外 登場人物/使用語句説明
○登場人物
※クロウ・エンフリード
公認機兵の少年。
※ミソラ
ゼル・セトラス組合連合会の庇護を受ける魔導人形。
※ジルト・ダックス
開拓地ギャレー在住の公認機兵。
※マリオ
開拓地ギャレーの指導者的存在。フロランスの祖父。
※エリオ
開拓地ギャレーの開拓民。フロランスの父親。
※ミシェル
シュタールの密偵。
※アーシャ
開拓地ギャレーに住む、開拓民の少女。
※セレス・シュタール
ゼル・セトラス組合連合会の幹部。
※シャノン・フィールズ
マグナ・テクタの魔導顧問。第四魔導技術開発室の魔導士。
※ガルド・カーン
マグナ・テクタの代表代行。第四魔導技術開発室の魔導技師。
※ロット・バゼル
マグナ・テクタの第二工房長。第四魔導技術開発室の魔導技師。
※ヨシフ・マッコール
ゼル・セトラス組合連合会エフタ支部の職員。
※ウディ・マディス
マグナ・テクタの第一工房長。第四魔導技術開発室の魔導技師。
※ベルティーナ・ベルトン
エフタ市軍務局警務課機兵管理係。
※エルティア・ラファン
エフタ市総合支援施設の魔導機整備士。
※バレット・ロウ
元グランサーの公認機兵。
※ヴィンス・バッツ
元グランサーの公認機兵。
※カルロ・ベナッティ
魔導船ヴェラ号の船長。
※ラウラ
アーウェルの踊り子。
※二コラ
故人。ギューテ奏者で、ラウラの相棒であった。
※オウパ
リフェット級対人応答型義体三〇五〇〇二五。
※ツァルト
リフェット級対人応答型義体三〇五〇〇〇二。
▽話したけど名前が出てない人達
※アーシャの母親
※旅団北部域統括長
※アーウェル機兵の母親。
▽話してないけど名前が出た人達
※ディーン・レイリーク
〇用語解説
※つり床
ハンモックのこと。本来は居住しない場所や居住空間が狭いバルド級などの艦船でよく使われている。
※ゆび豆
豆の一種。形が人の指に似ていることから命名された。
※北部域南西部方面の防衛計画
旅団の防衛計画。蟲の侵攻を遅らせる間に迎撃態勢を整えるという、遅滞迎撃を主眼に置いて計画されている。
※代用港
正式な港ではないが港として使われている場所のこと。
※抜け毛
人類共通の悩み事である。
※初期防壁
開拓地居住区を守る為に作られる、最初の防壁。
高さは任意、厚さは一リュート半程。外側に焼き煉瓦等を積み重ね、内側に砂や瓦礫を詰め込んで固めるのが一般的。
※看護師
医療従事者資格の一つ。ゼル・セトラス域では医療関連の技術や知識の他、助産の知識を厚くしている。
※便利紙
麦わらを使って作られる紙。まずもって学習用の紙として使われてから、尻を拭く便所紙となる。
※ルーシ布
ルーシの葉の繊維を使って織った布。これを袋状にした物がルーシ袋である。
※爺
歳を経た男のこと。読みはじいでもじじいでも可。
これを使う時は彼我の立場や相手の性分といったことへの注意が必要。後、これの女バージョンを使う時は更なる注意が必要である。
※砂海の砂に戻す
どらむかんにつめてみなとに、げふんげふん、うみにもずくにしちまいます。……あれ、もくずだっけ?
※我遭難す、救援求む
浮上船の規定符号の内、救難信号の一つ。他の救難信号には、蟲襲撃有りや船体故障、急病者有り等がある。
※規定符号
符号で定められた短い信号のこと。
※引き込み
内側に入り込んで、外からの襲撃を手引きすること。一般的には、トロイの木馬的な感じと言えば、わかりやすいか?
