第五話 優劣とヒロイン
転生不登校~不登校だけど転生したんだが~をお読みくださり、ありがとうございます!
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「それでは改めまして、ライア・グレイシアです。
魔術階級は海神級です、趣味はお酒を嗜む事と魔術の研究です、よろしくお願いします。」
なんか自己紹介が始まってしまった、魔術階級? 何だそれ?神とつくからには、凄いのだろうか聞いてみよう。
「魔術階級とはなんですか?」
「魔術階級とは魔術師の階級です、その者の魔術の腕を示します。」
「へーじゃあ、何を基準にしているんですか?」
「そうですね、私も気づいたら海神級になっていたのでよく分からないですが。」
は?よく分からずになったのか?そんなに簡単になれるものなのかよ。
「確か、魔術の技術や知識などで判断されます。」
「なるほど!ライア先生は凄い魔術師ってことなんですよね?」
あれ?俺がおだてようと思ったらライネスがおだて始めた、流石は貴族の子なだけある。
「いえ、私は別に凄くないですよ。 」
「そんな、謙遜しなさらなくても。」
すげえ5歳にしてごまをすることができるなんて恐ろしい子だ、ライネスちゃん。
「謙遜ではありません、私は『誓い』を立てていますから当然です。」
誓?何だそれ神にでも誓えば強くなれんのか?
「誓い?なんですかそれ?」
「誓いとは、簡単に言えば何かをしない変わりに魔術的な強さを得ると言うことです。そうですね、わかりやすく言えばお肉を食べないかわりに魔力量を増やすとかです。」
ほーなるほどそうゆうやり方もあるのかそれは便利だな、俺なら魚を食べないかわりに最強にしてくれとでも誓う
「なるほどそれは凄いですね、僕も誓いたいです。」
「私もです!」
「それはおすすめできません。」
えっなんでおすすめ出来ないんだ?あれか、そんなうまい話あるわけ無いだろって感じなのか?
「誓いを立てると言うことは、誓った事を生涯してはいけないということです、それに自分にとって大切な物を差し出さなければ効果がありません。」
なるほど、やはりそんなにうまい話では無かった。
「じゃあ先生は何を差し出したんですか?」
ナイスだ、ライネスそれを聞ければ程度がわかる。
「私が差し出したのは純潔です。」
「純潔?」
なんだよそれ、ただ処女を捨てればいいだけじゃんか
「ええ、私は純潔の誓いを立てた事で生涯、男性と交われません。」
えっ!そんなに重いものなのかよ、男で言えば一生童貞でいるようなものじゃないか。
「へーそれは大変ですね‥‥‥。」
「どういう意味ですか?」
やべっそこらへん地雷だったのかよ、助けてライネス。
「なるほど、誓いを立てると強くなれるけどその代わりに縛られると言うことなんですね。」
「まあそうですね。」
さすがライネス愛してる。
「では話を戻します。階級は下から初級、中級、上級、地神級、海神級、天神級まであります。一番上が天神級、一番下が初級です。」
わお、つまりライアは上から二番目か、やはりピレッジが選ぶだけあって凄いんだな。
「君達二人には私のもとで、最低でも上級にはしてみせます、頑張りましょう。」
「はい!頑張ります。」
「はい、よろしくお願いします。」
ライネスは元気の良い返事をした。
いやーワクワクするぜ憧れの魔術師になれるんだからな。
「そもそも魔術とは何か、から説明しますね魔術とは‥‥‥。」
そこからへんの話は割愛させてもらう、説明はラノベでよくある感じの説明だ。
魔術は魔力を使い専用の詠唱をして発動して発動される、魔力は体力と同じで使えば消費し、使い過ぎると魔力切れになるらしい、まあここらへんはテンプレだな。
「まずは庭に出ましょう」
と言われたので庭に出る。
「まずは初級魔術『祈りの泉』です。」
これはすでにやったことがあるから、楽勝だ。
「じゃあライネスからやってみなさい。」
「はい! やってみます、祈りの泉。」
ライネスの手のひらから水がチロチロとでる。
「やったーできました!」
「ええ、初めてにしては良いほうでしょう。」
「次はパラディです、やってみなさい。」
人前でやるのは初めてだがやれと言われたからやってみるか。
「はい! 祈りの泉。」
よーしっ上出来だ、出力で言えば子供の俺の体が少し揺らぐぐらいだ。
「できました! 先生‥‥‥。」
自信満々に報告をしようとしたらライアは驚いた顔をしていた。
「どうして初めからそんなに出力が出るのですか?」
「正直に言うと、少しだけ予習しまして。」
「え?だからって魔眼を使ったわけでもなく。」
あれれ?? もしかして僕何かしちゃいました??
