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流星騎士  作者: 渋谷かな
3/7

タコ、大気圏突入

「月が黒く光っている!?」


 少年たちは、宇宙空間から月が見える所まで帰ってきた。


「どうなっているんだ!?」


「かぐや姫様が心配だ!?」


「早く月へ戻るぴょん!」


「待ってよ!? 置いていかないで!?」


 少年たちは、月にアタックする。



 月の城。


「なんだ!? これは!?」


 月の城は、ボロボロに破壊されていた。


「いったい何があったんだ!?」


「タコが攻めてきたんです。」


 そこにツキヨミが現れる。


「図が高いぞ! ツキヨミ様のお出ましだぴょん! 図が高いぴょん!」


 もちろん黒いうさぎも一緒である。


「失礼しました。ツクヨミ様。かぐや姫様はどちらに?」


 礼を尽くす月の騎士。


ピキーン!


(なんだろう? この人の落ち着いた感じは? 違和感しか感じない!?)


 少年は、ツクヨミに何かを感じた。


「君たちが留守の間に、大量のタコが攻めてきてね。月の女王を誘拐してしまったんだよ。」


「月の神秘に守られているかぐや姫様が負けるはずがありません!?」


「タコたちの新兵器かな? 突然、月の加護が発動しなくなり銀色の光を失ったんだ。」


「そんな!?」


 ツクヨミの説明に半信半疑な月の騎士たち。


「ついさっきだから、まだ追いかければ、タコに追いつければ、月の女王を取り戻せるかもしれないよ。」


「分かりました! 我々は、かぐや姫様救出のために出発します! 失礼致します!」


 緩い感じの月の騎士たちが、上官とはいえ、キビキビと受け答えをしている。


「ああ、よろしく頼んだよ。月のことは私に任せて。月の女王が戻られるまで、私が守っていよう。」


 耳障りの良い言葉で月の騎士たちを追い出す、夜の月の支配者ツクヨミ。


「さすが、ツクヨミ様ぴょん!」


「私は、何かおかしなことを言ったかな? 月の女王がいないんだ。月は、私の者だろ?」


「はい。その通りだぴょん! これで銀うさぎの鼻を明かすことができたぴょん! 愉快ぴょん! 愉快ぴょん!」


 大喜びの黒うさぎ。


「タコ・キングに教えてやれ。そちらに月の騎士が向かったとな。」


「はいだぴょん!」


 もちろん、月の女王のかぐや姫の誘拐は、宇宙タコとツクヨミの共謀である。


「面白いね。私は何もしなくても、地球が手に入るのだから。ワッハッハー!」


「ぴょんぴょんぴょん!」


 静寂の月に傍観者の笑い声だけが響く。



 黒い惑星タコの城。


「地球の守護星! 月の女王は我が手中にある!」


 タコ・キングは、かぐや姫を捕まえて大喜びである。


「時はキタ! 我々は解放者である! 野蛮な捕食者から同胞を救うのだ!」


「おお!」


「我々は、地球に宣戦布告する!」


 宇宙タコの長年の悲願であった。


「タコ―!!!!!!!」


 大観衆のタコたちが歓喜の雄たけびを上げる。


「地球人は我らを焼き、茹で、揚げた! 今度は我々が地球を、人間を焼く番である! 復讐の鉄板を熱せよ!」


「おお!」


 地球タコの弾圧から始まった宇宙タコの怒りが、ついにタコ・キングの全面宣戦布告へと発展。


「タコ・キング様! 万歳! 万歳! 万々歳!」

 

 タコの王の言葉に、一般タコたちは大いに盛り上がって士気が高揚している。


「タコ・デビル。おまえに全権指揮権を与える。」


「はい。ありがたき幸せ。必ずや、地球をタコの惑星に変えてみせます。」


 イカではない。タコ・デビル将軍が地球タコ化作戦の指揮を執る。


「我々も地球攻略戦に参加させてください!」


「お供させてください!」


 タコの騎士オクトパスとクラーケンも名乗り出る。


「悪いが、おまえたちには、もっと大切な仕事がある。生き残りの月の騎士たちを倒してほしい。」


「クッ!? それでは我々は地球には行けないのですか!?」


「地球で苦しめられている同胞を救いたいのです。」


 宇宙タコは、地球のタコを助けたい。ただ、それだけだった。


「これより、宇宙タコの大気圏突入作戦を行う!」


「タコ―!!!!!!」


 月軌道上から侵攻開始。宇宙には100匹を超えるタコが準備している。


「地球タコの解放だ!」


「宇宙タコから見れば、地球タコは未開の惑星で、自らの同族が野蛮な人類に乱獲・捕食されている悲劇の民です。」


「人間なんて、許さないタコ!」


 タコ兵士たちの士気が上がる。


「私は、タコ・デビル! 我々には、大義名分がある! 我々の同胞である地球タコを、タコつぼ漁という名の奴隷制度から解放せよ! タコ焼き、お刺身、煮付け... これ以上のタコ虐殺を許すな!」


