いで人間の貴族様になっちゃった。しかもその時、虐められているところを助けてもらって本当にルキには「ありがとう」って何回言っても足りないな~。


ルキはまだ人間の3歳。それなのに私よりも大人気がある。私は獣人だから人間よりも成長が早くて4年も経てば普通、人間の年齢で言うと6、7歳。私は厳しい自然の中でもより厳しいところで生まれたってリンネさんが言ってたからもしかしたらもっとかもしれないのに…。ルキはすごいな~。かっこいいな~。


「何ニヤニヤしてるのさ~。そんなにお昼御飯が楽しみなの?それともルキのことを…」


「!なんでわかったんですか?」


「私の娘ですから!」


お母様は私のことを本当に自分の子供みたいに扱ってくれて優しい。だから大好きなんだけど今日、初めてお母様に対してムカムカするように感じた。さっきルキと話していたときにそう感じちゃったんだ。どうして?大好きなはずなのに…ムカムカするのは私をいじめる人だけだったのに。


「さっきはびっくりしちゃったな~、フィリナからいきなり「あんまりルキと楽しそうに話さないでください。」なんて言われたから。」


「ご、ごめんなさい!なんか…気持ちがムカムカしちゃってついあんなことをお母様に…。本当にごめんなさい!」


「ふふふ、いいわよいいわよ。私だって何度かフィリナと似た体験をしたことあると思うわよ?」


「そうなんですか?どうしてそうなったんですか?」


嫌いじゃない人…むしろ好きな人に対してムカムカすることはお母様もあったんだ…。


「ええ、まぁ続きは店の中でゆっくり話しましょう?もうすぐ目的地に着くはずよ。」


確かにまずはお昼御飯からだね。お腹が減ったよ…。あっ!


「まぁ…お腹なんて鳴っちゃって…」


そう言っている間にお母様がいる前の方からもお腹が鳴った。お母様の顔は赤くなる。


「…二人そろって空腹状態ね…。ふふ…アハハハ!」


「アハハハハ!そうですね、お腹が減りました!」


二人して笑ってたら外の方から着いたという報告があった。そそくさと店の中へ入っていく。これといって特徴もないけど豪華な建物に見えた。護衛がいないけど大丈夫なのかな…?まぁいいや!


ウエイトレスに席を案内されてすぐお母様は注文した。


「ハンバーガー2つお願い!」


「はんばーがー…って何ですか?」


「ハンバーガーは2つのパンにステーキとレタスなどの野菜を挟んで食べる物よ。この都市の二大…一番の名物なんだから食べたらやみつきになるわよ?」


へー、美味しそう。パンに具を挟めて食べるってペッツさんが出してくれる、さんどいっちみたい。


「さて、さっきの話の続きをしましょうか。」


お母様はちょっと興奮したような顔でこちらを見つめてくる。


「私とルキが楽しそうに会話してたらフィリナら私に対してムカムカしたのよね?」


「…はい。」


「ずばり言うわね…それは嫉妬!」


嫉妬?何で??お母様に対してすごいなーって感じたり流石貴族様だなって感じたことは何回かあるけど嫉妬なんて一度も感じたことがないよ。多分。キョトンとしているとお母様は訊いてきた。


「わからないって顔してるわねー…じゃあ簡単な質問をするわ。私とルキ、どっちが好き?」


「ルキと…お母様……」


ルキは優しくて魔法も剣術も凄くて礼儀正しくて…とにかく私の憧れで勿論好き。お母様も優しくて大好きなんだけど何かルキと違うような好きっていう感じがする…のかな?この質問が簡単?そごく難しいよ~……。


「あらら、考え込んで…。でも即答じゃないのもちょっと嬉しいかも。」


しばらく考え込んでもやっぱり答えは同じ。


「どっちの方がと言われましてもどっちも好きですよ~…。」


「じゃあ…私とルキとの好きっていう感情は全く同じ?ちょっと違和感がない?」


「あ!あります!ルキの方がお母様、お父様、屋敷の皆さんよりも何か違うような好きっていう感じがします!」


「ビンゴ!やっぱりね~ちょっとルキは出来すぎてるもんな~。」


お母様がウンウンと頷きながら嬉しそうな顔をしているとはんばーがーとかいう食べ物が出てきた。


「ありがとう。」


「ありがとうございます。」


ウエイトレスはにっこりとしてもといた出入り口の方へと戻っていった。彼が置いていったはんばーがーはお母様が言ってた通りのもので、お肉の香りが食欲をそそる。たまらず手に取る。


「いただきます!」


お母様よりも速くそれを食べる。パンが柔らかくてそれに挟んである肉がとてもジューシーで美味しい…レタスもシャキシャキしていて新鮮なのを使ってるのかな?パクパクと食べ続ける。


「気に入ったみたいね。いただきます。…うん!美味しい~!それでねーその好きっていうのは…」


お母様が次に言った言葉は私を驚かしたのでとたんにはんばーがーが喉につっかかってむせる。


私がルキに…!?え、でも家族だよ??あれ?え?


はんばーがーが喉を喉を通り、苦しみから解放されたら混乱が私の頭をいっぱいにした。


ここまで読んでくれてありがとうございます。

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