5 異世界の子供 1
「そういえば名前聞いてなかったな。俺は和真って言うんだけど
名前なんて言うんだ?」
「俺はジルでこいつが・・・・・」
年長のジルが指さしながら他の子の名前を口にする。
自慢じゃないが5人もいたら一度には覚えきれない。
分担作業を終えたので魚が焼けるまで火を囲んで話を聞く事にした。
「この辺は魔物とか魔獣とかいるのか?」
「あそこに見える魔の森にはたくさんの魔物がいるって話だぜ。
あと森を抜けた所にはワイバーンとかもいるって聞いた。
でも森に入って帰ってきた奴はいないから
絶対に森には入るなって言われてる。」
はい、出ました。
帰ってきた奴はいないのに森の中の様子が分かる訳ないって話。
「魔物とか森からは出てこないのか?」
「ああ。それは心配ない。聖女様が結界を張ってくださってるんだ。」
「そうか、聖女様がいるんだ。王様とかはいるのか?」
「あたりまえだ。ここはハリスト王国だぜ。王様がいなかったら王国じゃない。」
「ははは、それもそうだな。
そうそう、魚って町へ持ってったら誰でも売る事は出来るのか?」
「兄ちゃん今までどうやって生活して来たんだ?
親の稼ぎが良ければ遊んでられるかもしれないけど
こんな田舎じゃ子供だって小遣い稼ぎに町へ色々売りに行ってるよ。
俺らはまだ小さいから手伝いくらいしか出来ないけど・・・」
うわー、異世界大変そう。
俺、一人でやってけるかなあ・・・と思ったが
子供だって稼げるんだ。逆に何とか生活出来るんじゃないか?
そんな会話を続けていたら魚が良い具合に焼けてきた。
一度串を回して反対側も焼く。
「そろそろ昼の時間だろ?家に帰らなくて大丈夫か?」
「この季節はそこいらの木の実や芋ほって焼いて昼飯代わりに食ってる。
魚も捕まえたりするけど今日は兄ちゃんがいたからツイてたな。」
「そうか。魚一匹で足りるのか?」
「また後でなんか探すよ。」
自分も魚一匹では物足りない。
ちょっと試してみようとチャリに話しかける。
「いつもおっ母が買ってくるロールパン出して。」
すると某メーカーの6個入りロールパンが現れた。
「もう一袋お願いっ。」
おおー2袋出せるんだ。賞味期限は三日後だ。
もちろん今日が転移した日付と同じならの話だが。
「サンキュ」
そういってチャリを労う。
ロールパンを持って戻るとガキンチョたちは目を丸くして
そしてキラキラ輝きだした。
「兄ちゃん、それパンか?俺たちのもくれるのか?」
「ああ。特別だぞ。だけど誰にも言うなよ。
悪い奴に知られたら盗みに来るかもしれないからな。」
そういって子供たちに手渡してやる。
「一人二個ずつやるからゆっくり食えよ。
魚食ったらのこりのもう一個渡すからな。」
「「「ありがとう!」」」
「うわー焼き立てみたいにフカフカだぁ。それに甘いや。」
そうだろう、そうだろう。
食べながら他にも町の事とか何が売れるかとか聞いておく。
食べ終えてお腹一杯になったジルが
「兄ちゃん良い奴だから秘密基地へ案内してやるよ。」
と言って歩き出した。