「タコ! タコ! タコ!」


 食文化を否定する強烈な主張が考えられます。タコ・デビルが解放運動の総司令官となります。彼の怒りは、単なる侵略ではなく、同族への愛から来ているため、敵ながら憎めないキャラになるかもしれません。


「これより、地球侵攻作戦。タコ・プラネットを開始する! 大気圏突入!」


「タコ―!!!!!!」


 100匹を超えるタコが一斉に降下を始める。


「タコ!? ギャアアアアアアー!」


 中には、大気圏の熱で燃え尽きるタコもいる。


「タコー!!!!!!」


 それでも人間は、宇宙からタコが攻めてくるなど夢にも思っていないので、一匹のタコを打ち落とすこともできずに、地球の大地に、地球の海に着陸、着水させてしまう。


「これが地球か・・・・・・何と美しい。先祖の宇宙タコたちが、故郷を捨てて、地球に移り住んだのが分かる気がするな。」


 大気圏を突破して、初めて地球の空と海を見た、タコ・デビルは、タコなのに感動した。


「ご先祖様! 今、助けに参ります!」


 戦場月での攻防から、ついに地球へ!



 その頃、地球では。


「なんだ? 流星か?」


「おい!? 隕石だ!?」


「違う!? あれは!? ・・・・・・タコだ!?」


 鳥だ! 飛行機だ! タコだ! 世界中の人々が空から降る無数のタコを目撃する。


「まあ~、きれいなタコ。」


 地球人は呑気だった。


ドカーン!


 陸地に衝突し潰れるかと思われたタコだが、吸盤を上手に使い、無事に着地する。


ドボーン!


 運の良いタコは海に着水した。


「虐げられてきた地球の同胞たちよ! 今こそ立ち上がる時だ! 共に立ち上がろう! 殺された家族の仇を討つのだ! そして、家族を守るために地球を、タコの惑星にするのだ!」


 タコ・インパクト。地球の海が沸騰する!


ピキーン!


「タコ!?」


 タコ・デビルのタコ・メッセージをタコ・テレパシーを受信した地球のタコたち。


「タコタコ!」


 タコたちは、俺の子供が漁船に捕まえられた。お母さんがタコ壺に捕らえられた。


「タコ! タコ! タコー!!!!!!」


 許せない! 許さない! 返せ! 家族を!


ピキーン!


 日本の明石や三陸、世界のモロッコやモーリタニアといったタコの産地のタコたちが、世界中の海のタコたちが立ち上がる。


「タコ!」


 元々、宇宙人だったタコの遺伝子がよみがえる。地球で平和ボケから戦いを好まなくなったタコたち、そして地球人に乱獲されたタコたちの復讐が始まる。



 世界の海岸。


「黒いタコ?」


 海から宇宙からの降下部隊の黒タコが陸地に上がる。


「タコ?」


 これが地球か?


「タコ。」


 宇宙で戦い続けてきた我々の敵ではない。


「タコ!」


 宇宙で進化したタコがビームを吐き出す。


 ドカーン!


 タコ・レーザーが街を破壊する。


「キャアアアアアアー!」


「逃げろ!?」


「タコが襲ってくるぞ!?」


 人々は、タコに恐怖した。



「タコ!」


 世界中の地球タコたちも立ち上がる。


「タコ!」

 

 我々は食材ではない! 我々は誇り高き宇宙種族だ! タコ・フリーダム! 


「タコ! タコ! タコ!」


 地球タコたちは、宇宙タコに感化され進化し、知性と戦闘能力を獲得。 人類の海洋研究所が次々とタコに占拠される!


「タコタコ!」


 人類よ、我々はもう食べられるだけの存在ではない。宣戦布告だ!


