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背信  作者: 汐 桃真
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カネイ

 私の名前はカネイ中学校1年生だ。私にはハシグチと言う仲の良い友人がいる。彼女とは短い付き合いながらも、とても良好な関係を築いている。

 彼女とは吹奏楽部の部活動体験で出会った。出身小学校は違ったものの、共通の趣味などがあり、私たちはすぐに心を通わせた。その後はお互い吹奏楽部に入部し毎日を共に過ごした。部活の練習だけでなく登下校や学校の休み時間、休日までもだ。今日もそんなハシグチと遊園地へ行く約束をしている。

 待ち合わせに少し遅れてハシグチがきた。


「ごめん、遅れた。待たせちゃったよね。」


ハシグチは遅刻癖がある。いつものことなので慣れている。


「全然大丈夫だよ。じゃあ、行こっか。」


私はいつも通りの対応で遊園地の入場ゲートへと歩いて行った。その後は一緒にアトラクションに乗ったり、お昼ご飯を食べたりした。私はハシグチと過ごす他愛もない時間がとても好きだ。いよいよ時間が迫ってきて最後に、観覧車に乗ることにした。

しばらく乗り上の方まで来た時。


「最近、彼氏とは調子どう?」


ハシグチがまたしょうもない質問をしてくる。


「あー彼氏ね。最近は、、、」


 私が喋り出した途端、勢いよく観覧車のカゴが揺れた。下の方で何か、警報のようなものも鳴っている。およそ90mほどの高さで観覧車が停止したのだ。下手なことをしなければ落ちないのはわかっている。だがハシグチはパニックになっていた。

 

「どうしようこのままだと死んじゃう、そうだ少しでも軽くならないと、重力に影響を受けないようにしないと。」

 

私は訳がわからなかった。充血した目でそう口走る彼女に私は恐怖を覚えた。するとその瞬間、彼女が私に飛びついてきた。


「お前が落ちれば、お前が落ちれば私は助かるんだ!!早く落ちろよ!死ねよ。」


振り子のように揺れるゴンドラの中で私は思った。(命の危機ともなれば、人間はこんなにも別人のように豹変することができるのか)と。


 その後はどうにか、して無事に降りることができた。その日はすぐに帰路についた。だが翌日、ハシグチは先日の出来事を謝りもしなかった。

いつしか次第に私たちは疎遠になって行った。

友情も愛情も一瞬にして亀裂が入るものだ。


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