10 チャリで町まで行ってみる
あくまでも異世界の話です。
現世でチャリの二人乗りは違反です・・・
昨日は流れのある岩場で釣っていたので今日はちょっと下流へ移動して
淀んだ深場を狙ってみる。
ちょっと大き目なルアーを投げ込む。
程なくして何か大物がかかった様で引きが強い。
浅場へ引き込み近付くと立派な髭が生えている。
どうやら日本で言うところのナマズのような魚だ。
大きさも60センチほどで手持ちのバケツには入りきらない。
かといってナマズと同じなら泥抜きが必要だ。
このまま締めるわけには訳にはいかない。
まあ今日の所はリリースしておこう。
ナマズは面倒なので昨日の場所で岩マスなる魚を釣る。
竿を振りながらそういえば釣り竿を武器みたいに使う
アニメあったよなと思い出した。ヨーヨーも武器にしてたっけ。
魔法が使えたら真似できるか?と思ったがそもそも魔法が使えたら
武器は必要無いんじゃね?という考えにたどり着いた。
そんなしょうもない事を考えながら釣りをしてバケツに魚が溜った頃
ジルがやって来た。
「魚ってどういう状態で持ってくんだ?」
「いつもそのまんま葉っぱ引いた入れ物の上に置いて葉っぱ被せて持ってく。
もっと暑くなると焼いて乾燥させたりとか塩漬けにするけど
塩はなかなか手に入らないから乾燥が多いな。」
そっか、日本だと殺菌作用が有るからってクマザサやヒノキ
敷いたりするけどこの辺ではどんな葉っぱが良いんだろう。
「どんな葉っぱ敷いたらいいんだ?」
「もうちょっと山に近い所じゃないとこの辺には生えてない」
じゃあ今日のところは仕方ないかと下処理してクーラーバッグにほり込んだ。
チャイルドシートでは小さすぎるのでチャリの荷台に園児用座布団を括りつけた。
何もないよりマシだろう。
問題は足が巻き込まれない様にする事だ。
チャリにこそっと聞いてみる。
「後輪の周りに結界張って足を巻き込まない様にできる?」
”チリリン”
とOKサインが出た。これで一先ずは安心だ。
ジルがどうやって乗ったら良いか聞いて来たので
荷台に座って車輪に足を挟まれない様にと一応注意をしておく。
おっと肝心な事を言っておかないと、と忘れていたことを付け加える。
「道が悪くてガタガタ揺れてる時に話ししてると舌を噛むから気を付けて」
「わかった。気をつける」
注意するのはそんなところで良かったかなとゆっくりと走り出した。
ジルはどうやら初めて乗るチャリにご満悦の様だ。




