そして俺は
無力がこんなに悲しいなんて。
僕は、悲鳴が収まったときやっと足や手が動いた。そしてトイレから出ると、皆も同じトイレの近くいた。孤児院のおばさんたちが
「よかった生きてたのね。」
と駆け寄ってくる。どうやらみんな僕のことを心配していたらしい。いやそんなことより今は、弟を探さなければ。
「おーいいるかー。」
いつもならすぐ「兄ちゃん怖かったよ~」と泣いて駆け寄ってくる弟が今はいない。いやそ、そんなはずはないだろ。僕より物知りで、いつもこういう時は、すぐ逃げて来るのに…いやもしかしたらちょっと違うところに逃げたのかもしれない。きっとそうだ。明日でも、火が収まってからでも探しに行かなければ‥
その夜は、寝袋で寝た。それにやけに寒かった。いつもは隣にいるはずの弟が、いないからだろうか…
今日はいつもよりも早く目が覚めた。いや、弟がすごく早起きなだけで僕も普通に早起きなのだ。早く弟を探しに行こう。僕は小走りでテントを出た。そしたら、孤児院のおばさんがなぜだか急に行くのを「やめなさい。」というように阻止された。
「えっだて弟がいないんですよ。心配じゃないですか?」
と僕は孤児院のおばさんに向かって初めて怒った。おばさんは、何かを隠すように、
「一人で出歩いてケガしちゃってもダメだからね。」
と言ってきた。いつもは普通にサイポールを探しに行かせてくれていたおばさんが、今は行っちゃダメなんておかしいだろと思った。僕は前に立っていたおばさんの手をどかして、前に進もうとした。そしたら、「君の弟君は……本当にごめんなさい私がしっかりそばにいてあげていれば。(泣)」
とおばさん。僕はもうすうす気づいてはいたはずだ。だが、その真実が耳に入るとやはりだめだ。何も考えられない。「プツッ」頭でそんなような音がした気がした……
そして10年後今俺は、ウィープレクトワールドに入っていた。あの事件はカラスがやった事件だったらしい。俺は、あの時無力だった。だから今こうしてウィープレクトワールドに入ったのだ。今調べてみると、俺みたいな事件にあってる人がたくさんいるらしい。だからそういう人たちを一人でも多く助けたいという思いで入ったのだった。
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