間違えて妹のパンツを穿いてきてしまったらその日に限って健康診断があってどうにか切り抜けなければいけないバイオレンスパニック異世界編
「はーい、では明日の健康診断には、必ず妹のパンツを履いて来るようになー。皆、なんか質問あるか?」
「ちょっ、イモガシラ先生! 俺、妹いないんですけど!?」
「先生、ちょっと残念だぞー、妹背太郎くん。昔のアニメには二桁の妹が登場する名作だってあったってのに、妹の一人もいないなんて、恥ずかしくないのかー?」
「それって恥ずかしいとかいう問題!? ていうか妹のパンツ着用義務の方が恥ずかしいわ!」
「なんだと貴様! 普段妹とのスキンシップが中々出来ない可哀想な貴様らの為に、国がわざわざこんなナイスな規則を作って下さったというのに! この非国民めが!」
「いや、まあ、確かに俺、ここの国民じゃないんですけど…」
「質問は以上だなー。じゃあ解散!」
「おーいっ!」
「はぁ、一体どうしたらいいんだ……」
国立ジルドレ学園の黒々とそびえ立つ校門を後にしながら、俺はため息をつき、夕焼け空に浮かぶ10個ほどア◯ルビーズのように連なった不思議な月を見上げた。
なんでオナニーしただけで異世界に飛ばされて、こんな不条理な目に合わなきゃいけないんだろう。
俺(16歳、男性)の転移したこの異世界・パンツードラグーン(並行世界ちょっと入ってる)では、健康診断には必ず妹のパンツを履かねばならないという無茶苦茶なルールがあると知って、俺はショックを受けていた。
しかし転移してきた俺には物理的に妹がいないではないか!
だが先ほどダメ元で学生手帳を調べたところ、校則には「義理の妹でも可」という抜け道が書いてあった!
俺はとりあえず転移先でお世話になっている女装専門店のベルサイユ倶楽部に帰宅し、大家のゲイリー・カウパー夫人(47歳、元男性)に、「ママー、妹のパンツが明日いるんで、どっかに生きのいい義理の妹売ってないのー?」としなを作った。
「あらー弱ったわねー、そんな小便臭い小娘の下着じゃなくて、ママのおシャンティなおパンティじゃダメなの?」
「んなデカパン履いてくる奴ぁいねえよ糞ジジイ!」
俺はバイオレンスに裏拳で奴の鼻骨を粉砕しつつ突っ込んだ。
「快・感! そうだわ、レンタル妹を頼めばいいのよ! ツインテールタイプやらピグモンタイプやらレッドキングタイプやらなんやらより取りみどり先生よ!」
「怪獣しかいねえのかよレンタル妹!」
「とりあえずパンツの小さめの娘を注文するわ」
鼻から血を流しつつも、ゴシックドレスに身を包んだママはどこぞに電話をかけたので、俺はとりあえず搾乳モノのAVを見ようと自室に行きかけたが、突如玄関から吶喊してきた筋骨隆々としたメスオークにショルダータックルをくらい、無様に壁に激突した。
「ぶげああああああーっ!」
「ブヒブヒ」
「あらあら、『お兄ちゃん、会いたかったよ!』ですって。確かにパンツ小さくて可愛いわね」
「いやそれ相対的にそいつのケツがデカイだけだから!」
「ブヒブヒ」
「ええっ、『今日は大好きなお兄ちゃんの為に、特別にア◯ルディルド付きパンツを履いて来たけど、私ごとあげちゃうから、大事に使ってね』だって」
「チェンジ! チェンジを要求しますママ!」
「ブヒブヒ」
「『ではキャンセル料100万円を頂きます。なお、キャンセルの有無に関わらずパンツは差し上げますので絶対に履いて下さい。違反された時は更に1000万円を追加で…』」
「何その無茶苦茶なルール!?」
「妹パンツ法案が可決されてから、世の中うるさくなっちゃったのよー。あきらめましょう、太郎ちゃん?」
「うがああああーっ!」
「ブヒブヒ」
チュンチュン。
翌朝。
「ブヒブヒ」
「『結局朝チュンしちゃったね、お兄ちゃん』ですって」
「もう……勘弁してください……」
「じゃあ、これ履いて行きなさいよ。頑張って!」
「結局履くしかないのか……」
「大丈夫、ディルドがア◯ルに刺さらないよう、ちょっとパンツのゴムを伸ばせばいいのよ。頑張って!」
「頑張ります……」
というわけでゾンビ状態となった俺は、黄色い太陽とち◯こに埋め込まれた真珠のような出鱈目な数の月の群れに照らされつつ、内股でいそいそと学校へと向かった。
早速身体測定が始まった為、男子は全員保健室で着替えタイムとなった。
「よう妹背! 俺、今日から田中になったからよろしくな!」
「おい、背中を叩くな鈴木、ディルドがケツに刺さったらどうしてくれる!……ってなんで改名!?」
「だって妹いないから養子に行くしかねーだろ? ったく面倒だよなー、今年の法案は」
「毎年一体どんな恐ろしい法案があるのか、すげえ気になる……」
「ところで俺の妹パンツを見てくれ。こいつをどう思う?」
「すごく……バタフライです」
「太郎くん、僕の妹の紐パンも見てやってくれないかぶごお!」
歯をキラッと輝かせながら学園一の男色男爵で有名なゲイロード二世くんがほぼ糸くず同様の何かを見せつけて来たので、とりあえずアッパーカットをお見舞いした。
「いやあ、しかしお前のディルド付きには参ったわ。こりゃ今年の妹パンMVPは決まったな」
「先生の妹の光るプリ◯ュアパンツもお前には負けたよ! よくやった妹背太郎くん!」
「いやあああああーっ!」
変態の中心で俺が叫んだ時だった。突如ケツをツンツンして刺激するディルドがブルブルブルと震え出し、ついでに学校中が地震のごとく揺れだした!
「こ……これは相転移! 変態の波動が高まり過ぎて生じる異世界への転移現象だ!」
「なんで知ってんだよ鈴木じゃなかった田中!」
「だって俺も変態オナニストだからさ! あばよ太郎!」
「えっ、ちょ、ちょっとこの状態で転移したら……あああああああああ!」
「というわけで転移したら、たまたま元の世界でもちょうど身体測定だったので、妹のディルド付きパンツを今日履いて来てしまったんです! 信じてください先生!」
「妹背……病院行こう、な!」ポン。
「うがああああーっ!」
間違えて妹のパンツを穿いてきてしまったらその日に限って健康診断があってどうにか切り抜けなければいけない俺は、またもや絶叫した。