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魔導黎明記  作者: 綺羅鷺肇
6 踊り子は薄明に舞う
55/96

外 登場人物/使用語句説明

 ○登場人物


 ※クロウ・エンフリード

 公認機兵の少年。


 ※ミソラ

 ゼル・セトラス組合連合会の庇護を受ける魔導人形。


 ※エルティア・ラファン

 総合支援施設の魔導機整備士。


 ※セレス・シュタール

 ゼル・セトラス組合連合会の幹部。


 ※フィオナ・ファルーレ

 魔導船サザード号を保有する交易商人。


 ※レイル・ウォートン

 公認機兵。クロウの同期教習生。


 ※シャノン・フィールズ

 第四魔導技術開発室に所属する客員魔導士。


 ※ラルフ・シュタール

 旅団第三遊撃船隊の船隊長。


 ※ルイーサ・ラファン

 エルティア・ラファンの母。アーウェル市在住。


 ※ラウラ

 アーウェルの踊り子。


 ※ニコラ

 アーウェルのギューテ奏者。


 ※カルロ・ベナッティ

 魔導船ヴェラ号の船長。


 ※クンツ

 組合連合会アーウェル支部の中堅職員。


 ※バクター

 第三遊撃船隊の参謀。



 ▽アーウェル移民のみなさん

 ※光明神教会の神官

 移民街の元顔役。

 ※モルブラード移民共栄連盟の首領

 移民街最大の徒党を率いている。

 ※ベイサン移民互助会連合の頭目

 モルブラードと移民街で覇を競っている。

 ※貧民街に住む若い移民

 ある領邦より派遣された工作員。


 ▽サザード号の船員のみなさん

 ※バリー

 魔導貨客船サザード号の船荷管理担当。


 ▽ヴェラ号のゆかいな仲間たち

 ※グリオ

 身重の娘さんがいる。

 ※ラーゲル

 上さんは労わってくれる(らしい。

 ※パウル

 元市軍将校。

 ※ボリス

 操舵手。

 ※デップ

 魔導技士。


 ▽アーウェル市軍のみなさん

 ※バルツ少佐

 旅団との連絡将校。

 ※兵士

 東市門警備隊第二小隊第一分隊二等兵。

 ※ゲゼル軍曹

 東市門警備隊第二小隊第一分隊長。

 ※ラーズ少尉

 東市門警備隊第二小隊長。

 ※カーチス少尉

 南市門警備隊第三小隊長。

 ※ザップ中尉

 東市門警備隊第一小隊長。

 ※ハネル少尉

 東市門警備隊第三小隊長。

 ※バローネ大尉

 東屯所長兼東市門警備隊隊長。

 ※ドラン曹長

 東屯所長兼東市門警備隊長付下士官。

 ※ラント伍長

 魔導機兵隊第三機兵隊第二小隊機兵。

 ※ヴェルデ少佐

 南屯所長兼南市門警備隊隊長。

 ※ソレル少尉

 南屯所本部通信班。


 ▽名前だけが登場した人

 ※エルベルト・ラファン

 エルティア・ラファンの父。魔導機整備士。



 ○使用語句説明(各種設定とも言う)


 以下、登場順(のはず)


 ※乙女の尊厳に関わるような事態

 読者の皆様のご想像にお任せする次第である。


 ※ファルーレ商会

 エフタにある商会。準大手といえる規模で砂海各地に支店を有している。


 ※ゼル・セトラス主要四都市

 地域の要となっている都市。北部域のエル・ダルーク、南部域のルヴィラ、東部域のアーウェル、西部域のザルバーンのこと。これに中央域のエフタを加えると、主要五都市となる。


 ※デルラーク

 西部域にある五都市同盟を構成する一都市。同盟の魔導機ボルス・ディアの生産工場がある等、工業が盛んである。


 ※ヴェガル

 陸生系甲殻蟲。節足がない細長い線虫で腹以外の体表を全て甲殻で覆っている。腹の部分を収縮させることで前進する。動きは遅い方であるが、非常に頑強でその全身を止めるのは容易ではない。単目が確認できる前部に非常に大きく開く口腔を有しており、そこから獲物を丸呑みする。


