紙上世界のもの達に
こんにちは、葵枝燕です。
私の作品は、かなりの確率で登場するもの達が救われません。そんな彼らに捧げる詩を書いてみました。
どうぞ、ご覧くださいませ。
彼が内包しているものを
彼女が描くものを
彼らが歩む未来を
彼女らが進んできた過去を
不幸に染めたくなる
幸せな結末を望んでも
紙の上の世界はどこか不幸で
幸せなものなどなくて
それでもそこが
その世界の全てに変わる
白紙に刻まれるは
希望に満ちた世界か
絶望に溢れた世界か
私は選ぼう
この小さな世界に住まうものの
過去も 現在も 未来も
できるなら 幸福に
できるだけ 幸福に
悲哀だけに
絶望だけに
不幸だけに
溢れてしまわないように
包まれてしまわないように
彩られてしまわないように
彼が 彼女が
彼らが 彼女らが
歩んできた過去も
留まっている現在も
待ち受けているであろう未来も
私が作り上げる世界なのだから