月
「わ~い! 月だ!」
宇宙空間を月の騎士になった少年、陽月昴と月の精霊のうさぎが移動している。
「直ぐにつきそうだね。」
「地球と月は、約40万キロメートル張られているぴょん。」
「ええー!? そんなに離れているの!?」
「宇宙では近い方だぴょん。」
地球と月の間に惑星は存在しない。
「まあ、いいっか。星々がきれいだから。アハッ!」
少年は月に向けて移動していく。
宇宙のどこかの惑星タコ。
「なに!? タコがやられたというのか!?」
惑星タコでは、ロケットが破壊されるものだと思っていた。
「ええ~い! 忌々しい月め! また我々の邪魔をしているというのか!?」
惑星タコの王様、タコ・キングはお怒りだった。
「タコ・キング様。タコを倒した月の者が月に移動中です。」
「そいつらを生かして返すな! タコタコ!」
タコ・キングが、少年の抹殺命令を出す。
「私にお任せください。必ずや憎くい月の者どもを倒して見せます。」
「うむ。いけ! オクトバス! タコボールをたくさん連れて行け!」
「はい。タコ・キング様。」
こうしてタコの騎士オクトパスは、少年に向けて出撃するために去る。
「クラーケン。」
「はい。タコ・キング様。」
タコの騎士クラーケンが現れる。
「おまえには別の作戦を与えよう。ゴニョゴニョゴニョゴニョ。」
タコ・キングは、クラーケンに策を与えるのであった。
再び宇宙空間。
「うさぴょん。」
少年は慣れない宇宙空間を移動中であった。
「誰がうさピョンですか? 誰がだ、ぴょん。」
月の精霊のうさぎは、ニックネームで呼ばれることに慣れていなかった。
「もっと早く移動する方法はないの?」
「あるよ。ただし、光速で移動できればの話だけど? 今のおまえには無理だ。諦めるぴょん。」
「光速!? そんなに早く動けないよ!?」
「最初は、ゆっくり行くしかないぴょん。」
宇宙初心者の少年には無理だった。
ピカーン!
その時、どこかからか、ビームが飛んできた。
「うわあ!? なんだ!?」
「砲撃だぴょん!?」
広大な宇宙では、適当な攻撃は当たらない。
「見つけたぞ! 月の騎士!」
惑星タコからの刺客、タコの騎士オクトパスが少年に追いついてしまったのだ。
「また!? タコ!?」
「ただのタコじゃないぴょん!? 今度は隊長タコがいるぴょん!?」
「えっ?」
普通のタコの2倍の大きさがあるタコが特攻してくる。
「俺が月の騎士を倒す! おまえたちはうさぎをやれ!」
「タコタコ!」
配下のタコボールも4匹引き連れている。
「くる!?」
「早く! 月の鎧を装着するぴょん!」
「どうやって?」
「呼べば現れるぴょん!? 早くしろぴょん!?」
「いでよ! 月の鎧!」
ピカーン!
銀色の光を放つ月の鎧が少年に装着していく。
「死ね! タコ! ビーム!」
タコの騎士オクトパスがビームで攻撃してくる。
「うわああああ!? 死ぬ!?」
初めて命の危険を感じる少年の戸惑うが、ビームは直撃した。
「なに!? ビームを弾いただと!?」
月の鎧はビームを弾き返す。
「す、すごい!? 月の鎧はビームを弾いてくれるんだ!」
月の鎧の防御力に自信が生まれた少年。
「これも月の神秘だぴょん!」
月の精霊のうさぎは、月の加護がビームを弾いていると言いたい。
「こ、これは戦いなんだ!? ・・・・・・。」
普通に暮らしていた少年が一気に戦場の圧力にプレッシャーを感じる。
「よし! やってやる! ビームなんか怖くないぞ!」
少年は月の剣を鞘から抜いてタコに向かっていく。
「あれれ? 思うように動けないや!? 僕にどうしろという!?」
宇宙空間での動きは難しく、まだ宇宙空間で自由に動けない少年。
「自由に動けないのか!? チャンス! 見習い剣士が戦場に出て来るな!」
今度はタコの騎士オクトパスがタコの剣で攻撃してくる。
「うわああああ!?」
剣で確実に斬られて吹き飛ばされる少年。
「バカな!? 月の騎士は無敵だとでもいうのか!?」
しかし、吹き飛ばされたダメージだけで少年は無事だった。
「すごい!? タコの攻撃がほとんど効いていない!?」
「それも月の神秘だぴょん。」
ウサギがやって来て、決め台詞を述べる。
「うさぴょん。こいつらを倒してよ?」
「私に戦闘能力はないぴょん。」
「そんな!?」
役立たずな月のうさぎ。
「じゃあ、どうやって、こいつらを倒すのさ?」
「う~ん。」
ピキーン!