 ※ラーバス

 陸生系甲殻蟲。五つの複眼と二対四本、伸縮する下顎を持つ。甲殻が薄い為か動きが軽く素早い。伸縮する下顎には鋭い毒針を備えており、これを相手に突き刺して弱らせながら捕食する。


 ※ドライゼス山脈

 ゼル・セトラス大砂海の東境界。大東洋からの湿った空気がこの山脈にぶつかることで雨が降る。ちなみに、この山脈と南の境界であるノルグラッド山脈の狭間にある谷がゼル・セトラス域と東方域とを結ぶ交易路となる。


 ※ダ・フェルペ

 飛行型甲殻蟲。一対の複眼と四対八本の節足、寸胴に四枚翼を持つ。同じく飛行型甲殻蟲で「魔導船殺し」「甲殻弾」の呼び名で知られるダ・ルヴァの近似種であるが、こちらは人をはじめとする生き物を狙う。地表近くの低空より忍び寄り、八本の節足で獲物を掻っ攫って捕食する。

 

 ※ゴラネス一五型

 ゴラネス一型の第四改修型。帝国初の量産魔導機であったゴラネス一型系の発展限界機。初期型である一型と比べ、稼働時間が三倍になっている。東方領邦では主力魔導機として使用されている。


 ※ゴラネス一四型

 ゴラネス一型の第三改修型。東方領邦では装甲と出力を制限して、建機として使用されている所もある。

 後、ゴラネスの改修遍歴は魔導機を解説する機会があればということで……。


 ※ボルス・ディア

 西方の一大勢力、五都市同盟が運用する魔導機。ゴラネスと比べると重装甲であるが、運動性が低く稼働時間が短い。


 ※サザード号

 フィオナが所有するビアーデン級貨物船。名前の由来はフィオナの祖父。


 ※船首の監視所

 船橋からは見えない前方の障害物等の死角を監視する場所。大きな魔導船ならば必須の装備。


 ※檣楼

 見張り台。本来であれば、マストの上にある物だが……、あまり気にしない方向でお願いします。


 ※足を降ろす

 錨を降ろすと同義。砂海では錨ではなくソリを降ろして着船する為、この言葉となった。


 ※港湾管理者

 港湾を維持し、停泊する船舶を管理する者。出入港も管理する。


 ※なんらかのやり取り

 基本的に手旗或いは発光信号でやり取りを行う。が、場所によっては通信機を備えている所もあったりする。


 ※女王様

 女主への敬称でもあり、揶揄の意でもある。


 ※風を冷やす仕組み

 噴霧器で細かなミストの層を幾重にも重ねて、風から熱を奪っている。


 ※しっぽを握る

 証拠を手に入れる。


 ※ラティアの群団

 数千から数万に及ぶラティアで構成される一大群。小さな漲溢とも呼べる、甲殻蟲ラティアによる人類への襲撃行群。


 ※サエラ

 アーウェルの北にある郷。人口は千人を超えており、街壁と港湾の拡張が始まっている。


 ※援軍の要請を入れて

 貴重な旧文明期の通信機を使用している。各地を繋ぐ通信網に入れる通信機を備えることが、都市となる条件の一つでもある。


 ※ニースティ

 大砂海東部域西方にある都市。


 ※ダルフィナ

 大砂海東部域南方にある都市。


 ※マジール

 大砂海南方域東方にある都市。


 ※柑橘の匂い

 実は洗剤に含まれた香料の匂いである。


 ※三番通り北七西八

 エルティア・ラファンの実家の住所。正確には、アーウェル市三番通り北七西八番地。


 ※手紙

 ゼル・セトラス域で手紙等を送る時には、組合に頼むのが一般的である。

 組合は東西及び南北を行き来する旅団の正規船隊を使って各地域の中心都市に運び、そこから各地へと個別配送を手配する。ただし、全ては船隊運行状況次第の為、届くまでかなりの時間を要する時がある。もっとも、その分だけ料金はかなりの安い。

