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16 チャリの魔法


立ち塞がった男たちを引き倒して行く訳にもいかず

思わず足をついてチャリを止めた。


「おい坊主、えらく景気が良さそうじゃないか」

「俺達もおこぼれに預かりたいってもんだぜ」

「なあに、命までは取らねえから痛い目見たくなかったら

持ってる金、全部おいて行きな」


うわー、これってヤバい状況なのか?

俺たちの事どこかで見てたのか?


「兄ちゃん、こいつら多分ここいらの破落戸だ。

人を殴るくらい何とも思ってないよ」

ああ、何処の世界にもこんなのがいるんだな。


「子供相手に良い年の大人が恥ずかしくないのか?」

「ああっ?、恥ずかしがって飯が食えないより飯食う方が大事だろ。

大体からして恥ずかしいなんて事思わねえよ」


それって正論なのか?と一瞬思ったがそんなはずはない。

前がダメなら後ろか?と思って振り返ったがいつのまにか後ろにも二人

似たような奴らが立ち塞がっていた。


「兄ちゃん、どうする?」

「うーん、そうだなあ・・・」

チャリに乗っている間は棒でたたかれようが

石が飛んでこようが俺たちに当たることは無いだろう。

それに突破を強行すれば奴らが吹き飛ばされるだけだろう。


でも此処で少し痛い目に合わさないとまた襲ってこないとも限らない。

何か反撃する手立てはないかなあ、と考えていたら

いきなり後方の一人が飛びかかって来た。


「ほらチビこっちに来て人質になりな!」

ジルに手を伸ばしたが予想通りチャリの結界に阻まれて手を弾かれた。


「?」


何が起こったか分からないまま弾かれた手を見つめている。

ジルは思わず首を引っ込めて目を瞑ったようだ。

何も起こらないのを不思議に思って目を開けて首を傾げている。


「な、何しやがった!?」

我に返った男が怒鳴る。


「知らねーよ」

と一応とぼける。


んー、チャリに出来る事・・・

頭に浮かんだ事をこそっと聞いてみる。


「なあ、魔力あるならライト用の発電機で発電して

あいつらにビリッ!てな事出来ない?雷魔法みたいにさ」


普通のチャリ用のライトの電流なんてたかが知れてるが

このチャリは結構な魔力持ちだ。

相手を痛い目に合わせて気絶させることぐらいできそうだ。


”チリリン”と言う返事に蓄電はされていないから発電する為に

ペダルを漕いで少し前進した。


「こらあ!逃げる気か!」

と言った途端にチャリが放電したらしく男達が「いて!!」と言って

膝をついたり前のめりに倒れたりした。


「雷魔法が使えるんだけどまだやるつもりならもっと強力なのお見舞いするよ!」

と脅し文句を被せる。


「なんだと‼生意気な!五人相手にそんなに魔力が持つわけないだろ!」


立ち上がった一人が向かってきた所へどうやら先ほどより強い放電が襲って様で

そいつは一言も発することなく突っ伏した。


ひくひくと痙攣しながら唸っているから命には別条ないだろう。

破落戸達が唖然として立ち尽くす中


「今度襲ってきたら容赦しないからな!」

と言い残して帰途についた。


チャリは一度放電した事によって雷魔法を取得したんだろう。

なんてったってちょっとコツいただけで

物理攻撃耐性を取得してしまったんだから。


それならチャリが走っている時に起こる風で風魔法を使えるようにならないかな。

ジルを送り届けてから聞いてみよう。


「ジル、遅くなたからちょっと飛ばす。しっかり俺に掴まって」

「うん。分かった」

ジルがしっかりしがみついたのを確認してペダルを漕ぐ足に力を込める。

但し早すぎない様気をつける。


通り過ぎるときの道端の草の揺れは尋常じゃなさそうだ。

風魔法、使えると良いな。さっきみたいに襲ってきた奴を吹き飛ばすのに

良さそうだ。


「兄ちゃんこの辺でいいや」

村の外れまで来たところでジルがそう言ったのでチャリを漕ぐ足を止める。


「今日はちょっと怖い目に遭わせちゃったから次は俺一人で行くよ」

そうジルに告げたが

「でも楽しかったし兄ちゃん強いから安心だよ。

まさかアイテムボックス以外にあんなに魔法使えるなんて思わなかったぜ。

また誘ってくれよな」


魔法を使ったのは俺じゃないけどジルがまた行きたいと思うなら

俺だって心強いからお願いしたい。


「そうか。じゃあまた何日かしたら行ってみようか」

「うん。楽しみにしてる」

そういう事で今日のところはまずまずの冒険だったなとジルと別れて洞窟に戻った。


洞窟の横には以前人が住んでいた時に開墾したであろう空き地が

今では草が伸び放題で放置してある。

明日になったらちょっと手を入れてみようと思いながら

チャリに出して貰ったコンビニ弁当を食べて床に就いた。


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