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巡りゆく時の中で

作者: 蒼狗

 これは夢なのかもしれない。目の前を歩く恐竜、横で騒いでいる半裸の西洋人、背後から飛び立つ巨大な飛行機。

「ここは現実だ」

 現実であるならば同時に存在しては行けないものが目の前に多すぎる。

「だが現実なのだ」

「過去、現在、未来の現実なのだ」

 どこからともなく聞こえる声がめまいを感じている自分に話しかけてくる、石膏像が、化石が、剥製が。

「君らが歩んだ道でもあり、君らが歩み道でもある」

 時計が、宝石が、機械が、私に声を響かせてくる。

「さぁ、君は道を歩み、そしてまたここに戻って来るのだ」

 めまいが強くなり、私の世界はそこでとぎれた。


 気がつくと病院のベットの上にいた。

 どうも気晴らしにいった博物館で階段を踏み外し盛大に転げ落ちてしまったらしい。

「なかなか意識が戻らなくて大変だったんですよ」

 てきぱきと点滴を変える看護師さんにすみませんと言うと、部屋の中には私一人だけになった。

 あの夢だと思った世界はもしかしたら博物館の展示品なのかもしれない。うっすらと頭の中に残る夢のような光景に思いを馳せながら私は瞳を閉じた。

時というテーマでありきたりですが博物館を舞台にしました。国立化学博物館が好きなのでそこをモチーフしました。

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