 もし仮にある期日まで確実に、或いは急ぎの配送を求める場合、特別に船を手配をする必要がある為、料金はかなりの高額になる。

 ちなみに、組合内には専用の定期便を用立てる計画もあるにあるが、採算が取れるようになるにはまだ遠い為、実行に移されていない。


 ※乾燥花

 ドライフラワー。

 人は生活に彩りを求めるもので、砂海域でもそれなりに普及している。どのような花が使われているかについては、皆さまがドライフラワーと読んで思い浮かんだものとしておきます。


 ※写真

 写真機があまり普及していない為、写真屋に写してもらうのが一般的。


 ※茶菓子

 くっきー或いはびすけっと等々の小麦系のお菓子。


 ※副郷長

 郷で二番目に偉い人。一番目に偉い人である郷長と共に、年に一度、全居住民或いはその代表者が集う会合で互選して選ぶ指導者である。


 ※良くも悪くも機兵である

 ゼル・セトラス域の機兵は社会的信用が高く、人物的にも安定していることが多い。けれども、それは甲殻蟲や賊党の類と命を懸けて戦い、人を守って死ぬことで得られたものでもある。要するに、その存在は気高くて尊敬できるけれど、親の立場としては娘の良い人とするには少し考えてしまうということである。


 ※おねしょ

 だれもがいちどはしいられたことがあるはずなんだ!(しゅうちゅうせん


 ※二式柄付擲弾

 パンタルの携行兵装としては最大火力を誇る柄付手榴弾(ぽてとまっしゃー)

 試行錯誤の末、対甲殻蟲用制圧兵装に至った一式柄付擲弾を基に開発された。柄は焼成材(セラミック)製、爆薬が収まった大きな弾頭は鉄材で覆われている。弾頭脇にあるレバー型安全装置を外し、柄頭のピンを抜いた後、五秒程で爆発する。殺傷半径は大凡二十リュート、最大投擲距離は大凡百二十リュート程とされているが、イロイロと工夫したり(弾頭を追加したり)頑張ったり(擲弾筒を作ったり)したらもっといけるかもしれない。

 パンタルには二発セットの専用携行装備があり、手に取って外した段階で安全装置も外れる仕様となっている。


 ※豆

 乾燥に強い比較的安価な栄養源。様々な種類があり、色もとりどりである。


 ※東方訛り

 実際にはあまり気にはならない程度なのだが、微かに音勢や抑揚に違いがある。他には西方訛りがある。

 基本は帝国で使われている語調であり、ゼル・セトラス域もこれとほとんど変わらないのだが、後百年もすれば北方訛りと呼ばれるようになるかもしれない。


 ※モルブラード移民共栄連連盟

 東方領邦モルブラード出身の移民を中心とした互助組織。現在は本来の役目を忘れ、多くの徒党を吸収した犯罪組織の隠れ蓑になっている。


 ※ベイサン移民互助会連合

 東方領邦ベイサン出身の移民を中心とした互助組織。モルブラード移民共栄会と移民街の主導権を巡って対立する徒党で、実入りが良い為、麻薬にも手を出している。


 ※ヴェラ号

 ラーグ級小型魔導船。船長はカルロ・ベナッティ。名前の由来は今は亡き彼の妻である。


 ※挽肉の捏ね上げ焼

 ハンバーグのこと。ゼル・セトラスではニニュとコドルの合挽きが一般的。ニニュの割合が多いとタンパクに、コドルの割合が多いとまろやかになる。


 ※流民

 故郷を何らかの理由で追われ、生きる場所を求めてさすらう人々。


 ※ドザール

 アーウェル西方に位置する開拓地。人口は百人程度で、初期開拓段階は終わっている。


 ※点火器

 ライター。小さな火を起こす術式が刻まれた、最も一般化された小型魔導器である。


 ※方位

 方位角のこと。全方位を三六〇度で表し、北(〇/三六〇度)、東(九〇度)、南(一八〇度)、西(二七〇度)となる。


 ※レード・ダ・レード

 取舵一杯のこと。目一杯に舵を左にきります。


 ※ラース・ダ・ラース

 面舵一杯のこと。目一杯に舵を右にきります。


 ※印章

 家と個人の紋章が刻まれた判子。

 家の歴史が古かったり、社会的な地位を持つ者しか持たない。差出人が誰であるかを証明できる上、封蝋により情報漏洩防止にも役立つ。


 ※二級通信連絡

 通信による連絡には重要度判定が付けられる。具体的には三段階あり、重大で即時対応が必要な情報通信が一級、一級程までは行かないが至急を要する通信が二級、通常の通信が三級となる。


