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幼年期 十八話 『道中で#2』

雑な回になってしまいました。

ッッ!痛っ!俺は激痛で目覚めた。馬車にいるはずが俺とフィリナは外に放り投げられている。前方を確認すると馬車が横たわっていた。


「ルキ様!フィリナ様!ご無事ですか!?」


「あぁ…」


馬に乗ったフレッドが駆けつけてくれる。奇襲されたか…!


「すぐに応戦準備に取りかかれ!魔法を使う奴を発見した際には優先して始末しろ!」


俺とフィリナ、そしてお父様が乗っている馬車の回りに護衛がつく。俺もすぐに行動できるよう立ち上がり身を研ぎ澄ます。


「うぅ…。」


フィリナは急所を強く打ったのかまだ起き上がれずにいた。そして、数秒の間辺りは不気味なほど静まり返る。


草の音で全員、そこに視線を向ける。そこには逃した2人を追跡していた護衛が縄で縛り付けられていた。すぐ側には一際屈強そうな男が立っていた。


「よぉ…俺の部下たちが世話になったらしいな。」


木の影から続々と賊が現れる。…どうやらこっちが本隊のようで30人以上はいる。辺りを見回していると突然ドアを開ける音がする。


「さわがしいな…おちおち眠れもできん。」


このタイミングでお父様が現れる。この状況には冷静のようだ。


「…ふっ丁度いい、俺らロブ旅団に楯突いた報いだ!」


男は手に持っていた剣を護衛に振り下ろそうとしたが、その時お父様がいつ持ったのかわからない剣を男に向けた。その速さは目で追えないほどの速さだった。そして、小さく呟く。


「極魔法『雷鳴』」


その瞬間矛先から電撃が男に向けて迸った。男は服も肌も焼け焦げ無惨な姿で地面に倒れる。誰もが目を疑った。


「く、ば…化け物め!死ねぇぇ!」


他の賊が魔法を放つ構えをした途端、またお父様は目で追いつけないほどの速さでそいつに近づき首をはねた。


「させねぇよ…。」


「う…うわぁ…」


賊に次々と悲鳴もあげさせないで襲いかかる。何なんだあの速さは…!


「フレッドも落ちたな…昔はあんなやつらすぐに殺れる。」


「すいません、お手を煩わせてしまって。ですが、私が動こうとしたらグラン様が先に動いていたのですよ?」


「ば、バカ!ここは、息子に失った尊敬と信頼をだな…」


彼らは悠々と話しているが正直まだ護衛と俺は何が起こったのかわからないままでいる。


「…このクソったれ共目がぁぁぁ!」


倒れていた丸焦げの男が突如起き上がり、赤魔法の『ファイヤーボール』を放つ。


「…!まだ、生きていやがった!!クソっ間に合わん!」


その球の先にはフィリナがいる。いくら護衛に護られているとはいえこのままでは巻き沿いをくらってしまう!だが、間に合わない…!


脳では確かにそう思っていたのに俺の体は動いていた。さっきのお父様以上のスピードで球の前まで追い付き両腕を前に出して構える。『ファイヤーボール』ほどの威力になると生身の体では相当のダメージを食らうはずなのだが俺は生身でカードしきってしまった。


「…ゲホッ…やめときゃ良かったぜ化け物に喧嘩を売るのは……。」


のども焼けているのか、かすれ声でそう言い放ち今度こそ倒れる。


俺が馬車から放り投げ出されて3分も経っただろうか。それは体感時間なだけで実際はもっと短い時間だったかもしれない。そんな時間で一連の出来事が起きたことに皆混乱する。最初に声をあげたのはお父様だ。


「…ハッハハハハ、まさかルキが上級魔法を使うとはな!」


「え?いつ使いました?」


「さっき、白魔法の身体強化を使ってただろう?」


あのスピードと防御力はその白魔法が原因だったのか。だが、なぜ俺はいきなり使えた?白魔法は浮遊魔法しか使えないはずなのに。


「…俺は浮遊魔法しか使えません。」


「だから、さっき使ってたって。」


「使おうと思ってやった訳じゃないんです…ただ、フィリナを守りたいって思ってたら体が勝手に…」


「あぁ?…まぁいいや、だいぶ時間も経っちまったしな。フレッド、その馬車はまだ使えるか?」


「あ…はい。『ファイヤーボール』で倒されたため多少焦げているところもありますが問題ありません。」


あのいつも落ち着いているフレッドさえも困惑していたのだろう。返事が遅れる。護衛達も自分達が何も出来ずに立っていることを思い出して、捕らえられた護衛の救助や馬車を立て直したりしている。


ほどなくして俺達はまた王都へ向かう。陽はもう夕焼けになっていた。俺はフィリナの寝息が聞こえる馬車の中で一人、考え込む。お父様が極魔法を使ったことにも驚いたが何より俺自身の行動に驚いている。なぜあのとき俺はあんなスピードを出せたのだろう。試してみたが今はもう使えない。


護衛が殺されそうになっても俺は動けなかった。しかし、フィリナに対しては体が反応したことに段々と嫌気がさしてくる。日々特訓している剣術や魔法は誰かを守るために使おう。この先もずっと…俺が守りたい人に。


あの身体強化とかいう魔法のせいで体は疲れきっていてまた、眠気がさしてきた……。

前回ルキを活躍させるとか言っておきながらあまり活躍させることができませんでした。当初は無双状態にしようと思いましたが最初からそんな強さだと面白味がないので止めました。

主人公無双を期待している皆様、段々とチートさが増していくのでお待ちを!(既にチートだと思いますが笑)

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