表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
10/12

8章

誤字脱字報告よろしくお願いします。

残存チーム、三。安全エリアは、廃ビル群の中央広場。遮蔽物は少ない。逃げ場はない。

「……露骨だな」

俺が呟くと、夏芽が乾いた笑みを浮かべる。

「最後は正面衝突、ってことだね」

RiotDogから奪ったポイント。混戦で奪った追加分。今、俺たちは暫定一位。つまり。全員の標的。銃声が鳴る。別チーム同士がぶつかる。

「待つ?」

「いや、削らせてから入る」

その時だった。空間に、強制通知。

《特別権限発動》

「……は?」

空が、歪む。広場中央に、光の柱。そこから現れたアバターは――

「冗談だろ」

純白のコート。黒い手袋。冷たい瞳。――月城彩葉。

『状況確認』

彼女の声は、直接脳内に響く。

『上位二チームの力量差が、想定以上』

他チームがざわつく。

「なんで会長が……!」

「プレイヤー参加なんて聞いてないぞ!」

彩葉は、淡々と続ける。

『よって、バランス調整を実施』

その瞬間。俺たちのHPバーが、半減した。

「っ……!」

夏芽が歯を食いしばる。

「ハンデ……!?」

『違うわ』

彩葉の視線が、こちらに向く。

『試練よ』

彼女のステータスが表示される。

《月城彩葉》

《特別介入権限:一時的ステータス上昇》

《撃破時、全ポイント総取り》

広場の空気が凍る。つまり。全員で彼女を倒せば逆転可能。だが。

(この人が、そんな甘い設計をするか?)

次の瞬間、彩葉が動いた。速い。銃声。一人、即脱落。動きに無駄がない。判断が冷酷。

「白斗!」

「わかってる!」

 撃つ。

 読まれる。

 位置を変える。

 さらに先を読まれる。

 ――強い。

これはテストじゃない。本気だ。

『どうしたの?』

彩葉の声。

『壊れないのではなかった?』

挑発。だがその奥に、確かにある。期待。

「夏芽、右から回れ」

「了解!」

俺は正面に出る。囮。弾丸が、肩を削る。HPが赤に近づく。それでも前へ。

「どうして、そこまで前に出るの?」

彩葉が、問いかける。

「決まってるだろ」

息を吐く。

「――勝つためだ」

次の瞬間。夏芽の弾が、彩葉のHPを初めて削る。ほんの僅か。だが。彩葉の目が、細められる。

『……いい連携』

彼女は一歩下がる。広場中央。全チームの視線が集まる。

『ならば、最終条件を追加する』

嫌な予感しかしない。

『神埼白斗』

名指し。

『あなた一人で、私を撃破しなさい』

空気が止まる。

「は……?」

『成功すれば、全負債免除』

『失敗すれば――あなたのみ即時退学』

 夏芽が振り向く。

「ふざけないで!」

『これは提案ではない』

彩葉の声が、鋭くなる。

『選択よ』

盤は、完全に一対一へ。俺は、武器を握り直す。

(……本当に、やる気か)

月城彩葉は、微笑んでいる。

壊すか。飼うか。その天秤が、今ここにある。

俺は一歩、前に出た。

「いいだろ」

喉が、やけに静かだ。

「その条件、受ける」

夏芽が、何か言いかける。でも止めない。広場に、二人だけが残る。観測者と、試験体。いや。女王と、挑戦者。

会長さん乱入ですねハイ

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