27 すっかり農業
子供たちと別れて洞窟に帰りながら考える。
何か子供達だけで簡単に食べられる
美味しいもの・・・おいしいも・・・おいも・・・焼き芋!
野生の芋を掘って食べるって言ってたけど、改良されたサツマイモとは
甘さ、食感共に月と鼈ほどの違いがあるだろう。
今から植えていつ実るかは分からないが、カボチャの事を考えると
一週間もかからないんじゃないか?
トマトも生で齧れる。棚なんか作れないから地面を這わせる事になるけど。
但しチビたちにミニトマトは禁物だ。喉に詰まらせたらシャレにならない。
洞窟についてすぐに空き地を見て愕然とする。
南瓜のツルが伸び放題で空き地を飲み込んでいる・・・
南瓜もかなりの数が生っている。異世界って肥料の有無は関係ないのか?
それとも異世界(ここじゃない方)の植物だからこうなるのか?
『リリィ、この空き地の状態、何とかならないか?』
無理を承知で一応聞いてみた。
『チャリが風魔法で片付けてくれるって』
そう返事があった途端、つむじ風が吹き抜け荒れ地に生え放題だった
草が一本も無くなって刈り取られたようなカボチャのツルやらカボチャが
それぞれ纏まって目の前に積み上げられていた。
暫く呆気に取られていたが
その後すぐに前回の自分の苦労は何だったんだと落ち込んだ。
気を取り直してチャリにカボチャを収納して貰って
替わりに出して貰った芋づるの束を適当に埋めていく。
トマトの苗も幾つか出して貰って落ち葉を埋めた穴に植えていく。
もちろんこれらはチャリに乗ったおっ母が農協で仕入れて畑に持って行った物だ。
カボチャのツルはこのままにしておけば腐葉土みたいになるだろうか。
なんかすっかり農作業が板について来たのかもしれない、とも思ったが
たった二日で収穫できる農作物なんて聞いたことが無い。
こんな楽な農業は無い。もやしだってもう少しかかるだろう。
サツマイモは滅多に花が咲かないって言うし種なんか見た事が無い。
トマトは種が沢山あるけれど、もし南瓜みたいに種が無かったら
どうなるんだろう?
中は空洞なのか、それともゼリー状のが増えるんだろうか。
そういえばトマトの種って食べていても違和感ないな
なんてことを考えて洞窟に戻った。
明日ジルにトマトとサツマイモの事を話しておかないと
忘れてそのまま腐らせてしまったら勿体ない。
子供たちは焼き芋を喜んでくれるかな。
その前にパーティーの事も考えないと・・・
なんやかんやで結構充実してる。
今日もまた汗をかいた。
明日は町に銭湯が無いかジルに聞いてみよう。