そんな反応されたら、僕がすごいみたいじゃないですか!? ゲヘヘ。
「凄いですよ!パラディ!予習したからといって初級魔術でここまで威力をだすなんて。」
そうなのか? 俺すごい? 褒めて褒めて。
「ふーん私でもこれぐらいできますか?」
「そうですね、これは初級なので中級魔術を鍛えたほうがいいですねり」
ライネス!割り込むな、俺が褒められ中だぞ。
「さて、少し驚かされましたが、取りあえず初級魔術を使いこなしてもらいます。 話はそれからですので。」
「分かりました!」
「わ、分かりました」
俺の凄さの流れはどうしたんだよ
「二人が初級魔術を極めたと私が、感じたら試験をします。頑張りましょう。」
「はい!」
なるほど試験か試験をクリアすれば初級魔術師になれるということか。
よし頑張ろう。
「はい。」
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三ヶ月が経った、俺もライネスもこの三ヶ月ライアの魔術の指導の元頑張ったつもりだ、だが俺はできてもライネスは、あまり上達しなかった。
「ライネス集中しなさい、貴方はまだ4つの初級魔術のうち二つしか習得していないのより。」
「はい、頑張ります。」
「パラディはもう四つとも全て習得しました、あなたはもう少し焦りなさい。」
もうこの会話を何回も聞かされている、確かに俺は前世があるから覚えがいいだろう、だがライネスはまだ5歳だ。
それに人と比べるのは良くない、優秀な奴と比べられてると、自信がつかなくなり投げ出したくなる、こうゆう教育方法は正直クソだと思う。
よしライネスを慰めよう。
「大丈夫ですよ、僕なんか気にしなくても。」
「‥‥‥。」
「ライネスさんは頑張っているじゃないですか。」
「うるさい。」
「え?」
うるさい?聞き間違えかな?
「パラディには分からないわよ!最初からできるんだもん!!」
「え?」
どういう事だ?俺は予習していたんだからとうぜんだろ、年相応の癇癪か?
「そんなことないですよ、僕だって頑張ってっ。」
「うる‥‥‥さい‥‥‥‥」
やばい、泣かしてしまった、俺は悪くないが何か自分が悪いみたいでやな感じだ。
「どいて!!」
「痛っ。」
突然ライネスに突き飛ばされた、ライネスはそのまま走り去る。
「えっ?何だあの女。」
俺はただ慰めてやろうと思ったのに、マジの癇癪じゃねえかよ。
「まあいいや。」
何だあいつ?嫉妬か?せっかく俺が慰めてやろうと思ったのに、まあいいやあんなのに構うのはやめよう。
「ふー流石に疲れました。」
ライアに教わった初級魔術を一通りやった、やはり初級魔術にしては、威力があるらしい。
「お疲れさまです。 今日も良い出来でした、やはりあなたには才能があります。」
「そうですかね〜エヘヘ。」
柄にもなく心の笑みが漏れてしまった。
思い返せば、前世では周りの人間とよく比べられたな、あの時はしんどかった、どんなに頑張ったって周りには否定された。
おれ?今のライネスもそうかもしれない。
彼女は素直で真面目な子だ、予習も復習もするし、分からないことがあったら聞ける、だがそれでも出来ない、頑張っているのに出来ない。
ただでさえ、上達のしなさに焦りを感じているのに年下の俺に慰められるなんて屈辱だったんだろう。
俺は前世のようにならないために心を入れ替えたつもりだったが、何も変わっていなかったんだな。
このままじゃ、自分の事しか考えられない自己中陰キャのままだな。
ライネスに謝りに行こう、出来るだけ気に触れないように。
その夜、俺はライネスに謝ろうとライネスの部屋を尋ねる。
「ライネスさん、少しお時間ありますか?」
「‥‥‥。」
ピレッジやイステルとはちゃんと話していたのに俺とは喋りたくないらしいな、せめて一言だけ謝ろう。
「すみませんでした。」
と言い、自分の部屋に戻ろうと廊下を歩く。
「パラディ?」
気の所為か?か細い声で名を呼ばれた。
「まだいる?」
「はい、居ます。」
ライネスか、俺を避けるつもりなんじゃないのか?
