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流星騎士  作者: 渋谷かな
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牡牛座の騎士タウラス

「見たか! 惑星のミジンコども! これが俺様の品種改良した巨大タコだ! ワッハッハー!」


 タコの騎士クラーケンが現れる。惑星よりも大きな巨大なタコと共に。


「巨タコよ! こいつらを金星ごと吞み込んでしまえ!」


「タコ!」


 巨大なタコの触手が伸びる。


「なんていう大きさだ!? あんなのに勝てっこないや!?」


 少年は、相手の大きさに絶望した。


「諦めるのか? 我々が諦めたら、終わりなんだぞ?」


「で、でも!?」


「あんな図体だけのデカぶつ、剣で斬ることも簡単だが、昴に、私の神秘の使い方を教えてやろう。なんてったって、私は師匠だからな。」


 金星の騎士ヴィーナスは、少年に新し神秘の使い方を教えてくれるという。


「あんな大きな相手にどう立ち向かうんですか!?」


「どんなに相手が強くても、それ以上の衝撃を与えれば倒すことができる。」


 普通の道理を説く金星の騎士ヴィーナス。


「タコタコ!」


 二人が会話している間にも、巨大なタコの触手が金星に触れようという所まで延びる。


「金星よ! 我に力を! うおおおおおおー!」


 金星の騎士ヴィーナスが金色に輝き包まれて戦闘力を高めていく。


「必殺! ヴィーナス・インパクト!」


 金星の騎士ヴィーナスの一撃は、金星が巨大なタコにぶつかる衝撃のダメージを与える。


「タコ!? ギャアアアアアアー!」


 巨大なタコが吹き飛ばされ一撃でノックアウトされ宇宙の塵と化す。


「なにー!?」


 タコの騎士クラーケンは、巨大タコが吹き飛ばされるとは、予想だにしていなかった。


「す、すごい!? 大きなタコを一撃で!?」


 少年は、金星の騎士ヴィーナスの強さの底が知れない所を垣間見えた。


「見たか! これが金星の力だ!」


 騎士道精神を貫く、金星の騎士ヴィーナス。


「こ、こ、こんな化け物とどう戦えというんだ!? ギャアアアアアアー!」


 タコの騎士クラーケンは逃げ出した。


「カッコイイ! 師匠! これからは師匠と呼ばせてください!」

 

 とてつもないものを見てしまった少年は目を輝かせ、金星の騎士ヴィーナスに憧れた。


「別に構わないけど。」


「師匠! 僕も師匠みたいに強くなりたいです! 宇宙の平和のために! 今の必殺技はどうやるんですか? 僕にもできますか?」


 キラキラした目で少年は、金星の騎士ヴィーナスを質問攻めにする。


「できるようになるだろう。昴も。なんたって、私の弟子だからな。」


「はい! 師匠! どこまでもお供します!」


「アッハッハッハー!」


 少年と金星の騎士ヴィーナスは師弟関係になった。



 金星。


「それでは、月に行って、証拠を掴みツクヨミを倒し、かぐや姫様を取り戻すぞ!」


「おお!」


 指揮は賢い水星の騎士マーキュリーが執る。


「いよいよ決戦だね。」


「ルナとヴィーナスがいれば負けることはないだろう。」


 月の騎士のアルテミスとセレーネーは安易に物事を考えていた。


「昴。俺と変わってくれないかぴょん!」


「無理だよ。僕はうさぎじゃないもの。」


「黒塗りすれば分からないぴょん。」


「いや。一目でバレるだろう。」


 月の精霊のうさぎは抵抗するが、少年は断る。


「ルナ。昴は要らないのか? 私が貰っていくぞ?」


「好きにしろ。私には関係ない。」


 金星の騎士ヴィーナスと月の騎士ルナは相変わらずだった。


「こんな調子で勝てるのかな?」


「宇宙の神秘だぴょん!」


 月の騎士たちは、月へと向かった。



 宇宙空間の移動中。


「あの、マーキュリーさん。」


「どうしたの? 昴。」


「少し聞いてみたいことがあるんですが、いいですか?」


「どうぞ。何でも答えるよ。」


 少年は、水星の騎士マーキュリーに質問する。


「マーキュリーさんは、作戦を考えたり、すごいな~っと思うんですが、失敗したらどうしようとか、間違えたらどうしようとか、考えないんですか?」


 少年の素朴な疑問。


「えっと、僕なんかは、宇宙が好きなだけで、宇宙の移動や戦闘にも慣れてなくて、いつもいつも、怖いとか、逃げ出したいとか、誰か助けてって、思っちゃうんです。情けないですよね。あはは・・・・・・。」