「月の神秘ぴょん! 月の光なら、不慣れな剣と違って、遠距離攻撃なので、当たれば倒せるぴょん!」
振ったこともない剣より、魔法の様な遠距離攻撃を薦めるうさぎ。
「タコタコ!」
タコたちが迫り襲ってくる。
「ギャア! うさぴょん! 早く教えて!」
「月の光と唱えれば、ムーン・ライトを撃てるぴょん。」
少年は、月光を覚えた。
「破れかぶれだ! 月の光! ムーン・ライト!」
少年は、月の光を放つ。
「出た!?」
月の光が少年の手から放たれる。
ドカーン!
「タコ!?」
宇宙タコに命中し倒す。
「やった! やったぞー! タコを倒したぞ!」
1匹倒すことによって、少年は戦い方を覚えていく。
「見習いでも月の騎士は月の騎士か!? 全員、散らばれ! 一か所にまとまっていると、まぐれ当たりを食らうぞ!」
「タコタコ!」
残りのタコ3匹は宇宙空間に散らばっていく。
「くらえ! 月光! 月光! 月光!」
「タコタコ!」
少年は月の光を放つが遠く離れたタコたちには当たらない。
「どうやら、ここまでの様だな! 死ね! 月の騎士!」
オクトパスが少年に特攻をかけてくる。
「うわああああ!? もうダメだ!?」
死を覚悟する少年。
「終わりだ!」
タコの騎士オクトパスがタコの剣を振り上げる。
キラーン!
その時、銀色の矢が飛んできてオクトパスの腕に突き刺さる。
「誰だ!? 邪魔した奴は!?」
キラーン!
「タコ!?」
銀の矢が宇宙タコに命中し倒す。
「来るのが遅いから迎えに来たよ。」
月の騎士らしき者が2人いた。
「うさぎ、おまえがいて、どうして遅いんだ?」
「見たらわかるだろ!? 宇宙人に襲われているんだぴょん!?」
必死に説明する月の精霊のうさぎ。
キラーン!
「タコタコ!?」
もう一匹、宇宙タコは倒された。
「これのどこが強いのよ?」
「おまえたちと一緒にするな! こいつは今日、月の騎士になったばかりだぴょん!?」
「・・・・・・。」
月の騎士が顔を合わせて考える。
「そだね。」
「うん。無理。アハッ!」
「アハハハハッ!」
月の騎士たちは、うさぎたちが遅れた理由に納得した。
「クッ!? これでは多勢に無勢!? 引くぞ!」
「タコ!」
タコの騎士オクトパスと残りのタコボールは撤退していった。
「すごいな!? 大人数で僕たちを襲ってきたのに、自分たちが不利になったら逃げるなんて!?」
「仕方がないよ。相手は悪者だし。」
「タコは、宇宙の侵略者だからね。」
今回の月の騎士は気さくな性格だった。
「紹介するぴょん! 月の一番の矢の名手、アルテミス!」
「よろしくね。」
「こっちは、回復を得意としている、セレーネー!」
「あなた、かなりダメージを受けたのね。月の光よ! 傷を癒したまえ! ムーン・ヒーリング!」
月の光が少年を包む。
「すごい!? 傷が治っていく!?」
少年の体力が回復していく。
「ありがとうございます。僕は、陽月昴。地球人です。」
少年は、自己紹介をする。
「地球人!?」
「えっ? どうして、そんなに驚くんですか?」
「だって、地球は、狙われているからよ。」
「ええー!?」
少年は、地球の危機を知る。
「どうして地球が狙われないといけないんですか?」
「それは・・・・・・タコの食べ過ぎ? アハッ!」
「タコ???」
まったく理解できない少年。
「簡単に説明すると、地球人が宇宙人であるタコを乱獲して食べ過ぎたのが原因よ。」
「そうそう。宇宙裁判で、地球人は宇宙人の敵だ! 判決が出てしまったの。」
「なんですと!?」
やっぱりタコは宇宙人であった。そのタコを焼いて食べるから、宇宙人の怒りを買ってしまったのだ。
「私たち、月の騎士は、地球の衛星として、地球の平和のためにパトロールしてきたんだけど、地球人の宇宙開発が、宇宙への侵略行為に辺り、宇宙人たちは、地球人の行動を良く思っていないのよ。」
「そ、そんな!?」
「だから、地球から宇宙が好きそうな人を呼んで、地球のことは自分たちで守ってもらおうってなったのだ。アハッ!」
「えっ? じゃあ、それが僕?」
「そうそう。」
「ええー!?」
真実を知ってしまった少年。
「ああ~、言っちゃったぴょん。せっかく、かぐや姫様に伝えてもらおうと、月の神秘だぴょんで、誤魔化していたのにぴょん。」
月の精霊のうさぴょんは不満気味。