※通信機
旧文明期産の電波を使った電気無線通信機。動力は魔力を電気に変換して作動させている。
※エル・ルダス
ゼル・セトラス大砂海北部域にある都市。
エル・ダルークの南東四百アルトに位置する。
※ナックザル
ゼル・セトラス大砂海北部域にある都市。
エル・ダルークの東五百アルトに位置する。
※不可視の力
魔力の元々の呼び名。存在する為の力である。
※性儀式
頭の中が空っぽになるような強烈な悦楽の果てに、奇跡を起こす儀式。
※理なきこと
道理に合わないこと。現実ではなしえないこと、なせるはずがないこと。
※ラティナイト
魔導触媒。ラティアの肝に含まれていたものを抽出したことから命名。
魔力を通しやすくする性質と、魔力を保持しにくいものに魔力を宿らせることができる性質を持つ。
※漏らしたんだぞ
ろかきのたんく、じゃぐちがこわれました。
※節の最終日特売
ばーげん! ばーげん!
※写体保存具
カートリッジのこと。
※組合連合会安全保障部
セレスが長を務める部門。旅団への指揮権も有していることから、組織内外への影響力は大きい。
※爆裂弾
ばくはつする。ふきとぶ。あいてはしぬ。
※凍結弾
えたーな云々。とうけつ。あいてはしぬ?
※占いの類
様々な方法を用いて、不確かなモノを測ること。
魔法があろうが奇跡があろうが、この手のものがなくなることはない。
※永遠に不滅である
名言である。実際に可能かどうかは置いておく。
※時は金なり
このことわざは、こちらの世界にもあります。というか、人と金がある世界なら、普通はあるのだと思われる。
※缶詰中
密封されました。転じて、外出禁止の軟禁状態。この世界にも缶詰は存在している。
※関連法規
公認機兵関連の市則。
エフタ市を代表とするゼル・セトラス域の諸都市においても、法治の精神は健在である。しかし、三権分立ができる程の余裕はない。
※パンタル改
甲殻装甲を装着したパンタル。機重が減少したことから、稼働時間と機動力、運動性が向上している。
※初恋
きゃっ、的な反応。……うん、この説明はないな。ぎゃ、ってなる。
まぁ、まじめに書くと、家族や肉親以外の誰かを、初めて好きになること。
※捻くれ者の純情坊や
わかりやすい例として挙げると、北部の某開拓地に入植した若い機兵。
※ムラッと
欲情の発起。
精神的には頭の奥ないし下の方から、肉体的には腰の下あたりから来るらしい。異論は認める。
※商品目録
いわゆるカタログのこと。
必要な情報を十分に乗せて、かつ、欲しいと思わせるだけのセンスが必要。
※試製一三改型
試製一三型を基に小規模改修された試作魔導舟艇。基本的な形状は一三型と変わらない。
※試製一四型
試製一三型で得られた知見や経験ある船乗りの助言等を基に、再設計された試作魔導舟艇。
※光熱式魔力生成器
光や熱を当てることで魔力を生み出す魔導機器。魔刻板をそのまま利用している為、板状である
※魔導式通信装置
基幹部品は、魔力の契約で繋がりを得た二枚一組の魔刻板。そこに送受話用の端末や魔蓄器といったモノを装着している。
まだ生まれたばかりなので、刻まれる術式や装置自体に改良の余地が残っており、時を経れば、より効率的で機能的な代物ができると思われる。
ちなみに、この魔導式の一番の売りであるが、電波式通信と異なって傍受が不可能ということだったりする。
※教本の角
かたくていたいのです。これでたにんをたたいてはいけません。そもたたくためのものではありません!
※金言
金に値する言葉。ようは価値のある格言である。
※携行用加熱器
魔導機器。四つ足の平べったいプレートで、載せたモノを加熱することができる。
※戦場食
え、味が口にあわない? 栄養価はしっかりと取れてるから大丈夫さ!