 ※噴射榴弾

 正式名は二十四連装噴射榴弾発射機。対甲殻蟲兵装で、広範囲への制圧攻撃ができる。

 大きな箱の中に縦に四枠、横に六枠、計二十四の枠に噴射装置が付いた榴弾頭を収まっており、これを攻撃したい方向に斜角を取って向けて撃つ。その攻撃方法は、一発ずつ小出しする場合もあれば、四発一組の列単位や六発一組の段単位、更には順次全弾発射や一斉斉射と様々で、状況に応じて使うことが可能である。

 ただし、過去に使い勝手が良いことからと現場が濫用し、その補充で主計が悲鳴を上げたという世知辛い理由から、群団の襲来や漲溢時といった非常時においてしか運用されていない。


 ※網篭

 ルーシの皮ないし葉で作られた代物である。


 ※赤い果物

 リンゴに似た果物。ゼル・セトラスでは需要が高い。


 ※東部広域砂海図

 長い年月を掛けて作られ続けているゼル・セトラス大砂海図の東部広域版。

 砂海図は一般的に組合が発行する物がよく使われているが、旅団の物はそれよりも更に情報が多く、かつ精巧に作り込まれており、部外秘となっている。


 ※バルド改級

 旅団で使用されている長距離航行用のバルド級。

 標準仕様としては、船首に75dlt連装砲を一基、船橋両舷側に15dlt連装機関銃が各一基、船尾格納庫に魔導機パンタルを四機搭載する。中央甲板にある回転台機構は用途に応じて装備兵装を変えることができ、今話では二十四連装噴射榴弾発射機が載せられている。


 ※無線通信機

 旧文明期の通信機を現在の技術で作れるようにダウングレードされている。使用されている部品の品質が低いことから性能と信頼性はあまり良いものではない。


 ※旅団設立の精神

 たかだか蟲に毛が生えた程度の存在に、人様が負けてたまっか!(意訳


 ※戦闘旗/旅団旗

 上から青、白、赤の横縞模様を持つ旗。

 青は空の色、白は光の色、赤は大地の色を模している。


 ※距離計

 光学視差式距離計。バルド改級では船橋の真上に備えられている。


 ※アーウェル市軍の階級

 旧世紀文明より伝わった制度を利用しているが、エフタ市軍のものとは呼び名が若干異なる。

 佐官:大佐、中佐、少佐

 士官。市軍幹部、魔導艦の艦長等の意思決定に関わる役職に就き、市長を軍事及び治安防災の面で補佐する。

 尉官:大尉、中尉、少尉

 士官。現場指揮官等を担当。市軍士官学校で教育を受けるか、兵曹の段階で士官教育を受けると昇格できる。

 下士官:曹長、軍曹、伍長

 下士官。何らかの専門性を有し、現場指揮や士官の補佐等を行う。

 兵卒:兵長、一等、二等

 一般の戦闘員。市軍士官学校出でなければ、ここから始まる。

 言わずもがなだと思われるが、士官は大>中>少であり、下士官は曹長>軍曹>伍長、兵卒は兵長>一等>二等である。


 ※番外地

 ここでは市外地の、特に貧民街のこと。


 ※良い女の条件

 あくまでも女が自分で決めることであって、男は係らない方が良い(おめめぐるぐる


 ※身元保証書

 この人がどこの誰なのかを保証した書類。もっとも、実際に通用するかどうかは保証する人の信用次第である。


 ※コロ芋

 じゃがいものような芋。比較的安価で、よく食べられている。


 ※ザニン

 にんじんに似た根菜。栄養価は高いが、味はいまいち。


 ※エル・ダルーク協定

 ゼル・セトラス域内諸都市が組合提案の公認機兵制度を認める際に設けた協定。

 作中に出てきた第二項では、諸都市や開拓地等が滞在する公認機兵を指揮下に入れることができる条件を定めている。内訳は、一が漲溢発生時、二が居住民が何らかの脅威にさらされた時、三が居住地が何ものかに攻撃を受けた時である。