「・・・・・・。」
少年は、たくさんの情報を一度に聞いたのでフリーズしている。
「ちょっと!? 大丈夫!?」
少年は震えだす。
「すごい! 大好きな宇宙で、僕が地球を宇宙人から守る、正義のヒーローになれるなんて!」
「えっ?」
心配どころか、少年は自分の運命に身震いしてやる気に火が付いた。
「うさぎ、不思議ちゃんを連れてきたんだね?」
「知らないぴょん! かぐや姫様に連れて来いって言われただけだぴょん!」
自分は悪くないとアピールする月の精霊のうさぎ。
「あれれ? ということは、僕は月の騎士ではなく、地球の騎士になるのかな?」
「そんなものは、分からないぴょん。月に行って、かぐや姫様に聞いてくれぴょん。」
「行こう! 月へ!」
少年たちは月へ向かう。
その頃、月では・・・・・・・。
「いけ! タコ・ボールども! 月を攻め落とすのだ! ワッハッハー!」
「タコタコ!」
タコ・キングから密命を受けたタコの騎士クラーケンが、別動隊で月に攻め込んでいた。
月の城。
「愚かな。月に攻め込んでくるなど。この私が許しません。」
月の女王のかぐや姫。
「タコなど、凍らせあげましょう。」
月に熱量はある。しかし、平均気温はマイナス23度らしい。
「ムーン・フリーズ!」
かぐや姫は、月の神秘を発動させる。
再び月の表面へ。
カチーン!
「タコ!?」
月の表面の冷たさで攻めてきたタコを凍らせていく。
「ええ~い!? やはり月を落とすことは無理なのか!?」
クラーケンは月の神秘の前に手の打ちようがなかった。
再び月の城。
「月が落ちることはないのだ。オッホッホー!」
かぐや姫は月の平和を守っていた。
場所が分からないどこか。
「それはどうかな? シャドー・ムーン。」
宇宙なのか、月なのか、どこかからか声が聞こえた。
再び月の城。
シュン・・・・・・。
月の神秘が止まってしまった。
「なんだ!? 何事だ!?」
「大変です!? かぐや姫様!?」
そこに月のうさぎが報告に駆けてくる。
「ムーン・フリーズが止まってしまいました!?」
「なんだと!? バカな!? 私は健在だぞ!? それなのに月が力を失うなどありえない!?」
突然、月は銀色の光を失った。
再び月の表面。
「なんだか分からないが、チャンスだ! 一気に月の城を攻めるぞ!」
「タコタコ!」
宇宙タコの総攻撃が始まる。
攻められた月の城。
「ギャアアアアアアー!」
タコたちが月の城内部に攻め込んできた。
「お逃げください! かぐや姫様! 月の騎士たちも出払っていて、このまま月にいても危険です!」
「私に逃げろというのか!? 私は月の女王だぞ!? 月を捨てて逃げれるか!?」
かぐや姫は、あくまでも抵抗姿勢であった。
「それなら死んでもらいましょうか? 月の女王よ。」
そこにタコの騎士クラーケンが現れる。
「おまえは、タコが進化した人型か!?」
「そうです。元々、宇宙人はタコですからね。たまたま銀のタコだけ、うさぎや人型に変化しただけのこと。」
宇宙人の祖先は、タコだった。
「残念だが、月の民は、古よりうさぎなんだよ。私はうさぎから人型に進化したのだ。これも月の神秘だ!」
諸事情により銀色のタコだけは使えません。アハッ!
「それがどうした? 月の力が使えないかぐや姫など怖くない。タコどもよ! かぐや姫を捕まえろ! タコ・キング様への手土産にしてくれる! ワッハッハー!」
「タコ!」
「やめろ!? 離せ!? 私は月の女王であるぞ!? ギャアアアアアアー!」
タコたちが、かぐや姫に襲い掛かり拘束する。
「撤収だ! まいて帰るぞ!」
「タコタコ!」
宇宙タコたちは、見事にかぐや姫の拉致に成功して去っていった。
「後は私に任せ貰おう。これで月は私のものだ。ワッハッハー!」
例えるなら、昼の月を統治する者が、かぐや姫なら、夜の月を支配する者は、彼、月読命であった。決して、昼と夜、交わることはなかった。
「おめでとうございます。これで月はツクヨミ様のものですぴょん。」
ツクヨミの配下のうさぎは黒かった。月の精霊の黒いうさぎ。
「まだだ。かぐや姫が邪魔で何もできなかったが、いよいよ、あの青い星を私が手に入れる時がきたのだよ。ワッハッハー!」
ツクヨミの伸ばす手の先には、地球があった。
つづく。




