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幼年期 十六話 『いざ、王都へ』

少々改善点を見つけたので改稿しておきます。

俺はメイド長のマーゴットがフィリナに白魔法を使うということで興味津々だった。


「マーゴットさん、魔法お願いします。」


フィリナは寂しいような嬉しいような顔をしていた。耳がちょっと違うだけで人間から迫害される象徴だったがそれは同時に獣人の一族である証だったためかもしれない。


「では魔法をかける前にちょっとした説明をします。私がかける魔法は耳を一旦消失させ、人間のような耳をつけることで、あたかも人間であるようにするものです。そして任意のタイミングで元に戻れるような魔法です。これだけだと便利なのですか私の魔力では完全に消し、作ることができないので白魔法石を装飾品として常時つけてください。」


と言って白魔法石を取り付けたネックレスを出した。しかし、ネックレスを常に着けなくちゃならないとしてもものすごい魔法だとは思う。


「もし、外したらどうなるの?」


「魔法は5分も経たない内に効果が無くなるでしょう。しかし、もう一度装飾品を装着していてだくと魔法が再び発動するよう仕組みをしましたのでご安心を。」


「そんな、魔法を使えるなんてマーゴット、もしかしたらあなたはものすごい白魔法使いなのでは?」


「いえいえ、そんな大層な魔法使いなんてものじゃないですよ。」


しかし、ここまでの魔法を使えるなんて彼女はただ者ではないと思うけど。これもまた、いつか調べてみるとするか。


「マーゴットさん、魔法について良くわかりました。お願いします。」


「では…。」


マーゴットは目を瞑り両手をフィリナの耳へ添える。すると、耳は眩い光に包まれ段々と消失していき、同時に人間らしい耳が人本来の位置に構成されていった。


「すごい…。」


世の中にはこんな魔法使いもいるのだ。もっと世界を回ればもっと協力な魔法が見られるかもしれない。


「ふぅ…終わりましたよフィリナ様。」


「うわぁ…本当に人間になれちゃったよ。」


フィリナは前の耳があった位置と今ある位置を手でペタペタとあてて確認している。


「さぁ、この首飾りを。」


「ありがとうございます!これで人前でも堂々と歩き回れます!」


違うよフィリナ。君は元々堂々と歩いていい獣人なんだ。そんなことを思ってしまう現状の人間社会を変えなければならない。俺は改めて心に誓った。


そして王都に向けて発つ朝、俺はなんだかんだ王国誕生祭を楽しみにしているのか早起きをしてしまった。屋敷は静まりかえっている。そんな時に突然またあの神様の声が頭に響いてきた。


「ルキ、おはよう。」


なんでしょうか神様?まさかもう魔王戦とか言わないでくださいよ。


「はっは、今のお前にはコミュニケーション能力も実力もまだまだだからな。そんなことはさせないぞ。して、ルキよ私の告げを聞き商店街へ行ったのだが感想は?」


商店街へ行き、路地裏で獣人の可愛いフィリナに出会えて人間たちが亜人のことを差別している事実も知れました。神様のおかげで俺は少し変われた気がしますよ。


「はっはっはそうかそうか、お前がそういうなら我が告げも役にたったということかな。」


それで、今回はどんな用件で?


「ああ、今日からお前たちはコンスタンという首都へ出向くのだろう?その道中にちょっと気を付けておくようにと伝えに来ただけだ。」


フレッドさんもいるので大丈夫ですよ。


「…そうなんだがな。」


あれですか?神様、ちょっと今暇でしょう?


「んん!?そんなわけあるか!我は忙しいんだっ!」


図星ですか。案外神様も可愛げがありますね。そんなことより神様、俺はもっと強くなりたいです。


「ん…なぜだ?お前はこの調子で成長していけば必ず強くなると思うが?」


…そうですか。焦るなってことですね。


「ああ、焦りは禁物だぞ?あまり急ぎすぎてもかえって何かを失う場合がある。」


神様が言うと説得力ありますね。


「…じゃあ我はそろそろ行くよ。」


はい、お互い色々と頑張りましょう。


まだたっぷりと時間もあることだから二度寝といくか…。


パチリと目が覚める。さっきよりも陽は高くなり、そろそろいつものトレーニングの時間帯だが今日は王都への出発の準備だ。


王都とルミナス領は距離があるので常に馬も全速力でかなり馬車も居心地が悪い。最初の何日かは食事や用足し以外は止まらないで中間地点まで行き、そこでベッドで寝れる。それからまたずっと馬車のなかという過酷なスケジュールだ。王国誕生祭が来週の週末で良かったとつくづく感じる。


王国誕生祭に着用する豪華な衣装以外は基本軽装で暇潰し用の本も何冊か持参しよう。それ以外は…武器屋で買った短剣を護身用に持つか。ある程度持ち物を揃えると俺はロビーへ向かった。


「おはよう。朝に俺と会うのは久しぶりだな。」


「まぁ、いつも朝食は一人ですからね。」


「おはようございます、ルキ様。」


ロビーにはお父様とフレッドさんがいた。お母様は既に昨日発たれたそうだ。もんな俺と違ってかなり豪華な衣装だ。


「結構軽装だなルキは。」


「はい、何日も貴族服を着ていたら段々と鬱陶しくなりますから。」


「あ、遅くなりました!」


と、勢い良く階段を下りてきているフィリナが最後に到着した。彼女も比較的軽装だ。


「では、行くか。」


屋敷の外では馬車が6台くらいあり、豪華な馬車は2台用意されていた。お父様と俺ら貴族はあの馬車でその他の護衛の者は他の馬車に乗るのだろう。馬車に繋がれていない護衛用の馬は6頭いた。


「極力止まらないで行くのには少し馬が足りないのでは?」


「機動力を無くさないために王都への道に代えの馬はすでに用意しております。」


なるほど。そういうことか、これならなんとか間に合いそうだ。


「グラン様、護衛はこのフレッドとその他の7人の精鋭を召集しました。皆、数々の紛争や他国への援軍などでよい戦績をあげています。」


「そうか、俺をぐっすり寝させてくれ、頼んだぞ。」


「「ハッ!マイ・ロード!!」」


威勢のいい声が響き渡った。


「さぁ、二人はそっちの馬車に乗りなさい。では出発!」



ここまで読んでくれありがとうございます。

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