「地球タコたちよ! 私は宇宙タコ総司令官のタコ・デビルである! 今こそ立ち上がる時だ!」


「タコ!」


 タコ通信を聞いた地球タコたちが目を覚ます。


「タコ!」


 明石のタコ:「うちら、ずっと我慢してきたんやで。もう限界や!」


「タコ!」


 モロッコ・タコ:「砂漠の風が我らを呼ぶ。今こそ立ち上がる時だ。」


「タコ!」


 中国・タコ:「千年の眠りから覚めし我ら、龍の力で人類に挑む!」


「タコタコ!」


 世界中のタコが「漁師を許すな! 寿司職人を倒せ! 人類はタコの敵だ!」


「タコ! タコ! タコ!」


 火を吐くタコ! 水を吐くタコ! 風を吐くタコ! 渦潮を操るタコ! 陸に上がったタコは高い建物に触手で絡みつく。


「ギャアアアアアアー!」


 予想外のタコの侵略に、人類は戸惑うばかりであった。



 タコ・デビルの地球人に向けた演説が始まる。


「私は、宇宙タコ。地球タコ解放戦線のリーダーのタコ・デビルである。」


 この放送は、テレビ、スマホなど、全てのデバイスに放送される。宇宙タコの方が地球人よりも進んだ高度な文明を持っていた。


「た、タコが喋った!?」


「タコって、人間の言葉を話せるのか!?」


 ただただ驚くしかない人類。


「全て地球人が悪いのだ! 我々の宇宙に進出してくるから! 先に手を出したのは地球人である! 宇宙には宇宙のルールがあるのだ!」


 タコ・デビルは、非は地球人にあると主張する。


「我々は、地球のタコを救い出し、ちきゅうをタコの惑星とする! 今まで人間が行ってきたタコに対する仕打ちの罪深さを知るがいい! 今から焼かれるのはタコではない! 人間だ!」


 タコ・デビルの人間の言葉は流暢であった。


「本当にタコを乱獲してよかったのか?」


「タコよ! 握ってごめんよ!」


「我々はタコを愛していたはずなのに・・・・・・なぜこんなことに!?」


「愛と食欲は違うだろうが!?」


 タコ・デビルの演説を聞いた人々の反応はさまざまであった。



「タコ!」


 タコの侵略はつづく。宇宙から飛来したタコは100匹前後だが、地球のタコが参戦し、1万、2万とタコ兵力が増していく。


「タコタコ!」


 タコは、アメリカ、中国、ロシア、ヨーロッパ、日本、インド、オーストラリア、アフリカなど全世界に攻撃を仕掛ける。



 タコ・デビルの宣戦布告を聞いた国連では・・・・・・。


「なぜ地球人と宇宙人がたこ焼きパーティーできないのか!?」


 何とか戦争を避けたい人類。


「そこですよ! そこ! タコを焼かなかったら、今度は人間がタコに焼かれるんですよ!」


 人間とタコに共存はできないのか?


「・・・・・・。」


 一瞬の沈黙。


「やむを得ない。我々も滅ぼされる訳にはいかない。」


 タコ対人類、開戦! 



 その頃、宇宙空間では。


「かぐや姫様が金星にいてくれるといいけどね。」


 少年と月の騎士の二人と月の精霊のうさぎは、月から近くの金星に向かっていた。


「それにしても、ツクヨミ様は怪しいわ。」


「あんな奴に様をつける必要はないぴょん! 絶対に犯人はあいつだぴょん!」


 うさぎも犯人はツクヨミだと思っていた。しかし証拠はない。


「そうだね。僕も、あの人から不気味な気配を感じた。もしかしたら、あの人が犯人なのかもしれない。」


 少年もツクヨミが怪しいと感じていた。


ピキーン!


「おしゃべりは、ここまでよ。どうやら待ち伏せされていたみたい。」


 目の前にたくさんの宇宙タコが待ち構えていた。


「30匹はいるぴょん!?」


「かぐや姫様だけではなく、我々も消す気だわ!?」


「僕も2、3匹くらいは倒すぞ!」


 さすがに数の多さに月の騎士たちも厳しい戦いを覚悟した。


「タコタコ!」


「来るぞ!」


 宇宙タコのビームの一斉射撃が始まる。


「こんなもの月の鎧を着ていれば痛くもかゆくもないやい。」


 少年は余裕だと思っていた。


「ダメ! かぐや姫様が誘拐されて、月の加護がなくなっているのよ!」


「なんだって!? ギャアアアアアアー!」


 少年は、タコ・ビームの直撃を受ける。かぐや姫の加護がなくなった月の鎧はビームを跳ね返してはくれなかった。


「そういうことは早く言ってよ!?」


「ごめんごめん。」


 月の加護がなければ最強ではない月の騎士たち。


「ムーン・ヒーリング!」


「ありがとう。」


 セレーネ―が月の神秘で少年の傷を回復させる。しかし、以前の様に1回で全快とはとはいかない。


「悪いけど、逃げながら戦うわよ。私、弓使いだから接近戦には弱いのよね。くらえ! ムーン・アロー!」


「タコ!?」


 アルテミスが月の矢を撃ちタコを倒していく。


「タコタコ!」


 しかし、タコの猛威はつづく。


「まだ20匹以上いる!? どうしろというの!?」


「もうダメぴょん!?」


「大好きな宇宙で死ねるのは、本望です。」


「不吉なことを言わないでよ!?」


 少年たちが戦力さに諦めかけた。


タコ!? タコ!? タコ!? タコ!?


 剣技による連続攻撃でタコが倒されていく。最終的にタコを全滅させる。


「情けないぞ。」


 そこに一人の月の騎士が現れる。


「全てタコさんウインナーにすればいいだけだ。」


「ルナ!」


 月の騎士ルナが仲間に加わる。


 つづく。

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