 ちなみに第一項では公認機兵の位置付けや権利保障、常に求められる義務等々が、第三項では指揮下にあった際に生じた責任や受けた損害に対する補償を要請した側が負うことが書かれている。


 ※小隊

 アーウェル市軍警備隊では三十余人が基本構成員となる。ちなみに小隊の内訳は分隊三つで、その分隊は十人程度である。


 ※防災機

 耐火性及び耐熱性、耐塵性を強化した特殊仕様のラストル。動きは鈍重であるが馬力はパンタル以上である。


 ※魔導工兵

 工作機に搭乗する工兵のこと。工兵隊の花形である。


 ※工作機

 耐爆性及び耐久性を強化した特殊仕様のラストル。特に前面部を重装甲化しており、装甲厚はパンタル以上である。


 ※血には血を、躯には躯を

 シュタール家の覚悟を示す言葉。


 ※慰撫と葬送の舞

 ゼル・セトラス域に伝わっている舞踏の一つ。

 場に共感することで生者を慰め、生きる決意と共に死者を送る。



 ○言い訳のような設定と誰得な付録のようなもの


 ・なぜニコラが流民にならなければならないのか、そうしなければならないのか

 大前提として、厳しい環境がある。これに立ち向かう開拓地ではそれに耐えられる肉体が必須である。やはり荒れ果てた大地で開拓を行う為には十全に働ける者達、特に健康な者が望まれるのだ。当然ながら、働ける者が優先され、障害者は後回しにされてしまう。

 これに加えて、大砂海域は流通網が強靭とは決していえず、食料の安定した需給が常に為されるとは限らない。そもそもの話、開拓地の経営自体も決して余裕はなく、食べて生き抜くこと自体が結構大変である。

 この二つの事情が合わさって、開拓地では障害者は歓迎されない。それどころか下手をすれば、障害者が口減らしに殺される可能性も出てくるし、不満のはけ口に利用される恐れも出てくる。

 そういった悲劇を防ぐ為、また人としての誇りと尊厳、或いは人類としての健全な社会秩序を保つ為、作中のニコラのように手に職を与えて、外に出すといった措置が取られている訳である。


 ・魔導機についての誰得なあれこれ

 まずもって、作中に出てくる魔導機は簡単に開発された物ではない云々云々……、と色々と書くよりも簡潔に表示してみようと思ふ。


 ※前文明期※

 ☆第一世代 歩兵用ボディアーマー

 我々が生きる現代でもお目にかかる、所謂「ぼでぃあーまー」である。

 ☆第二世代 歩兵用強化外骨格

 上の物に補助動力を付け加えた物である。

 ☆第三世代 歩兵用強化装甲機(個人装甲)

 上の物の装甲と出力を更に強化した物である。


 -【断罪の天焔】:文明の大破壊-


 ※文明崩壊後世界※

 ☆魔導式強化外骨格

 前文明期の遺物を参考にして、作成された強化外骨格である。

 ☆魔導式重装甲冑

 上の物に装甲が付け加えられたものであるが、まぜ甲冑と呼ばれるようになったのかは謎である。

 ☆魔導機

 重装甲冑の進化版であるが、実は略称から生まれたものである。


 といった具合に、開発が行われてきている。


 それでもって、魔導機の開発過程であるが、別枠として下に書いてみた。


 ・魔導機の系譜(でもまだ中途……


 ☆基点:前文明期の歩兵用強化装甲機(個人装甲)

 魔法の存在が公にされた事で、魔導を使った歩兵戦力の底上げが開始される。その対象となったのが、歩兵の中でも特に装甲歩兵と呼ばれる者達が身に着けていた個人装甲である。


 ☆試作機

 ※魔導式強化外骨格:ガルディア/Galdia

 崩壊した十二都市連邦で共同開発された魔力を動力源とする強化外骨格。

 帝国や同盟といった勢力で使用されている魔導機の始祖的存在。自身の手足で操る魔導機の雛型であり、現行魔導機全ては須らくこれが原型機である。



 ○第一世代機(直接制御式強化外骨格)