 少年は自分に自信が持てなかった。


「ああ~、そういうことね。」


 水星の騎士マーキュリーは、一瞬で少年の心細い心理に気が付いた。


「君だけじゃないよ。みんな、不安なんだよ。」


「えっ?」


 水星の騎士マーキュリーの言葉は、少年の予想していた答えの真逆だった。


「私は少し頭が良いから作戦を考えることは多いけど、もしも自分が考えた作戦で失敗したらどうしようって不安だし、誰かが傷ついたら私は自分を責めるしかできない。」


「意外ですね。マーキュリーさんは、もっと自信があって、テキパキ作戦を考えているんだと思いました。」


「違う違う。私だって、不安なんだって。でも私が不安になったら水星の民も不安にさせてしまう。だから、そうならない様に虚勢を張っているだけなんだよ。」


 水星の騎士として、水の民に弱気な所は見せることができなかった。


「きっと、ルナやヴィーナスも同じだよ。自分が月や金星を背負っていると思うから、悩んでいる所は誰にも見せれないし、民のために強くなって安定させようと日々努力しているはずだ。」


「そうだったんですね。だからルナさんとヴィーナスさんは、ぶつかり合ってしまうんですね。」


「そうそう。自分が宇宙一強ければ、民も安心すると思っているからだ。」


 トップは孤独な職業であった。


「アルテミスだって、弓しかできなくて、ごめんなさい。っと思っているかもしれないし、セレーネーだって、回復しかできなくてごめんなさい。っと思っているかもしれない。」


「じゃあ、うさぴょんは?」


「・・・・・・あいつは、宇宙の神秘だぴょんを言いたいだけだろう。」


「アハハハハッ!」


 オチに使われる月の精霊のうさぎ。


「だから、心配しなくてもいい。最初は誰だって素人なんだから。不安でもいいんだよ。ニコッ!」


 水星の騎士マーキュリーは少年の不安を消し去るように優しく笑って見せた。


「ありがとうございます。悩み事を聞いてもらったら、なんだか気持ちが楽になりました。」


「それは良かった。私たちの戦いはこれからが本番だからね。期待しているよ。昴。」


「はい! 頑張ります!」


 水星の騎士マーキュリーに嘘でも期待していると言われたのが、とても嬉しかった少年であった。



 月


「やあ、良く生きて戻って来れたね。」


 月の騎士たちを夜の月の支配者ツクヨミが出迎える。


「はい。道中、宇宙タコの軍勢に待ち伏せされましたが、全て、突破してまいりました。」


 どこか月の騎士たちとツクヨミの会話は皮肉めいていた。


「かぐや姫は見つかったかい?」


「いいえ。タコ・キングにさらわれて行方不明のままです。」


「そうかい。それは残念だね。クスッ。」


 一瞬だけだがツクヨミは微笑んだ。


「・・・・・・。」


 その微笑みを月の騎士たちは見逃さなかった。


「黒うさぎ。地球の現状を説明してあげて下さい。」


「はい。かしこまりましたぴょん!」


 ツクヨミのペットの夜の月の精霊の黒うさぎが話始める。


「おまえたちが持ち場を離れたせいで・・・・・・地球はタコに襲われたぴょん!」


「なんですと!?」


 地球を守るのは月の騎士の使命。しかし、夜の月のツクヨミの仕事ではない。


「君たちが月にいなかった間に、宇宙の支配を企むタコ・キングの軍団が、地球に大部隊で降下して、今や地球は、人類とタコが戦争を繰り広げている状態だ。」


 地球は、タコの侵略を受けた。だが、タコ側の視点で見ると、同胞の地球のタコを救うためのカタルシス。


「直ぐに地球を助けなければ!?」


 月の騎士たちは、地球の救助に向かおうと立ち上がる。


「行ってはいけません!」


 大きな声で夜の月の支配者ツクヨミが月の騎士たちの動きを制止する。


「忘れたのですか? 月の騎士の役目は、あくまでも宇宙空間での地球の防衛。地球内の紛争には介入しないことを。それをかぐや姫も望んでいますよ。」


 月は地球内の出来事には関与しないのが慣例であった。


「グッ・・・・・・。」


 慣例と主君である、かぐや姫の名前を出されると、何も言えない月の騎士たち。


「次は、かぐや姫を探すために、火星に行くのだろう。それまではゆっくりしていくがいい。」


「はい。失礼します。」


 月の騎士たちは去っていく。


「実に滑稽だね。」


「そうですね。ツクヨミ様ぴょん!」


 月の騎士たちが去り、月の夜の支配者ツクヨミと夜の月の精霊の黒うさぎの表情が緩む。


「月の騎士たちに地球に降下されては困るんだよね。タコ・キングとの密約があるからね。」


「そうですね。タコは地球を。月はツクヨミ様が治めるぴょん!」


 やはりツクヨミとタコ・キングは裏で取引をしていたのだった。


「あいつらが、今、かぐや姫がどこにいるかを知ったら驚くだろうね。ワッハッハー!」


 黒ずんだ月にツクヨミの薄ら笑いだけが空しく響く。

 