「そう、部屋に入っていいわよ。」
「え?」
いきなり?そんな、この歳で?いやそんな都合のいいことはないろう。
「はい!お邪魔します。」
「ええ。」
ライネスの顔を見た、少し目が赤かった泣いたのだろピレッジとイステルの前では強がっていたんだな、申し訳ない。
「パラディ、ごめんない!」
え?なんで謝られているんだ?普通俺が謝る側だろ。
「私、魔術が上手くいかないからってパラディに八つ当たりしたわ。」
「いえいえ、謝るのは僕の方ですよ、ライネスの気持ちも考えずに。」
そうだ、謝るのは俺なんだ俺はライネスの気持ちを考えずに上から目線で、慰めというなの愉悦に浸っていたんだから。
「パラディは悪くないわ、悪いのは私だもの。」
「いいえ、僕です。ライネスさんを傷つけるだけでなく、泣かしてしまった僕は最低です。」
そうだ、俺は女を泣かすような真似は嫌いだ、自業自得で泣かすのはざまあと思うが、これは違う俺が全面的に悪い俺は少女を泣かしたクズだ。
「違う、パラディは悪くないもの、私が勝手に怒ってパラディを突き飛ばしたのよ?私が最低よ!」
「いや、僕が最低です。」
「私よ!」
「僕です!」
やばい、なんか言い合いみたいになってきた。
「じゃあどっちも最低じゃない。」
「そうです!どっちも最低です。」
は?俺は何を言っているんだ。
「分かったわ、じゃあどっちも最低って事でいいわね。」
「いや、そういう訳じゃ無くて。」
「フフ。」
「どうしたんですか?」
もしかして最低なんて否定的な言葉を聞きすぎて、頭がおかしくなってしまったか?
「だってパラディすごい必死なんだものアハハ。」
「そりゃ、必死にもなりますよ。」
よし!なんかいい感じに仲直りムードになってるぜ、このままいけば仲直りできる。
「じゃあこれで仲直りですね。」
「仲直り?私喧嘩なんてしてないわよ。」
「え?そうなんですか、僕はてっきり嫌われたかと思いましたよ。」
「別に嫌いになんて‥‥‥」
あれれ?もしかしてライネスちゃん照れちゃってる?こうゆう展開は攻めたほうがいいと俺の本能が言っている。
「良かった〜僕ライネスさんに嫌われたらどうしようと思ってました。」
「そうなの?」
「ええ、僕ライネスさん好きですから。」
よし!言ってやったぜ、告白なんて前世では考えたこともなかったがこれでヘタレ陰キャ卒業だ
「え!?何言ってるのよ!!」
「エヘヘ。」
「馬鹿なこと言ってないで明日も授業があるんだから早くはやくねなさい!」
「はい!おやすみなさい。」
と言い俺はライネスの部屋を出る、その後俺はガッツポーズを決める。
「よし!よし!よーし!」
明日からが楽しみだ、これでライネスも意識しただろうしここからは、ラブラブ展開なはずとウキウキしながら床につく。
「ヒロイン落ちたぜ!ゲヘ!ゲヘヘ!」
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