 魔導を用いた試作機、ガルディアより生み出されたモノ達。


 ☆帝国採用機☆

 ※魔導式重装甲冑:ゴライアス/Golias 運用162年~180年

 量産型重装甲冑。

 十二都市連邦崩壊後、魔導式強化外骨格の開発は中断していたが、帝国の成立とともに再開された。

 ゴライアスは帝国が魔導機開発に取り掛かった、その端緒である。……であるのだが、実際の所は独自性も何もなく、ガルディアに重装甲を取り付けただけの存在である。

 こうなったの理由であるが、帝国成立直後の不安定期を乗り切る為、上層部が応急に手当てした結果であるとも、現場から即急な戦力底上げが求められた為だとも言われている。


 ※魔導式強化装甲機 ゴラネス/Golanes 運用178年~

 量産型強化装甲機。

 ゴライアスの運用で得た様々な情報を基に開発された、帝国初の量産型魔導式強化装甲機。

 ゴライアスは機体重量が重く、運動性が低かったこともあって、装甲部の見直しと運動性の向上が進められた。その結果、運動性の向上が認められたが、生存性が著しく悪化している。また、魔導技術の未熟から稼働時間も短かった。

 その後もゴラネス一型は度重なる試行錯誤により、装甲強化で防護性を向上させた一二型、魔蓄器の増設で稼働時間を伸ばした一三型、補助動力(油圧系)の見直しが行われた一四型と改修が行われてきたが、新型魔蓄器の投入と冷却系を見直した第四改修機一五型をもって発展限界を迎えた。

 現行、東方領邦群で使用されているゴラネスは第五改修型であり、初期型と比べて稼働時間が大幅に伸びている。


 下記は改修と結果を簡略したもの

  一型:ゴライアスを基に、装甲部の見直しで運動性の向上を目指した。

  防護↓  運動↑↑↑ 稼働-  生存↓↓

 一二型:一一型を基に、装甲強化で防護性の向上を目指した。

  防護↑  運動↓   稼働↓  生存↑

 一三型:一二型を基に、魔蓄器の増設で稼働時間の延長を目指した。

  防護-  運動↓   稼働↑  生存-

 一四型:一三型を基に、補助動力(油圧系)の見直しで運動性の向上を目指した。

  防護↑  運動↑   稼働-  生存-

 一五型:一四型を基に、新型魔蓄器の投入と冷却系の見直しが行われた。

  防護-  運動-   稼働↑↑ 生存-


 ※機士用魔導装甲機:ラケ・ゴラネス/Rache Golanes 運用280年~

 指揮・高級型魔導機。ゴラネスの上位機。

 ゴラネスの開発計画より派生して開発された高性能魔導機。敵の攻撃は回避する、攻撃を受ける前に撃破する、という発想から作り出された。その為、無駄と判断された装甲は削ぎ落とされており、運動性がゴラネスと比較にならない程に向上した。加えて、瞬発的な出力を供する補助噴射装置が備えられていて、短期間の跳躍も可能である。

 また、ゴラネス系列とは思えぬ鋭敏な機影と共に特徴的なのが、単眼を持つ頭部である。これは展視窓という狭い視野に対処すべく、搭乗者に光学情報を提供する為に設けられた。この頭部は搭乗者の頭の動きに連動しており、広い視野を確保している。

 とはいえ、補助噴射装置や頭部関連の機構は非常に高価である。その為、指揮官や実力のある機士に対して供与されている。


 ※機兵用魔導装甲機:ゴラネス2/Golanes2 運用220年~

 量産型魔導機。

 魔導機の名が略称として認められた量産機。ゴラネスの実戦運用で得られた戦訓を取り入れて開発された。魔蓄器の新規開発により稼働時間が大幅に伸びたことに加えて、運動性と生存性の兼ね合いが見直され、装甲が厚くなった。増加した重量に対しては補助動力を強化することで対応している。


