プロローグ、だと思います。
拙い文ですがよろしくお願いします。
「これから言うことを覚悟して聞いてください。誠に言いづらいのですが、佐藤さん、お宅の娘さんは正体不明の不治の病にかかっています」
そう妹が医師に診断されたのは、今から10年前のことだった。当時は、その報を聞き親族みんなが悲しんだ。それも当然、当時妹はまだ小学校にも入ってない程幼かった。僕も幼いながらに事態の深刻さを感じ取り悲しんだ。
そして今。
「ふぁぁ、はぁはぁ、もっと激しく、お兄ちゃん、いやご主人様、この卑しい豚を、踏んでください、あぁ」
佐藤家の一室で、一人の少女がどこか似た顔立ちの少年に全裸で踏まれていた。少女はどこか気持ち良さそうな顔をしているのに対し、少年はただ無表情で少女を踏み続けるのであった。そう、この少年少女が高校生になった僕たち兄妹であった。
今では妹を親族みんながこう思っている『とっととくたばれ、変態』
妹が正体不明の不治の病を患っていたのは、診断されてから1年間だけだった。
「お宅の娘さんは、doemu症に罹ってています」
そう正体不明の不治の病は、一年で正体不明の肩書を失ったのだ。
「doemu症?」
「はい、通称ドM症。発症例は多くはありませんので詳しくはわかりませんが、父母の内に秘めた被虐性欲が子に悪作用を起こし発症すると言われています。言いづらいでしょうが心当たりは?」
このとき、母さんが妙に慌てていたのが印象的だった。
「そそ、それはそうと、そのドM症とはどのような症状なんですか?うちの音羽は助かるんですか?」
父さんが冷や汗を垂らしながら慌てて話を反らしてたことも印象的だった。分かると思うが音羽は妹の名前だ。
「そうですね。結論から言うと音羽ちゃんは生きることはできます。ただ、一般的な幸せとは程遠い生活になるでしょう」
「どういうことですか?」
「ドM症は、内に秘めた被虐性欲を発散することができずにいる状態です。故に、その欲求を満たそうと自らの体を弱らせていく。ならば、どうすれば良いかは簡単です。その欲求を満たしてあげればいいのです。ですが、そうする場合音羽ちゃんはずっとSMをして過ごすことになります」
「そんな裏山、じゃなくて可哀想な。どうにかして治せないのですか?」
「一つだけあります」
「それは?」
「子を孕むことです。子に被虐性欲を分け与えることでドM症を治すのです。もちろん相手は誰でも言い訳ではありません。被虐性欲は移りにくく、近親姦でないといけません」
近親姦をすることによって、その背徳感から被虐性欲が子に分散されるそうな。さらに、遺伝子を濃くすることで子に渡る率はあがるらしい。何だそのご都合主義は。そして、詳しくはわからないと言いながら結構知ってるな。
「この世で一番音羽ちゃんと血が近いのは君だけど、やってくれるかい?響羽くん」
その時の僕は話はよく理解できなかったが、僕が妹を救えるということはわかった。だから言ってしまった。
「はい」
「はぁぅ、ご主人様、さっきからそんな胸ばかり、ぁあ」
ん、回想をしてたら同じ部位ばかり踏んでいたようだ。まぁ、いいや。なんか嬉しそうだし。僕も日頃の鬱憤を込めて遠慮はしない。
「はぁ、そんな、遠慮なく、はぁはぁ、ものみたい扱われて、はぁん」
さっさと満足してくれないだろうか?こいつはいつでもどこでも性欲がたまる。学校でも家でもその度に僕が対処をしないといけない。それだけでも面倒なのに日頃からことベタベタ(体液的に)くっついてくる。僕が言うのもなんだか音羽はブラコンとやらなのだろう。しかも、少しでも拒絶すれば発作を起こすという爆弾付きの。拒絶を許さないM程面倒なものはない。
「もっとぉ、もっとぉ、お願いします、ご主人様、私を、もっとぉ過激に」
神様はこいつに痛点を付け忘れたのだろうか?バグなら早く修正していただけるとありがたい。
「さぁもっとぉ、はぁ、はぁはぅ」
この妹は一度発作を起こすとエクスタシーを迎えるまで止まらない(いろんな意味で)。さすがの変態さんも踏まれただけではそうはならない訳でして。めんどくさいな。「だったら、早よ孕ませろよ」と、思うだろうがそれは無理だ。なぜならそれは、世間体もあるし何しろこいつが拒んでいる。こいつが拒むことをすることも発作につながる。マジでめんどくさい妹なのだ。