表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
小惑星群の盛り合わせ  作者: 月卜鞠
彗星のカナッペ
3/34

宝石の星

 地球は、青い宝石のようだった。


 暗い宙に浮かぶ、水の星。

 鮮やかな縞模様を刻むのは、緑色。

 あの緑の中に、無数の生命が躍動し、生活を描いているのだ。

 なんというロマンだろう。

 勿論、海の青にも同じように、深い水の中には何億何兆と言う魚が泳いでいて、食べたり、食べられたりされながら、命のループを描いている。

 僕はうっとりしながら、窓の向こうの地球を眺めていた。

 この宝石のような星を守らなければならない。

僕はそう決意した。

 とても難しいことだけど、僕にだって出来るはずだ。まだまだ未熟者で、知識だって足りないけれど。

 この星を美しいと思う気持ちは、誰にも負けないから。


──それくらいには、この部屋に飾った幾つもの宝石の中でも、地球が一番好きだった。 


 僕は、部屋の中で一番いい位置に、父さんに買ってもらった宇宙層に入れて、地球を飾っている。

 宇宙層には窓がついていて、いつでも綺麗な地球を眺められる。

 太陽光を再現できるように、大きな公転装置を使った照明を作って、地球が元の座標にあったときの光の当たり方を、完璧に再現した。

 自転も、採取したあとから狂ってしまわないよう、特製の重力波装置で調整した。おかげで、元のスピードと99.999%一致している。

 僕は窓に頬を押し付けながらうっとりと、綺麗な青色を眺め続けた。

 もうすぐ誕生日プレゼントで、父さんがテレペス顕微望遠鏡を買ってくれる。

 一億倍の拡大機能を使えば、窓の外からでも、地球に暮らす『ヒト』っていう微生物の暮らしがもっとよく見えるらしい。

ヒトと僕らの大きさは全然違うけど、意外と同じような姿をしているらしい。

 観察するのが楽しみだなぁ。

 どんなふうにヒトは今、地球で暮らしているんだろう。


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