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アマルナへの扉  作者: 田丸 彬禰


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カルナック野外博物館の小ネタ

これは過去に何度も書いていることですが、改めて。


パッケージツアーでカルナック神殿を観光した場合、ほぼ百パーセント行くことのない「カルナック野外博物館」ですが、ここを訪れず帰るのは後悔のもといなります。

そして、その後悔は古代エジプトに興味が深くなります。


レベル1。

センウセルトやハトシェプスト女王の素晴らしい祠を見損なうと後悔する。

レベル2。

周辺部にツタンカーメンの名前入りブロックがあることを知り後悔する。

レベル3。

有名なアクエンアテンが装飾した第3塔門の復元部分を見損なって後悔する。


そして、今回はレベル4に該当するもの。

カルナック野外博物館に入ってすぐの場所に、両脇に微妙なオブジェが付けられた小さな祠が復元されています。

一見すると、他の祠よりも見栄えはせず、その柱のようなオブジェだけが目立つものですが、実はこれがすごい。

色々な意味で。

まず、この石材はアラバスターなのですが、中に入り壁面をくまなく探すと、ラムセス2世の名前を見つけることができます。

なるほど、つまり、これはラムセス2世の祠となるわけですが、不正解。

正解をいえば、彼はこの祠のステラの材料としただけ。

そして、そこに記されているのが何かといえば、ヒッタイト王女との婚姻について記したいわゆる「婚姻ステラ」なのです。

このラムセス2世の婚姻ステラで有名なのはアブシンベル神殿にあるものなのですが、読みやすさから言えばこちらの方が圧倒的によいです。

なにしろ王女が改名したあとのエジプト風の名前まで確認できるのですから。


そして、この祠のすごいところのもうひとつ。

それは……。

例のオブジェ。

実はあれはオベリスクを模しています。

さらに、それは本来の状態を表しているものでもあるのです。

それがどういうことかといえば……。


カルナック神殿、第3塔門と第4塔門の間には現在トトメス1世のオベリスクが立てられていますが、本来は対となるもう一基、さらにトトメス2世、3世のオベリスクという計6基が並ぶ壮観な風景を見ることができました。

そして、現在野外博物館にあるその祠はトトメス1世のオベリスクの間に建てられていたのです。


ついでに言っておけば、トトメス3世のオベリスクの残骸は第2塔門前で見ることができますし、トトメス2世のオベリスクは再利用された状態ですが、フィリッポス・アリダイオスの聖舟祠堂で見ることができます。


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