友達以上恋人未満
キャラ紹介
氷川 俊太……本作の主人公。あだ名はシュン。 リア充に対して変な偏見を持って
いる。
三好 雪乃……俊太の幼馴染み。天真爛漫で普
通なら恥ずかしい事も平気でや
ってしまう。
最近、何かと男女での2人きりでの登下校が多くみられる。世間一般で知られるリア充というヤツだ。別に妬ましいとか羨ましいとかいう感情はない。ただ、身近な奴と付き合うのは別れた時が非常に大変だと思う。
「また変な事考えてるの?」
僕が窓から手を繋いであるくリア充共を眺めているとふいに声を掛けられた。彼女は三好 雪乃。僕の幼馴染である。
「変な事とは失礼だな。僕は彼等を憐れんでいるだけだよ」
「憐れむ?ふふ、やっぱ変な事じゃない。ほら、帰るわよ」
彼女の後を追いかける形で教室を後にする。
「ねぇ、あの、さ……私達、付き合ってるのかな?」
「どうしたの、急に」
「この間のあれ、クラスの子に見られてたみたい」
「あれ?」
「ほら、あの、公園でクレープ食べさせあってたとこ」
「あぁ」
☆☆☆
あれは一昨日の事、僕と雪乃はいつものように一緒に帰っていた。
「ねぇ、駅前に新しいクレープ屋さんが出来たんだって。いってみない?」
雪乃が思い出したようにそう呟いた。寄り道は結構したりする。いつも雪乃の要望で僕は特になんの気なしに雪乃の提案に承諾する。
「いいよ。特に予定ある訳じゃないし」
そういう事で駅前のクレープ屋に着いた。雪乃はベリー&ベリー。僕はチョコバナナにした。公園まで歩きベンチに座って食べる。
「ん〜、美味しい〜!」
「こっちも美味しい!今まで一番かも」
「ねぇ、シュンのも食べさせて!いっただっきまーす!」
「あっ、また勝手に!」
油断するといつもこうだ。
「ホントだ!美味しいね!じゃあ、ハイお礼に私のも一口どうぞ」
「いや、いいよ」
「遠慮しないで。ハイ、あ〜ん」
「あ、あ〜ん」
☆☆☆
ということがあったのだ。
「そんなのいつもの事じゃないか。言いたいやつには言わせておけばいいんだよ」
「そう、だよね。わたし達、恋人じゃないもんね」
「そうそう。だから僕達はいつも通りにしてればいいんだよ」
僕と雪乃はいつも通りに2人で並んで帰路を歩く。
僕達は今の関係が1番いいんだ。2人で登下校して、寄り道して、食べさせあったり、たまにはお互いの家に泊まったり、端から見たらリア充そのものだろうが、僕達には普通の事だ。
恋人でもない、友達でもない、友達以上恋人未満。それが僕達の関係だと思う。幼なじみってそういうものじゃないかな。
夕焼けに染まった空に1つの光が瞬いていた。僕達は変わらず明日も明後日もこの関係を大切にする。いつかお互いに大切な人ができるその日まで。
読んでいただきありがとうございます。箸休めにと書きました。良かったら他の作品もお読みいただくと有難いです