要するに、語弊を恐れずに書けば、人用のエサって奴である。
※即席の防壁
クロウにだけ可能な力業! 実際に力仕事が必要なのだから間違いではない(強弁。
※潰し豆の丸め揚げ
ころっけ。ゆび豆を潰して、香草や香辛料と混ぜ合わせて揚げたもの。
※挽肉の葉物巻き
ろーるなんとか。挽肉や刻んだ野菜等を混ぜたタネを、野菜の葉っぱで包んで煮込んだもの。
※舌鼓を打つ
おいしいと舌が喜んでいます。舌も鼓もあるからいいでしょう。
※中継交換機
魔導式通信機は魔力の契約で結ばれた二つの端末のみが通信ができる仕様である。
当然ながら契約で結ばれていない端末とはやりとりできない。なので、片方の端末を交換機に組み込み、中継用の端末でもって連絡を取りたい相手の端末に接続することで、通信を可能にした。
まぁ、ぶっちゃけた話、電話で使用されている方式と一緒という話である。
※未開域
人が知悉していない場所、地域のこと。
※訳知り顔で微笑み
ええんやで、おいちゃん、たびのあかをおとしたいっていう、あんたのきもちわかるから。
つまり……、なんなんでしょうかねぇ(ぼう
※生花
植物を育てにくいゼル・セトラスでは嗜好品である。だが、やはりというべきか、女性を中心に人気が高い。
※巨大な一枚板
コンクリートで作られたもの。さすがに自然石ではない。
※七目六足
ラティアの隠語。
※黄金の陸鳥
アーウェルにある料理店。
大型陸鳥ニニュを使った美味い料理を手頃な値段で提供している。一番のお薦めはもも肉のから揚げである。
後年においては、後述のカァム・ダ・バルデの起点となった場所として有名。
※カァム・ダ・バルデ
慰霊の饗宴。となっているが、より正しく表現すると、慰霊の為のばか騒ぎ、である。
共通暦三百十七年盛陽節に起きたアーウェル騒乱よりおおよそ半年後、市内で自然発生した大宴会。
騒乱の後、様々な要因から抑圧状態にあった市民がある店で行われた宴会を切っ掛けに、抑圧から解放されたことが原因とされている。
これ以後、毎年ゼル・ルディーラ直前の休日前に、全市規模で大宴会を行うことがアーウェル市の伝統となった。
尚、宴会が行われていた店や乾杯の音頭を取った人物はわかっているのだが、どこの誰が発端であったかまでは不明である。
※睡魔の誘惑
多くの者を虜にしてきた、人類最大の敵の御業。
※唾付けた
これはおれんだ! という意思表示。
しかし、あまり褒められた行為ではない。
※隣に立てる機会
配偶者になる機会。この世界においても、基本は一夫一婦制である。
とはいえ、社会的地位や財力といった要素が伴い、かつ相応の甲斐性や愛嬌があれば、男女を問わず、複数人を囲うこともある。
※一皮剥けた
つねづねのぎもんですが、これ、なにがむけたのです?
※ヴァールダリア渓谷
ゼル・セトラス域と大陸東方域とを結ぶ渓谷。
大砂海南に連なるノルグラッド山脈と東にあるドライゼス山脈との境界でもある。
※魔導船運航規則
正式には、魔導船舶の運航に係る安全に関する共通規則。
十二都市連邦時代に成立した魔導船舶を運航する為の国際法規で、現在も継続して使われている。
※ヴァールダリアの北峠
正式名はまだない。ヴァールダリア渓谷の途中で分岐し、北に昇った先にある峠。
※やねはどこだっ!
あ、いましなぎれなんですよ。
※群集団
ラティアの集合体。
一群が多数集まってできる群団、それが集まって構成される集団のこと。その個体数は最低でも十万を超えるとされている。
※殺し間
キルゾーン。殺傷可能範囲のこと。
※風邪
感冒。頭痛に発熱、倦怠感等の症状が出る、呼吸器の疾患である。
※半節分以上は持って行って
水を持っていく必要がないからこその積載量である。
※とりの鳴き声
我々が良く知る鳥の鳴き声。色々な音色がありますが、そのどれかでしょう。
でもって、どうやって大災禍を生き延びたかは……、樹木が生き残っているんだから、うん、おかしくない!
そう、強いて言うならば、生命の神秘である! いちおうりゆうはあるにはあるが、うん、まぁ、ながそう!
