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アマルナへの扉  作者: 田丸 彬禰


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トトメス4世の治世年数と王墓の規模について

某イベントの準備を過程で気になったので。


トトメス4世。

古代エジプト第18王朝の王。


専門家の調査によって彼の治世年数は十年を超えることがないとされています。

私もそのつもりで多くのことを語ってきたわけですが、あるものに辿り着いたとき、それとは矛盾する事実を見つけました。


王墓です。


トトメス4世の王墓はルクソール西岸王家の谷にあります。

KV43。


その王墓の何が王の治世年数と矛盾するのか?

大きさです。


十年弱の治世年数しかないトトメス4世の王墓が、四十年近くの治世年数を誇るアメンヘテプ3世王墓と比べてのそう見劣りのしない規模、そして、治世二十五年以上のアメンヘテプ2世王墓とほぼ同規模。


これはありえないことです。


もし、これがあり得るのであれば、ほぼ同じ治世年数であるツタンカーメンが王墓造営をろくに出来なかったという話と矛盾するのです。

そして、この問題を深掘りしていくと、直線状の墓である場合、年に10~20m完成させるだけの技量をこの当時の墓職人たちは持っていたことがわかります。

ただし、そこから鋭角に曲がったところから急激に工事スピードが落ちるということもほぼ確実です。

その理由は外部から光と空気の取入れがうまくできないからと思われます。


ですが、治世年数がトトメス4世王墓はその唯一の例外となります。

技術革新が起きたのではないか?

たしかにあり得ることですが、次王アメンヘテプ3世王墓では以前と同じ状況になっていることからそれはないと断言できます。


そうなった場合、考えられるのはふたつ。


トトメス4世の治世年数が十年より遥かに長い。

トトメス4世は先王の誰かの王墓を横領した。


そして、前述した専門家の調査によってトトメス4世の治世年数は大幅に増やせないとなった場合、考えられるのはもうひとつ。


ここでその可能性があり得る要素を挙げておきます。


アメンヘテプ3世王墓前でトトメス4世の遺物が見つかっているのですが、それは通常自身の王墓前に供えるもの。

つまり、アメンヘテプ3世王墓はもともとトトメス4世王墓として造営されるはずだった可能性があるということ。


トトメス1世とハトシェプスト女王の共同墓とトトメス4世王墓は距離が非常に近いこと。

彼らの縁者であるトトメス2世王墓は発見されていないどころか痕跡すら見つかっていないこと。


そう。

トトメス4世は自身の死に王墓造営が間に合わないことを察し、手っ取り早くひとつの墓を空にして改造し自身の王墓にした。


滑稽な話ですが、多くの条件から考えて、まったくない話でもないのではないか。

そう述べたところで今回は終わりです。



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