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突然の進化

翌朝、外が騒がしいので小屋を出てみると銀狼たちが騒いでいる。

その中心に知らない人が立っていた。

人間のような姿で狼の顔と爪、尻尾を携えている。その者は一目見て明らかに獣人だとわかる容姿をしていた。


すぐさま戦闘の構えをとると相手は慌てて頭を下げた。

「まっ!待ってください主!!」

「あ、るじ…?」


目の前にいる獣のような見た目の人はどうやら銀牙と名付けた銀狼族のリーダーらしい。

よく見ると銀狼のころから首にかけていたネックレスのようなものをしている。


一晩で白銀の毛の狼が、人化した狼ような容姿になっていて。ちょっとかっこよくなっていた。

名前を付けたことで銀狼からワーウルフに進化したそうだ。

ほぼ裸のような姿のままうろつかれても困るので研究所から持ってきていた予備の服を銀牙に渡した。


群れの長が契約によりギフトを得たのに付随して他の狼たちも成長したようだ。

しかし他の者は直接契約した銀牙とは違って体躯こそ大きくなっているが人型にまでは進化しなかったらしい。

しかし言語能力は以前より上がったらしく、普通に会話をすることは可能になっていた。


これは元々の能力の差と銀牙種族が種族の長だということ、直接名前を付けられたことで大きなギフトをイザから受け取ったからだそうだ。


契約をすると、力の差が大きかった場合は強い方から弱い方へギフトが発生し能力の一部が譲渡されるそうだ。それ以上のことは銀牙もあまり詳しくはわからないらしい。

今後俺がもっと俺からのギフトが強くなれば他の銀狼も名づけをしなくても人型に進化することも可能かもしれないとのことだ。

何とも不思議な世界だ。


獣化して元の姿に戻ることも可能らしい。

マティアと自分しか人が居なくて寂しいのと、色々手伝ってもらうのに人型の方が都合がよさそうなのでそのままの姿で居てもらうことにした。


イザは名前を付けただけで主従の契約などしたつもりはなかったのだが、主と認め降伏した者が、名づけを受けると主従の契約が完了するらしい。そういうことは先に行ってほしい。

名づけをせずとも相互に信頼関係を気づけていた場合は契約は成立するらしい。

同格の者同士でも契約は可能で、その場合は互いに能力の一部の交換が行われるらしい。

圧倒的な力の格差がある場合には一方的な契約として隷属の契約というものも可能だそうだ。


契約はメリットばかりでなくデメリットも存在するという。

契約を交わしたもの同士は盟約により互いを致死に追いやるような攻撃をすることができないこと。

その契りを破った場合約定の神から制裁がくだり死に至るという話らしい。だが銀牙は1000年ほど生きているが自身の親しか人と契約したものを知らないようでその辺りはあまり詳しくないそうだ。

(裏切りには死をってやつか。この世界には神様という存在もいるのか)


他にメリットとしては契約によるギフトによって属性適正が開花することがあるらしい。

魔法の適正は先天的な適正以外にも成長することで開花する適正があるらしい。

その適正が契約によって刺激され開花する場合があるそうだ。

銀牙は進化したからなのか、もともと可能性を秘めていたからなのかはわからないが光属性に適正が出たらしい。


銀牙の進化により少し騒ぎはあったが、ここでの集団生活も安定してきたので

そろそろ祖父が残した手紙の内容にあった他のエーテロイドを探すという目的について動き出そうかという話をみなにした。


すると銀牙が森の東にあるラミアの里に行けば何か情報が聞けるかもしれないという。

ただ、ラミアは他の種族に対しては軽関心が強く。なかなか受け入れてくれないらしい。

特に亜人を排他思想が強い人間や獣人から昔迫害を受けていたので人種のことを嫌っているらしい。

なので銀狼達に交渉を頼んだ。

「というかいくら人を嫌ってるといっても、喋れるけど銀狼って魔物だよな?大丈夫なのか?」

「大丈夫じゃないですか?」

(銀牙よ、その根拠のない自身はどこからくるんだ…)

「亜人種は大昔に魔物から進化したと言われていたはずなので、知性ある魔物はそこまで邪険にしないかと」

「そういう背景があったのね。」

(根拠のない自身とか思って疑って悪かった銀牙よ)


とりあえず全員で森の東に向かった。

森を抜けると草原が広がっていた。

その先に洞窟の入り口らしきものがある。

そこがラミアの里らしい。銀牙が任せてくれというので任せて草原で待つことにした。

もちろん獣人を嫌いだという話なので獣化して銀狼の姿で交渉に向かった。


しばらくすると銀牙が慌てて洞窟から飛び出してきた。後ろから追い立ててくるラミアが5体ほど

全然ダメだったようだ。


仕方ないので助けてやることに。

風魔法で銀牙を救い上げラミアの前に出た。

敵意はないことを話し情報を聞きたいといったがラミアは人間に、ましてや魔物の使い魔を操る人間に等話すことはないの一点張り。

これ以上踏み込むようなら攻撃するというので争う理由もないので一旦帰ることにした。


拠点に帰り相談していると銀牙から洞窟の内部での話を聞いた。

ラミアは普段洞窟の奥で集落で平穏に暮らしていてあまり好戦的な種族と聞いていたのに、いきなり敵対してきたのが不思議とのことだった。それに常用であんな装備で身を固めているのも不自然だという。


たしかに何か俺らじゃない何かを警戒しているようにも見えた。銀牙一人を追い立てるだけにしては出てきたラミアたちは偉く重装備の者が多かったように思う。

すこし探りを入れてみるか。


森を探索しているうちに隠密、隠蔽というスキルを獲得していたのでこれと魔法を組み合わせてみることに。

銀牙は隠蔽なんて能力を隠すくらいしか使えないし、鑑定スキルなんてレアなスキルを持っている存在も希少なのであまり意味がないスキルといっていた。


「では、こうしたらどうだろうか」

そういうとイザは火と水で霧魔法をつくり自身の周囲を纏いそこに隠密と隠蔽スキルと光魔法を重ねる。


するとイザの姿が透過して消えていった、更に隠密スキルで気配までもほとんど感じられなくなっていた。

銀牙とマティアは驚いた。

「ご主人様きえたっ!」

「こ、これはどうなっているんですか?幻影魔法とかですか?」

「ふむ、うまくいったみたいだな。これは霧で周囲を覆っている状態にしてそこに光の魔法を付与した隠蔽スキルで水分子に光が屈折して俺の姿を認識できないようにしてみたんだ。」

「実際にはここにいるし、流石に動くと気配や音は悟られるからただ見えなくするだけなんだけどね」


「いやっ!ただ見えなくなるだけって、こんな魔法やスキルみたことないですし、ましてやスキルに魔法を付与するなんて考えも…!そもそも思いついたところで普通は出来ませんよ!?」


「そうなのか?とりあえずこれで探りを入れることは出来るようになったから行ってくる」

「一人で行くのは危険ですよ!?ラミアは火の魔法に特化していて亜人種の中でもかなり高魔力の種族です。あの数を相手にするのはイザさんでも流石に…」


「見つからなければいいだけさ。それに仮に見つかったとしても入れには風魔法があるからやばかったら飛んで逃げ帰ってくればいいさ」


「んじゃ行ってくる。畑の世話と留守番よろしくっ」

「トマト…まかせて…!じゅるり」

「無茶しないでくださいよ~」


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