 ※機兵用魔導装甲機:ゴラネス23/Golanes23 運用300年~

 量産型魔導機。ゴラネス2の第三改良型。

 帝国で採用されている量産型魔導機。頭部なし。見た目が肉厚で鈍重な印象。主に機兵が用いる。余談であるが、前世代機のゴラネス一型系列は領邦国家群で使用されている。


 ☆同盟採用機☆

 ※試製歩兵用魔導式強化外骨格;ボルス・ディア一六六/Bolus Dia166 運用166年~185年

 試作強化外骨格。

 五都市同盟成立直後から開発が始まる。施政方針を巡って対立し歩む道を違えた帝国に抗する為、五都市が人材を出し合って開発チームが発足し、独自開発が始まる。機体名は強化外骨格の新規開発を提唱し、開発チームを率いた魔導師ボルスと原型機となったガルディアの名の一部より命名された。

 ガルディアよりも運動性に重きを置いた設計の為、継戦能力と機動性に優れている。だが、装甲は薄く、甲殻蟲と真正面から戦うのは難しい。


 ※先行量産型魔導式強化装甲機:ボルス・ディア一八〇/Bolus Dia180 運用180年~280年

 量産型強化装甲機。

 ゴラネスの登場を受けて改良されたボルス・ディア一六六。ボルス・ディアの正規量産機が生産されるまでの繋ぎとして位置付けられた機体。改良点は追加装甲を施すことで生存性を向上させたことと低下した運動性を補助する油圧システムの新設の二点である。


 ※魔導戦闘機二六三:ボルス・ディア/Bolus Dia 運用263年~

 量産型魔導機。

 魔導機の名が略称として認められた量産機。同盟内の主導権争いの余波で、正式採用が遅れに遅れた悲劇の魔導機。一八〇よりも更に重装甲となり、外骨格に張り巡らされた油圧系が強化されたことで生存性がより向上した。その堅牢性はゴラネス2を上回り、甲殻蟲と真正面でぶつかり合っても打ち勝てる程である。しかしながら、重装甲化したことで運動性と機動性がかなり低下している。



 #さくしゃのひとりごと

 正直に言うと、強化外骨格は歩兵強化における一つの完成形だと思う。故に、ある程度の形や仕組みが完成してしまうと後は素材云々の話に進むのではないだろうか、と思う次第であります。



 ○第一.五世代機(間接制御機構を一部採用)

 第一世代機を参考にして開発された、新要素付の後発機達。


 ☆ゼル・セトラス域採用機☆

 ※二百五十一年式魔導陸戦機:パンタル/Pantl 運用251年~

 量産型魔導機。

 魔導機の名が略称として認められた量産機。ゼル・セトラス大砂海域で主に使用されている。ガルディアを参考に、ゼル・セトラス組合連合会が一から開発した。操縦者保護の一環として、腕部の操縦機構を胴体内部に収めた為、胸から腹が膨らんでいる。製造責任と発売元は組合連合会である。


 ※二百七十三年式簡易魔導機:ラストル/Rastl 運用273年~

 量産型簡易魔導機。

 ゼル・セトラス大砂海域及び東方領邦群の一部で使用されている量産型簡易魔導機。パンタルを基に開発された。操縦機構はパンタルと変わらないが、油圧系が大きく強化されたことで積載運搬能力が向上し、魔力消費量も若干改善されている。が、その分だけ装甲を失くしたり削られていたりする。また防犯上の観点から、油圧系への瞬間魔力供給量が制限されている為、瞬発性も低い。製造責任と発売元は、パンタルと同じく組合連合会である。



 #さくしゃのひとりごと

 ガルディアが完成形? いやいやまだ先はあるはずだと技術者が可能性を模索したり、人も資源なんだからもう少しは大切にしようぜと観点を変えたりした結果、生み出された。実際、歩兵という枠からはみ出そうとし始めていると思う。



 ……以上、であります。


 この後の続きは、ええ、多分、作中で出てくることでしょう(てきとう



 ○追記


 ・おい、結局の所、クロウの野郎は踊り子とヤッたのか?

 さて、どうなんでしょうか。

 くうはくのじかんについては、わたしにもわかりません。

 よんでいるひとの、いわゆる「ぎょうかんをよむちから」しだいかと。

 (ふくおんせい:ふふふ、もんもんとするがよい)

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