 月の城の廊下。


「見たか? あのツクヨミの態度を。」


「見た。絶対に犯人はあいつだ!」


 月の騎士たちは、ふてぶてしいツクヨミの態度に不信を極めていた。


「ヴィーナスとマーキュリーを隠しておいて良かった。来ていると知られたら警戒されるからね。」


 金星の騎士ヴィーナスと水星の騎士マーキュリーは身を潜めている。


「どうしよう!? 地球がタコに征服されちゃったら!?」


「大丈夫。地球にも神秘があるぴょん!」


「えっ? どんな神秘なの?」


「知らないぴょん!」


 言いたがりなだけの無責任な月の精霊のカワイイうさぎ。


「私たちは計画通り、火星に向かうよ。」


「ルナ。頼んだよ。」


 月の騎士のアルテミスとセレーネーは、ダミーと共に火星に向かうことになる。


「任せろ。月の平和は私が守る。」


 やはり、戦力的に月の騎士ルナと金星の騎士ヴィーナスと水星の騎士マーキュリー、少年と月の精霊のうさぎが残る。


「なあなあ、やっぱり俺は黒うさぎと入れ替わらないとダメぴょん?」


「安心しろ。もしもバレたら骨は拾ってやる。」


「ギャアアアアアアー! ルナの鬼ぴょん!?」


 月のためなら、うさぎ一匹を失う覚悟の月の騎士ルナ。


「ムーン・アタック! 開始だ!」


「おお!」


 打倒、夜の月の支配者ツキヨミ作戦が開始される。



 月の城。


「ぴょんぴょんぴょん! 月のうさぎが餅ついてぴょん!」


 夜の月の精霊の黒うさぎが月の歌を歌っていた。


ビシッ!


 秒で現れて、月の騎士ルナの一撃が黒うさぎの鳩尾に入り声も上げずに気絶する。


「さすがナンバー2だ。」


「うるさい。黙れ。」


 その様子を金星の騎士ヴィーナスたちが見ていた。


「さあ、銀うさぎは、真っ黒になって、入れ替わってもらおうか。」


「ええ~、本当にやらないとダメぴょん?」


 黒塗りになることに抵抗がある月の精霊のうさぎ。


「うさぴょん。これもかぐや姫様を助けるためだよ。」


「・・・・・・わかったぴょん。」


 渋々だが、月の精霊のうさぎは黒うさぎになり潜入捜査をすることを引き受けるのであった。


「銀色もいいけど、黒色もいいな。やっぱり元がカッコいいからだぴょん!」


 満更でもない月の精霊のうさぎのブラック・バージョンであった。



 宇宙空間。


「・・・・・・。」


 宇宙に一人の男が漂っている。


「んん? アリエスか?」


 そこに牡羊座の騎士アリエスがやってくる。


「さすがですね。タウラス。私の接近に近づくとは。」


 男の名前は、タウラス。


「当たり前だ。これでも牡牛座の騎士だからな。」


 タウラスは、アリエスと同じく十二星座の騎士だった。


「何か用か?」


「せっかちな人ですね。実は・・・・・・。」


 牡羊座の騎士アリエスは、月の騎士ではあるが昴と出会った話をする。


「なに!? プレアデスだと!?」


 プレアデスは、牡牛座の肩の部分の位置する美しい星団である。


「はい。私が感じた違和感の正体は、プレアデスだったのです。」


「バカな!? プレアデスは、牡牛座の一部だぞ!? なぜ惑星騎士団の連中と一緒にいるんだ!?」


「理由は分かりません。ですが銀色の月の騎士の鎧を着ていました。」


 牡羊座の騎士アリエスは、自分が見たままの少年のことを伝える。


ピキーン!


「まさか!? 洗脳でもされているというのか!?」


「洗脳というよりは、地球人で宇宙空間には慣れていない感じでしたね。」


「地球人だと!? ますます分からん!?」


 プレアデスなのに地球人という違和感が牡羊座の騎士アリエスは感じ取って気づいたのであった。


「私は、ただ報告しに来ただけです。どうするかは、あなた自身で決めてください。」


 牡羊座の騎士アリエスは一瞬で姿を消した。


「俺のプレアデスだ。惑星の奴らには渡さない!」


 牡牛座のタウラスは、少年の元へ向かうのであった。


 つづく。

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