※良い考え
私にい以下略)
※小さな獣らしき影
それは獣かもしれないし、そうでないかもしれない。
※なにか細長いモノ
それは蛇かもしれないし、そうでないかもしれない。
※枝木に化けていたモノ
後に付けられる正式な名は、ヘフポス。枝木に擬態して獲物を狙う。
甲殻蟲にしては非常に珍しく、動くモノは皆獲物という性質を持っている。
※魔境
人知の及ばない危険地帯。
※樹海
樹の海。人が踏み込むことを躊躇する大森林のことである。
※南東方面第三航空団第二航空輸送隊
エル・レラが属していた国の軍隊の部隊。
※コリン・パーセル中尉
エル・レラが属していた国の軍隊の将校。
※三〇五補給工廠
エル・レラが属していた国の軍隊の基地。
※エリオット・モバス二級軍曹
エル・レラが属していた国の軍隊の将校。
※小さな票
個人を特定できる識別票。
※湿地草
いわゆるヨシに似た植物。伸びれば四リュートに届くものもある。
※内燃機関
言葉通り、エンジンである。
レシプロないしガスタービン、あるいはジェットかもしれないし、はたまた別のナニカかもしれない。
※認識票
所属がわかるシンボルマーク。
※十字星
北の空に浮かぶ、十の字を描く様に並んだ星。その図柄のこと。
十字って、おい十って言葉があるのかよって問題は考えない!
※二本足
正式名は、一式二足歩行型無人防衛機。
トレグ・ネド・バールランテとも呼ばれ、後述の国家エル・エスタリア連邦の陸軍に採用されていた拠点防衛用戦闘機。
逆間接式二足歩行機構を土台に、前後に長い胴体と一対の武装椀を装備する。
胴体部に原動機・燃料・操縦席・各種観測装置を搭載し、左右の武装椀に十dlt回転式三銃身機関銃及び四十dlt滑空砲を固定装備する。
特に作中で登場した機体は無人機仕様で、操縦席部分に人工知能が搭載されている。
※砲弾型の蟲
正式名はダ・ガエルト。
陸生型甲殻蟲で、全長十リュート程の分厚い甲殻で身を覆う大型種。
覆われた砲弾頭のような頭部を有しており、小銃弾を容易くはね返し機銃弾をも弾く。
ただ動きは重く、機動性に優れているとは言い難い。が、直線的な加速力だけは非常に高い。
武器は何者をも蹂躙する質量による体当たりである。これが直撃すれば、どのような魔導船であっても沈み、都市壁もただでは済まない。
ダ・バグダトは近似種である。
※弾丸型の蟲
正式名はダ・バグダト。
陸生型甲殻蟲で、全長六リュート程の一対の顎牙を有する中型種。
分厚い甲殻で身を包んでおり、小銃弾や機銃弾に耐えられる。
機動力は高く、動きも軽快である。強力な顎牙は魔導機や土塁の類を一撃で割り裂く威力を持つ。
ダ・ガエルトは近似種である。
※エル・エスタリア連邦軍
後述の国家エル・エスタリア連邦の軍隊。
幾つかの方面軍から成り立っていた。
※連邦軍法及び戦時民間人保護令
エル・エスタリア連邦で適用されていた法令。
※エル・エスタリア連邦
旧文明期に存在した国家。
高度な自治権を有する州が集まって、連邦を構成していた。ゼル・セトラス域も元はこの国の州であった。
※戦術級人工知能
軍戦術級のネットワークに組み込まれた人工知能。
戦略級の命令系統に属し、末端級を制御する。
こちらもそれぞれに情報処理能力や思考回路に差異がある。
作中では、三〇五-〇-〇五が該当する。
※リフェット級対人応答型義体
人型の機械。
対人業務や補佐業務を円滑にするために用いられた。
作中に出てきた数字は機体番号である。
※固有個体名
人工知能が占有使用する義体に付けられる名前。
※戦略級人工知能
軍戦略級のネットワークに組み込まれた人工知能。
戦術級等への命令権を有し、末端級を制御する。
それぞれに求められる役割により、情報処理能力や思考回路に差異がある。
作中では、三〇五-〇がこれにあたる。
※人工知能体
人をサポートすることが至上命題とされている。
ただ、上位命令系統や管理者との連絡が途絶するといった一定条件下においては自立行動ができる。
※人形
機械仕掛けの操り人形。リフェット級対人応答型義体のこと。
※連邦軍機密指定
連邦軍において、外に漏れては拙いと指定された情報。
※識別票
身元情報等を記載した票。
※醜態
見苦しい様。
でも普段お堅い人が見せる場合って……、うん、愛嬌……かも、うん、かもしれないこともないですね。
※幻想
現実ではできっこないことや存在しえないもの。幻を想うのです。




