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願い
大好きだった人が死んでしまった。
悲しんだ。
とても悲しんだ。
命は尊い物であると同時に、命は痛みであると知ってしまった。
体にぽっかりと穴が空いたようで、絶望が孤独を自覚させ、ずっと下を向くようになった。
周りにも暴言を吐いた。
あまりにも辛過ぎて、知らない世界に籠った。
自分だけしかいない、寂しさもない世界。
そこに彼が来た。
彼は私に寄り添ってくれた。
何気なく会話をする、彼が庭にいる姿を見る、微笑みかける表情を見る。
穏やかで、優しく、とてもかっこいい。
全てが愛おしくて、ずっと彼の隣にいたいと思った。
でも悲しいことに、彼はどこかへ消えてしまった。
落ち込んだけど、恨むことはなかった。
私が原因だから。
私に責任がある。
私が彼を追い詰めてしまった。
彼の痛みを知っていたのに。
悔いても、悔いても、彼は戻ってきてはくれない。
ああ、辛い、寂しい。
会いたい。
会いたくて仕方がない。
また二人で小さな世界を歩きたい。
私の願いは、たったそれだけ。