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流星騎士  作者: 渋谷かな
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決戦へ

 月。


「でも、成功するの? あなたのお姉さんが出てきたら、私なんか、あっさり燃やされて終わりよ?」


 自称、宇宙魔王の宇宙猫のクロアナは、太陽神アマテラスを気にしていた。


「それは、大丈夫だ。私には、愚弟がいてね。とてつもなく強いので、姉上を足止めしてくれるだろう。」


 夜の月の支配者ツクヨミは、最大の敵であろう、姉の太陽神アマテラスの対策も立てていた。


「さすが、ツクヨミ様。これで地球もツクヨミ様のものですねぴょん。」


 最初から全ての計画を知っていた夜の月の精霊の黒うさぎ。


「もう誰が邪魔しようが手遅れだ。既に地球の土地の三割は私のもの。地球人の90パーセントが私を支持してくれている。私は困っている人々に手を差し伸べただけなんだけどね。」


 弱っている人を助ける。これ程、恩を売れるポジションはない。


「よく言うわ。全部、自作自演じゃないの。」


 宇宙悪魔、宇宙モンスターを送り込んだのは夜の月の支配者ツクヨミであった。


「こら! ツクヨミ様に失礼だぞ! おまえが宇宙魔王になれたのも、ツクヨミ様のおかげじゃないかぴょん!」


 全ての始まり。かぐや姫の誘拐事件も企てたのも、夜の月の支配者ツクヨミであった。


「まあまあ。仲間割れはよそう。我々は同志じゃないか。仲よくしよう。悪意がなくなることのない、無の無限のエネルギーを。かぐや姫を捕まえているので、月の神秘の力も、我々のものなのだから。」


 夜の月の支配者ツクヨミの計画は完璧だった。


「ワッハッハー!」


 悪い奴らの笑い声だけが静寂に響き、月は黒さを増していく。


ガタッ。


(こ、こ、こ、こいつらは本当の悪だぴょん!?)


 一部始終を月の精霊のうさぎのうさぴょんが聞いていた。


「そういえば星を操った少年は、今は太陽にいるそうだね。」


(昴が太陽にいるぴょん! 急いで知らせなくっちゃ!)


 月の精霊のうさぎは、こっそり月を抜け出し、太陽を目指した。


「銀うさぎを行かせて良かったんですかぴょん?」


 わざとらしいツクヨミのセリフは、月の精霊のうさぎを昴の元へ行かせるためだった。


「ああ、きっと彼を連れてきてくれる。もしも我々に憂いがあるとすれば、あの星を操った少年だ。早めに処分してしまわないとね。」


「さすが、ツクヨミ様ぴょん!」


 月の精霊のうさぎが無事に月を出れたのも、ツクヨミの描いたシナリオ通りだった。


「月も宇宙も手に入れたし、後は惑星だけね!」


 宇宙魔王の宇宙猫のクロアナも満足している関係に見えた。


(いつか、私のブラックホールに、こいつと太陽を呑み込んで、全てを私のものにして見せるわ!)

 

 欲は尽きることはなく、野心は果てしなかった。


「その考え方は良くないね。今すぐに、君を無に還すこともできるんだよ?」


「なっ!?」


(こいつ!? 私の心を読めるのか!?)


 神の名は伊達ではなかった。


「あなたにも、やってもらわないといけないことがありますからね。」


「分かっているわよ。あなたの計画通りにやればいいんでしょ。」


 果たして、宇宙魔王の宇宙猫クロアナのやることとは。


「これで、ここにやって来れるのは、少年一人だぴょん!」


「仮に月の騎士たちがやってきたとしても、月の神である私には絶対に敵いませんからね。ワッハッハー!」


 善意の悪意が、月で輝いていた。



 太陽。


「みなさん。よく来てくれました。」


 太陽神アマテラスの呼びかけに惑星騎士団と星座騎士団の十二星座騎士が終結した。


 参加者。


 惑星騎士団。


・水星の騎士マーキュリー。

・金星の騎士ヴィーナス。

・火星の騎士マーズ。

・木星の騎士ジュピター。

・土星の騎士サターン。

・天王星の騎士ウラヌス。

・海王星の騎士ネプチューン。

・冥王星の騎士プルート。


・月の騎士ルナ。

・月の騎士アルテミス。

・月の騎士セレーネー。


 星座騎士団の十二星座騎士。


・牡羊座の騎士アリエス。

・牡牛座の騎士タウラス。

・双子座の騎士ジェミニ。

・蟹座の騎士キャンサー。

・獅子座の騎士レオ。

・乙女座の騎士バルゴ。

・天秤座の騎士ライブラ。

・蠍座の騎士スコーピオン。

・射手座の騎士サジタリウス。

・山羊座の騎士カプリコーン。

・水瓶座の騎士アクエリアス。

・魚座の騎士ピスケス。


「太陽神様。これだけの精鋭を集めるとは何事ですか?」


「正解が終わるとでも言うおつもりですか? キャッハッハ!」


「失礼だぞ。神に向かって。」


 さすがに、これだけのメンバーが揃えば、性格は人それぞれであった。


「静かにしろ。これから太陽神アマテラス様が状況を説明される。」


 事情を知っている牡牛座の騎士タウラスが場を落ち着かせる。


「ありがとう。タウラス。」


 太陽神アマテラスは、格下の騎士にも、しっかりと礼を言い感謝の気持ちを伝える。


(神なのに、我々の様な者に頭を下げるのか!?) 


