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流星騎士  作者: 渋谷かな
18/20

太陽の騎士

 月。


「やってしまえ! ツクヨミ!」


「ガオー!」


 宇宙魔王の宇宙猫のクロアナの言葉で、操られている夜の月の支配者ツクヨミが、月の騎士たちに襲い掛かる。


「ウワアアアアア!? 来るな!? 来るな!?」


 来るなと言いながらも、月の矢を放ちまくる月の騎士アルテミス。


「イクリプス。」


 月の矢の光を無に変えながら特攻してくる、夜の月の支配者ツクヨミ。


「ヒイイイイイー!?」


「シャドー・ムーン。」


 月の騎士アルテミスは、体から意思を抜かれてしまい、宙に浮く。


「アルテミス!?」


「チッ!?」


 仲間の危機にどうすることもできなかった月の騎士のルナとセレーネー。


「よし! その調子だ! いけ! ツクヨミ!」


「ガオー!」


 もう神の面影もないツクヨミが、今度はセレーネーに襲い掛かる。


「私は簡単にはやられないわよ! ムーン・バリア!」


 月の騎士セレーネーは月のバリアを張って、ツクヨミの突進を防ごうとする。


「ダメだ!? そんなバリアじゃ!?」


「大丈夫よ! 私のバリアは簡単には破られないわ!」


 自分のバリアに自信がある月の騎士セレーネー。


「イクリプス。」


「えっ?」


 月のバリアの銀色の輝きが失われて穴が開いていく。


「そんな!?」


「シャドー・ムーン。」


 夜の月の支配者ツクヨミにバリアを破られた、月の騎士セレーネーも、意思を体から抜かれ、物として宙に浮いてしまう。


「セレーネー!?」


 遂に月の騎士は、ルナ一人になってしまった。


「後は、おまえ一人だな。片付けろ。ツクヨミ。」


「ガオー!」


 無に洗脳されているとはいえ、ツクヨミは神なので、圧倒的に強かった。


「私だって、月、最強の騎士。負ける訳にはいかないんだー!」


 決心した様に気合を入れて月の騎士ルナが、ツクヨミと対峙する。


「月よ! 我に力を! 必殺! ムーン・スラッシュー!」


「ギャアアアアアアー!」


 ルナの銀色の斬撃が、ツクヨミの体を切り裂いた。


「やったか!?」


「ガオー!」


 しかし、ツクヨミの傷は、無によって完全に塞がってしまう。


「この邪神め!?」


 通訳すると、こんな化け物にどうやって戦え? という絶望を感じている。 


「おい、月の騎士。おまえは使えそうだから、私の手下にしてやってもいいぞ?」


 宇宙魔王の宇宙猫のクロアナは、月の騎士ルナをスカウトしようとしている。


「こいつを倒したら、次は、おまえの番だ。」


 ギロっとクロアナを睨む月の騎士ルナ。


「何を~!? 生意気な! ツクヨミ! こいつも魂を抜いてやれ!」


「ガオー!」


 夜の月の支配者ツクヨミが、ルナを襲う。


「・・・・・・この技だけは使いたくなかったが、私の最強の一撃をお見舞いしてやる。」


 余裕のないルナは、最後の大技で勝負に出る。 


「私の命をかける! ああああああー!」


 月の騎士ルナは、全身から月の銀色の光を放ちまくる。


「くらえ! 月、最大の奥義! ムーン・インパクトー!!!!!!」


 ルナは、ツクヨミに、月がぶつかる衝撃を与える。


「ギャアアアアアアー!」


 月の衝撃は、夜の月の支配者ツクヨミを吹き飛ばし、地面にめり込ます。


「はあ、はあ、はあ。この技を考えた奴は、性格が最悪だな。」


 一撃に、惑星がぶつかる衝撃を与える技は、ルナのライバルの金星の騎士ヴィーナスが考えた。


「約束通り、次は、おまえの番だ。」


 月の騎士ルナは、ターゲットを宇宙魔王の宇宙猫のクロアナに決めた。


「おまえは何か勘違いをしていないか?」


「なんだと?」


「宇宙魔王の私が、操れるツクヨミより弱い訳がないだろうが。」


「なっ!?」


 遂に宇宙魔王の宇宙猫のクロアナが戦いに参戦する。


「はい。さようなら。ニャア~!!!!!!」


ニュヌヌヌ!


「バカな!? ブラックホールとでもいうのか!?」


 クロアナの口が大きく開き、口の中にブラックホールになり、月の騎士ルナを吸い込もうと吸引を始める。


「クッ!? 猫なんかに吸われてたまるか!?」


 月の騎士ルナは身をかがめて、必死に吸い込まれない様に耐える。


「いいのか? おまえが耐えれば耐えるほど、仲間の遺体が先にブラックホールに吸い込まれることになるぞ?」


「アルテミス!? セレーネー!?」


 結論からいうと、宇宙魔王の宇宙猫のクロアナは卑怯で狡猾であった。


ピキーン!


