6 異世界の子供 2
バケツやら竿やらチャリのアイテムボックスに収納して貰って
前を歩く団体に追いつくとジルが聞いてきた。
「兄ちゃんそれ車輪が付いているけど何かの魔道具か?」
「ああ、これは自転車って言って人と荷物を運ぶ乗り物だよ。」
「すげー!さっきパンとか出してたけど兄ちゃんアイテムボックス持ちか?」
「アイテムボックス?!持ってるやつ普通にいるのか?」
「普通にいたら驚かないよ。持ってるやつが少ないから重宝されるんだぜ。」
「重宝って?」
「持ってるやつは大方国か大きな商会に雇われて”運び屋”やってる。」
なんか物騒な名称出てきた・・・
「運び屋って?!」
「まんま荷物を運ぶ仕事だよ。例えば馬車一杯の荷物を町から町へ運ぶとするだろ?」
「ああ。」
「馬車だと重い荷物を載せて、先ず馬が要る。エサがいる。
御者も当然必要だ。
そして肝心の荷台。古くなったり壊れたりしたら修理も必要だ。」
「そうなるな。」
「ああ。それの比べたら運び屋は人一人だ。せいぜい履物が擦れるのが早いくらい。他には何もいらないだろ?
遠くまで運ぶ時は途中で他の奴と交代すれば昼も夜も走り続けられる。
早くて安上がりで、まあ安全かどうか分からないがそれは馬車でも同じだからな。」
そうか、そんな仕事があるんだ。
日本でいうところの江戸時代の飛脚か・・・
途中で交代すれば走りでも東京から箱根まで半日かかんないもんな。
”運び屋”って言い方は聞こえが悪いがお金を稼ぐには良い仕事かも知れない。
「それにしてもジルは子供なのに色々知ってるな」
「兄ちゃん、ジルは村長んとこの跡取りで神童って呼ばれてるんだぜ。」
「神童?そうなのか。凄い奴なんだな。」
「父ちゃんが周りの奴らに言ってるだけだよ。
狭い家ん中で大人たちが会合で集まる度にでっかい
声で色々話してるの聞いてればいやでも覚えちまうよ。」
いや、それ普通のガキには無理だって。
理解しなきゃ一回聞いただけでは覚えられないわ・・・
まあ、神童は言い過ぎだろうな。
「兄ちゃん、この自転車って何人乗れるんだ?」
「普通は一人だけど(まあ此処は異世界だし)荷台にあと一人
乗れない事も無いな。」
「それなら明日、魚獲ったら一緒に町まで乗せてってくれよ。
道案内して町のあれこれ教えてやるからさ。」
「良いけど他の奴ら置いて行って良いのか?」
「大丈夫だよ。いつも一緒にいるわけじゃないから。」
「なら良いか。一緒に行ってくれた方が俺も心強いからな。」
「良し!決まりな。おっ、秘密基地見えてきたぜ。」
そこは岩山にぽっかり空いた洞窟だった。




