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ロストテイカー  作者: しータロ(豆坂田)
第三章――西部事変

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325/366

第325話 最果ての人物

 レイとミケが通路を歩いていた。

 すでに財閥に対してのメール送信が近づいている。基幹システムの奪還という任務の主軸にレイの姿は無いため、この程度の遅れでは作戦に支障は生じない。しかし、レイがいることで対応できる状況というのは増える。

 テイカーフロントの最大戦力であるスカーフェイスがダグラス・ボリバボットとの戦いに身を投じている以上、財閥側の強敵に対してテイカーフロントは優れた人材を用意しなければならない。

 ただ、ノーネームが基幹システムの奪還をそこまで簡単にする可能性も低く、簡単にはいかないだろう。テイカーフロントと財閥を戦わせるよう動いたりしている時点で何かしらの罠があると見てよい。例えば基幹システムが保管されている座標がモンスターの住処であったり、などのことだ。

 今のところ先に出発したテイカーフロントの部隊はまだ座標に着いていないため不明ではあるが、車両に搭載した探知レーダーの信号によるとモンスターの姿も確認できるという。

 

 時間的に、財閥に対してメールを送るのが遅れればテイカーフロントがそれよりも早く基幹システムに着くのは当然のこと。だからこそ障害としてモンスターやそれに類似した何かを配置する。

 レイはノーネームという人物をあまり知らないが、通話越しに会話をした限り、してもおかしくはない。


 財閥が来ているというのにモンスターの対処もしなければならず、必然的に人員が割かれる。そこでレイが財閥の足止めだ。もはや、レイが西部にいる意味は無く。これで財閥と仲が悪くなろうと知ったことではない。

 ハカマダの言葉もある。

 この戦いが終われば西部から出ていくだろう。

 

 これが最後。アーティファクトを身に包み西部で戦いへと身を投じる最後の機会だ。


「一つ、レイさんには敵の殲滅とは別に、新たに別の任務を仕事があります」


 通路を歩きながら、隣にいるミケが呟く。


「恐らくですが、基幹システムにはパスワードがあります。本来ならば基幹システムを構築する機械をテイカーフロント管理下施設まで持ち帰るのが最善です。しかし基幹システムを稼働させている機械というのはビル一棟分の大きさがあります。故に、すぐに持ち帰ることができません。その間に財閥からの攻撃があれば大変です。なので、その場でパスワードのロックを解除し、財閥に対しての交換材料を確保する必要があります」


 基幹システムは元々、旧経済連体制下の本部施設の地下空間にて保管されていた。比喩でもなくビル一棟分の大きさを持ち、巨大な複合機械として存在している。しかしある日、ノーネームの手によって持ち去られた。その後、基幹システムが存在していた場所は巨大な空白として存在し、地上の建造物の重さに耐えられなくなると崩落した。

 これは僅か1時間以内に起きたこと。これにより旧財閥本部施設は解体され、別の場所へと移転されることになる。それがカイレン経済都市だ。


 幸い。基幹システムのバクアップはすでに保存していたため、システムの再構築は容易だった。しかし稼働させるに足る機械が無く運用は出来ない状態。そして財閥の力を合わせようとも作ることのできない物だった。

 というのも、基幹システムの根幹をなしていたのは一つのアーティファクト。情報処理能力に優れた一つのアーティファクトが基幹システムの軸として使われていたせいで再現が不可能だった。

 それにより中心部分へとのアクセスが困難となり、テイカーフロントの管理権など、旧経済連体制下の権限へとアクセスができなくなった。経済連を支配した財閥だが、得られたものはこれにより半減。

 

 この得られた半分のもので満足していたが、今となって過去に取り残した益を取り戻す機会を得た。幸い、財閥管理下にパスワードのロックを解除できる人物がいる。旧経済連体制下に取り決めを行う『議員』であった者だ。

 同時に、テイカーフロント側にもパスワードのロックを解除できる人物がいる。


「レイさん。あなたにはパスワードのロックを解除できる人を基幹システムの元まで送り届けて欲しいのです。当然、あなたの他に護衛が付きます。あなたは敵対財閥人員の排除を第一としても構いません。加えて、積極的に守る必要もありません。その者が基幹システムへの道を切り開くだけで構いません」


 ミケが説明する。

 レイは当然の疑問を投げかけた。


「誰なんだ。その人物ってのは」

「見ていただいた方が早いと思います」


 長い通路を歩いていたレイたちが一つの扉へとたどり着く。ミケが扉に手をかける。

 ゆっくりと扉は開けれ、車庫が見えた。一つの装甲車両が待ち構え、その横に護衛と思われる二人の人物。そしてパスワードを知るであろう一人の少女が立っていた。


「お前は」


 レイが思わず呟く。

 仕方ない。車両の前でレイを待っていたのはマナだったのだから。

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