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37 初依頼の仕事


「えっ!?」


「エリザベート、こう見えて和真は貴重なアイテムボックス持ちなんだよ」


こう見えてと言うのは納得できないがアイテムボックス持ちは

俺ではないのでそこは受け流す事にする。


「王城で行われる”聖女選定の儀”に列席する為に三日後に控えた

エリザベートの王都への出立に際して今回の魔物の活性騒ぎで

そちらに人員を割く余裕が無くなってしまったんだ。

そこで和真に荷物等の運搬をお願いしたい。

護衛の為の騎士達も含め出来る限りの人員を領地での魔物の討伐に

駆り出さなければならない状態だ。王都迄の護衛は最少人数

こちらでの資材・食料運搬で馬車も一台しか用意できない状態だ」


エリザベートさんは流石に辺境の地の令嬢なのだろう。

そこまで話を聞いて今はあれこれと我が儘を言える状態でないと

理解した様でいつの間にか下を向いて黙って聞き入っている。


「さて、落ち着いたところで食事を摂りながら話をしようか」

近くに控えていた執事が厨房に合図を送り料理が運ばれてくる。

カトラリーはイタリアンと同じようだ。さすがに箸は無いだろう。

んんー、作法が分らない・・・

じっとカトラリーに見入っていると顔を上げたエリザベートさんが

 

 ふふん!

と鼻で笑った。


「田舎育ちの平民には貴族のお作法は無理でしょ。

パンとスープだけお召し上がりなさいな」

と宣った。


前言撤回!ほんと嫌みな所が姉ちゃんそっくりだ・・・


こちとら姉ちゃんに付き合わされてモールに行けばいつもイタリアンランチだ。

但しチェーンのお手軽ファミレスだけど・・・

フォークとナイフを使ってこの世界へ来て初めての前菜付きの肉料理やら

パスタっぽいものなど口に運ぶ。

但し並んだ道具は使えはするが所作はお世辞にも綺麗とは言えないだろう。


エリザベートさんは暫く呆気に取られていたが自分の手元が

お留守になっていた事に気付て食事を始めた。

暫く成り行きを見守っていたロベルトさんが気を取り直して話を進める。


「すまない、和真。年下の君に突っかかるなんて大人げないが

妹は今色々面倒な問題に直面していて気が立っている様だ」

大人しく食事していたエリザベートさんが驚いたように顔を上げ


「まあ、和真はいくつですの?お兄様が連れていらっしゃったから

若く見えてもてっきり成人していると思っていましたわ」

と、疑問に思った事を口にした。


「和真は…14だったか?」


まあ身長は既に170センチを超えているし子供に見られて

また馬鹿にされるというのも腹が立つ。

春休みに入ってすぐに此方に転移して五月の誕生日はすぐそこだ。

此処はきっちり年齢を知らしめておこう。


「来月15になります」

「まあ、まだお子様だったのね。大人気無かったわ、ご免あそばせ」


「・・・」


一応謝罪している様にも受け取れるがどう考えてもまだ鼻で笑っているようで

馬鹿にされた感が拭えない・・・


「さて、先ほども触れたが和真にエリザベートの荷物運び兼従者として

王都迄同行して欲しい。

王都に行けばタウンハウスに両親がいるからそこまで無事に着けるよう

妹に付き添って行って欲しい」


「荷物を運ぶのは構いませんが無事に付けるかどうかは

護衛の方々の仕事ですよ」

「君なら護衛の仕事も難なくこなせるんじゃないかな?」

「まさか。ただのアイテムボックス持ち、荷物運びが専門です」

「無意識のうちに私の魔力を弾き返すほどの力があっても?」

「・・・」


『リリィ、この人の魔力量ってどのくらい?』

『スマホで鑑定してみれば?』

『この場でそんなの出したら余計に疑いが深くなるよ』

『しょうがないわね・・・

この国で五本の指に入るくらいの強い魔力量ね』

『・・・』

平和に生活していくつもりがかなり不味い人に掴まったのだろうか・・・


「取りあえず運び屋を引き受けたからには王都までは送り届けます。

でも他に出来ることは何も無いと思いますよ。

それでもいいなら引き受けます・・・不本意だけど」

「アイテムボックスだけでも荷物が少なくなって助かるから全然構わないよ。

何かあっても妹を放り出して逃げてくれて構わないからね。

ホントに・・・」


それが出来ない事まで見透かされている・・・

色々疑われているが何処まで俺らの事を知っているんだろう。


「あっ、言い忘れるところだったけど王都に着いたら

従者として妹の”聖女選定の儀”に付き添ってね」


「 はぁー?!! 」



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