「いいだろう! おまえの望み通り吸われてやるよ!」


 何かを閃いたルナは、耐えるのをやめて、自らブラックホールに飛び込んでいく。


「フッフッフッ。遂に観念したか。」


「誰が観念なんかするか! おまえに近づくためだ!」


 月の騎士ルナは、ブラックホールの吸引する風にのり、クロアナとの距離を一瞬で詰める。


「なんですと!?」  


「これで終わりだー!」


 ルナが月の剣を輝かせ振り被り、油断した、クロアナ危機一髪。


「イクリプス。」


「しまった!?」


 その時、地面に埋もれていた夜の月の支配者ツクヨミが現れ、ルナの月の剣の銀色の光を消してしまう。


「おお! よくやった! ツクヨミ! そのまま魂を抜いてやれ!」


「シャドー・ムーン。」


「・・・・・・。」


 遂に、ルナも体から意思を抜かれ、体が宙に浮いてしまう。


「勝った! 勝ちましたよ! これで私は正真正銘の全宇宙の支配者よ! ニャオオオオオオー!」


 宇宙魔王の宇宙猫のクロアナは勝利の雄たけびをあげる。


(私は、負けたのか・・・・・・。)


 ルナの意思は漂っていた。


(こんな世界は嫌だな。)


 悪い猫が支配する世界。


(いつまで眠っているつもりなんだ?)


 ルナの視界には、少年の体があった。


(おい、そろそろ目覚めてくれないか?)


 最後の望みを託し、月の意思が美しく混ざり合っていく。


ピカーン!


 その時、少年の体が輝きだす。


「ま、眩しい!?」


 少年の星の金色の鎧に、銀色の月の輝き黎明の光を放つ。まるで暗闇を破って訪れる、夜明けの希望の光であった。


「あ、あ、あの鎧は!? 太陽の鎧!?」


 少年の鎧は、星と月が交じり合い、奇跡を呼び起こし、太陽を呼び寄せた。


ヂューン!


「はあっ!? ここは!?」


 夜の月の支配者ツクヨミに、意思を体から抜かれたはずの、少年の意識が太陽の鎧の力で体に戻った。


「ああー!? ルナさん!? アルテミスさん!? セレーネーさん!?」


 少年の目の前には、意思なく体だけ浮いている三人の月の騎士だ漂っている。


(昴・・・・・・昴。)


「アマテラス様!?」


 太陽の鎧を通して、太陽神アマテラスがテレパシーを、少年の心に伝えてくる。


(気が付きましたね。昴。)


「はい。アマテラス様。」


(私は、もう一人の弟、スサノオの相手をしているので、月に行くことはできません。)


 太陽神アマテラスは、太陽付近で、無に支配された、弟の荒神スサノオと戦いを繰り広げている。


(私が、あなたにしてあげられるのは、太陽の鎧を送ることだけです。)


「そんなことありませんよ! 負けた僕の意識を取り戻してくれたのは、鎧のおかげなんですか! ありがとうございます!」


 少年の体は、太陽の鎧からの光や熱、温かさで意識を取り戻し、今も体力を回復して、太陽の陽にエネルギーに満ち溢れている。


(昴。この様な大惨事を起こしたとはいえ、ツクヨミも私の大切な弟です。どうか、無から弟を救ってやってください。)


「安心して下さい。ツクヨミ様も、無に操られていただけですから。」


「ありがとう。」


 姉として、弟の救出を少年に託す。


「よ~し! ツクヨミ様も助けて! 無を倒すぞ! 僕が宇宙を平和にするんだ! うおおおおおおー!」


 太陽、月、星を宿す者、宇宙を導く運命の少年が覚醒する。


「全ての無を焼き尽くせ! プロミネンス! 紅炎!」


 コロナから突き出る炎のようなプラズマが、月全土、全宇宙へと広がり、全ての無を焼いていく。


「バカな!? まるで!? 太陽ではないか!?」


 太陽の鎧を装着した少年をコアとして、太陽の様に光り輝き灼熱の磁器嵐が暴れまくる。


「ギャアアアアアアー!」


 太陽の熱で、夜の月の支配者ツクヨミを覆っていた無にも、火の子が燃え移り無を焼いていく。


「しまった!? ええ~い! ツクヨミ! あいつの魂を抜いてしまえ!」


「ガオー!」


 未だに宇宙魔王の宇宙猫のクロアナに支配されている、ツクヨミの意思。


「そうはいくか! 燃えろ! 太陽! うおおおおおおー!」


 太陽風が吹き荒れ、オーロラが発生する。コロナから常に放出されている、プラズマ(電子やイオン)の流れ。


「ツクヨミ様! 目を覚ましてください! 太陽フレアー!!!!!!」


「ギャアアアアアアー!」


 容赦ない少年の攻撃は大爆発を起こし、ツクヨミの無を焼き尽くしていく。


「無が浄化されただと!?」


 少年の太陽爆発が、ツクヨミを覆っていた無を完全に焼き尽くした。


「・・・・・・わ、私は、何という愚かなことをしてしまったんだ!?」


 自分の意識を取り戻した夜の月の支配者ツクヨミは、無に操られていたとはいえ、自分の行いを泣きながら悔やむ。


(弟よ。)