 ちょっとした言動、行動は、全ての出席者の注目も集める。


「それでは、本題ですが・・・・・・、みなさんには、神と戦ってもらいます。」


(神!?)


 太陽神アマテラスの言葉に、衝撃を受ける出席者たち。


「ちょ、ちょっと待ってください!? 我々に死ねというのですか!?」


 ざわつく参加者たち。これは惑星も、星座も関係なかった。


「いいえ。私はあなたたちに死んでほしくないから、全員を呼び寄せたのです。」


 太陽神アマテラスの温かく優しい善意であった。


「今、怒っている事件。月の女王かぐや姫の誘拐。各惑星に宇宙悪魔を、地球には宇宙モンスターを送り込んだ者がいます。」


ピキーン!


「まさか!? これだけの悪いことをしたのが、神だというのですか!?」


「その通りです。その神は・・・・・・私の弟です。」


 集められた騎士たちに動揺が走る。


「アマテラス様の弟ということは、月のツクヨミ様!?」


「・・・・・・。」


 事件を引き起こした者が自分の弟と公表した、太陽神アマテラスは耐えているような表情をして切ない。


「太陽神よ。兄弟げんかというなら、ご自分で弟を討てばよろしいのでは?」


 騎士の中でも神を軽んじる者もいる。


「それはできません。」


「やはり、自分の兄弟には甘いのですね?」


「いいえ。」


「私は、もう一人の弟と戦わなければいけません。」


 この時、太陽の外に、一人の神が待ち構えていた。


「スサノオ!?」


 神の名は、荒神スサノオ。太陽神アマテラスの弟である。


「ツクヨミに先手を打たれてしまいました。私は、ここから動けません。」


 現実として、弟スサノオと戦わなければいけない、アマテラスは、ツクヨミを討伐には行くことができない。


「ですから、みなさんにお願いしたいのです。どうかツクヨミを止めてください。」


 だから太陽神アマテラスは、牡牛座の騎士タウラスに惑星騎士団と星座騎士団を集めるように言ったのである。


「でも、我々だけで神に勝てるのか!?」


「月にいるツクヨミ様は最強だぞ!?」


「どうして俺が巻き込まれないといけないんだ!?」


 騎士たちの中でも不安と不信が吹き荒れる。


 その時、


「討ってもよろしいんですね。」


 その時、声を上げた騎士がいた。


「おお! ヴィーナス! やってくれますか?」


 惑星騎士団の最強の騎士の、金星の騎士ヴィーナスだ。


「はい。アマテラス様。」


 そして、金星の騎士ヴィーナスは演説を始める。


「諸君! これは神々の兄弟ゲンカだけの話ではない! 既に我々は、ツクヨミが派兵してきた宇宙悪魔、宇宙モンスターたちに苦しめられたはずだ! これは平和を守るための戦いだ! 決して、兄弟ゲンカではない!」


「・・・・・・。」 


 金星の騎士ヴィーナスの熱のこもった演説に、批判を言っていた騎士たちも黙るしかなかった。


「俺からも言わせてくれ。ツクヨミや無は、惑星を滅ぼした後、必ず、星々にも魔の手を伸ばすだろう。今まではライバルの様にいがみ合っていた星と惑星だが、手と手を取り合って、共に戦う時が来たのだ! 宇宙の平和のために!」


「・・・・・・。」


 牡牛座の騎士タウラスも、惑星騎士や他の十二星座騎士たちに頭を下げて嘆願する。


「分かった。おまえほどの男の頼みなら。」


「その代わり、先に倒した者の勝ちですよ。」


「み、みんな!? ありがとう。」


 牡牛座の騎士タウラスの後押しもあり、惑星騎士団と星座騎士団が一つになり光り輝く平和の騎士たち。


「最終決戦です。いざ! 月へ!」


「おお!」


 善意と悪意をかけた、太陽、月、星、惑星などを巻き込んだ、全宇宙規模の決戦の火蓋が切られる。 



 太陽。


「アマテラス様。太陽から昴の気配を感じたのですが?」


 金星の騎士ヴィーナス、水星の騎士マーキュリー、月の騎士のルナ、アルテミス、セレーネーたちが太陽神アマテラスに尋ねる。


「昴は、ここにいますよ。あなたたちを宇宙悪魔から救ってくれたのも、昴の力のおかげです。」


「ええー!? 昴の力!?」


 惑星決戦で宇宙悪魔にやられていた惑星騎士たちを救ったのは、少年の温かく優しい心だった。


「彼の純粋に平和を願う心が、無からみなさんを、人々を救ったのです。」


「昴! すごい!」


「やればやれる奴だと思っていたよ。」


「チッ。」


 他の騎士たちが少年の活躍を称える中で、月の騎士ルナだけは納得しなかった。


「アマテラス様。昴に会いたいです。」


「ええ。疲れて眠っていますが、みなさんが会いに行けば昴も喜ぶでしょう。」


 少年と面識のある騎士たちが会いに移動する。



 太陽のベット。


「うさぴょん!?」


 そこにいたのは少年ではなく、月の精霊のうさぎであった。


「どうして、おまえが!? 昴はどうしたの?」


「なんか酷い言われ方だな。とてつもない情報を持ってきたのに・・・・・・。」


 月の精霊のうさぎは、かくかくしかじかと月で聞いた話を騎士たちに聞かせる。


「だろうな。」


「えっ!? 驚かないの?」


 意外な反応に逆に驚く月の精霊のうさぎ。


「だって、さっきアマテラス様から聞いたもの。」


「ズコー!?」


 思わずズッコケる月の精霊のうさぎ。


「昴に話したら「大変だ! 月に行かなくっちゃ!」と言って、飛び出していったんだ。」


「何だって!?」


 少年がいなかった理由は、月の精霊のうさぎから真実を聞いたからであった。


「直ぐに追いかけよう! 相手は神だ! 昴一人では危険だ!」


「まったく昴らしいね。真面目だから、自分が何とかしなくっちゃって思ったんだろうね。」


 騎士たちは少年を思い出して、懐かしくも、心が温かく優しくなった。


「まったく世話が焼ける奴だ。」


 相変わらず自分の感情を素直に表現できない月の騎士のルナ。


「相変わらず、ルナは素直じゃないな。」


「そうそう。心配しているなら、心配していると言えばいいのに。」


「フン。」 


 気持ちは言葉に置き換えなければ、相手には伝わらない。


「いこう! みんな!」


 少年の所縁の騎士たちも準備を整え月へと向かうのであった。



 太陽、付近の宇宙空間。


「みなさん! いきますよ!」


「おお!」


 太陽神アマテラスを戦闘に惑星と星座の騎士たちが太陽を飛び立つ。


「ここから先には行かせんぞ!」


 荒神スサノオが宇宙空間で待ち伏せしていた。


「弟は、私が止めます! みなさんは月を目指してください!」


「はい!」


「グヌヌヌヌッ!?」


 スサノオも目の前に、姉の太陽神アマテラスがいては、小物の騎士など構っていられなかった。


「哀れな弟よ。悪意に呑み込まれましたか。これだけの悪意を燃やし尽くすのは時間がかかるわね。」


 弟の荒神スサノオの全身は、闇のような悪意に包まれていた。


「ツクヨミも、無に操られているのなら、どれだけ良いか。はあ・・・・・・。」


 姉として、弟たちを心配する姿は、神も関係なかった。



 宇宙空間。


「さすがアマテラス様だ。スサノオ様を抑えられた。」


 惑星騎士と星座騎士は、宇宙の騎士、銀河の騎士として、宇宙の平和のために、月へ向かう。


「これだけの騎士がいれば、相手が神だろうが勝てますね。」


「そうだ! 我々が勝つのだ!」


 無事に太陽から脱出できたので士気が上がっている銀河の騎士たち。


「それはどうかしら?」


 その時、何もない無の宇宙から女の声が聞こえてくる。


「何者だ!?」


 しかし、周囲に何者の姿もないが、宇宙空間の次元が歪んだ。


ニュヌヌヌヌヌヌー!!!!!!


 宇宙空間に複数のブラックホールが発生する。


「なっ!? 星が吸い寄せられているだと!?」


「私の惑星も吸われてる!?」


 一つの惑星に、一つのブラックホールが。一つの星座に一つのブラックホールが現れ、惑星と星座をブラックホールに呑み込もうとしている。


「私は、宇宙魔王のクロアナ。自分たちの惑星や星を守りたければ、自分の故郷に戻って、ブラックホールに吸い込まれないように、コズミック・パワーで食い止めるのね。ワッハッハー!」


 声の主は、宇宙魔王の宇宙猫のクロアナだった。コズミック・パワーは、宇宙の神秘である。


「早く帰らないと、あなたたちの故郷がなくなるわよ! ワッハッハー!」


 つづく。

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