「あ、姉上!?」


 懺悔するツクヨミの心に、姉の太陽神アマテラスが語り掛ける。


「もう、いいだろう。自分を迫るな。メソメソするな。おまえも神だろ。後悔しているのなら、今、自分ができることをしろ。」


「私のできること!?」


 姉の声に、ツクヨミの涙が止まる。


「今度からは忙しいと言わずに、昼と夜が変わる時は、お互い顔を合わせて、目と目を見つめて、手と手を取り合おうじゃないか。」 


 そう言うと、太陽神アマテラスの思念は消えていった。


「そうだ。月を悪意の無の巣窟にしてしまったのは、私の弱い心だ。今こそ、元の人々の憧れだった、本来の月に戻さねば!」


 ムーン・リバース!


 夜の月の支配者ツクヨミが、月の再生を始める。


ピカーン!


 無に包まれて黒く光っていた月が銀色の聖なる光を放ち始め、衰退からの復活していく。


「うわあ!? なんだ!? なんだ!? い、生きてる!? 生きてるんだ!?」


「月が銀色に輝いている!? なんて癒される光なんだ!?」


「・・・・・・。」


 月の騎士のルナ、アルテミス、セレーネーの意思が、月の神秘で体に戻る。


「ルナさん! アルテミスさん! セレーネーさん! 良かった!」


 少年も仲間の無事に安堵する。


ピカーン!


 無に汚されてしまった月の浄化はつづく。



 月の牢屋。


「月の騎士たちが、やってくれたのですね。」


 無に封じ込められていた、月の女王のかぐや姫も、銀色の光のおかげで、無の拘束から解き放たれた。


「悪いのは、ツクヨミではない!? はやく、みんなに、誰が、真の無なのか、伝えなければ!」


 かぐや姫は、月の騎士たちの元へ向かう。



 月。


「これで月も、本来の輝きを取り戻しましたね。」


 月が本来の姿を取り戻すということは、ツクヨミ自身の心の再生を意味する。


「ツクヨミ様って、すごいんですね!」

 

 銀色の世界が、完全にバランスを取り戻し、まさに月の救済である。


「本当にすごいのは、君だ。さすが姉上が太陽の鎧を授ける訳だ。月を救ったのは、昴。君だよ。ありがとう。」


 彼の存在そのものが、太陽と月と星を調和させる希望である。


「いえいえ。月を救ったのは、みんなで、がんばったからですよ!」


 少年の温かく優しい心が無だけでなく、ツクヨミの心も救う。


「おい、油断するな。まだ、一匹残っているぞ。」


「ニャア!?」


 月の騎士ルナの視線の先には、宇宙魔王の宇宙猫のクロアナがいた。


「おかしいな? 私がクロアナを作ったのに、元の黒猫に戻らないなんて?」


 夜の月の支配者ツクヨミは、少しの違和感を感じていた。


「まったく!? どいつも、こいつも、役に立たないんだから! こうなったら、全員まとめて、吸い込んでやる! ニャア~!」


 ニュヌヌヌ!


 宇宙魔王の宇宙猫のクロアナは、口を開けて、ブラックホールを発動させる。


「負けてたまるか! おまえを倒して、宇宙を平和にするんだ! ブラックホールごと燃やしてやる! 太陽よ! 僕に力を! うおおおおおおー!」


 少年に太陽から無限の光が降り注ぐ。


「くらえ! 無! 消えてなくなれ! 太陽フレアー!!!!!!」


 極太の太陽エネルギーが宇宙魔王の宇宙猫のクロアナに向けて放射される。


「ギャアアアアアアー!」


 さすがのクロアナも死を覚悟した。


 ニュヌヌヌヌヌヌー!!!!!!


「なに!?」


 しかし、クロアナの意思は関係なく、お口のブラックホールが、膨大な太陽エネルギーを美味しく吸い込んで食べてしまう。


「おお!? 私のブラックホールは、何て優秀なんだ!? ニャア~。」


 全てを、呑み込むブラックホールは、全てを吸い込んでしまう最終兵器であった。


「さあ! 燃やせるものなら燃やしてみろ! 凍らせれるものなら凍らせてみろ! 私にブラックホールがある限り無敵なんだよ! ニャニャニャー!」


 余裕の微笑みを見せる宇宙魔王の宇宙猫のクロアナ。


「どうすることもできないというのか!?」


 月の騎士たちが、再び絶望に呑み込まれようとしていた。


 つづく。

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