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アマルナへの扉  作者: 田丸 彬禰


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タラタートブロック

古代エジプトの遺跡はギザのピラミッドを例に挙げるまでもなく巨石文明の見本のようなところがあります。

もちろんどのようなところにも巨石を使ったというわけではなく、建造物の多くはその使用頻度から考えれば現代のコンクリートのような建築資材だった日干し煉瓦製だったのですが。


ついでに言っておけば、日本人の感覚でいけば、日干し煉瓦は耐久性の欠片もないように思えますが、エジプトの乾燥した気候であれば十分に建築資材として成り立ちます。

一応例を挙げれば……。

見栄えはあまりよくありませんが、ダハシュールの黒ピラミッドなど四千年近く経っても、あそこまで残っています。

現在の日本で林立するコンクリート製の建物が四千年間後現在の状態を保てるのかということも踏まえて考えるとおもしろいのではないでしょうか。


さて、今回の本題となるタラタートブロックですが……。

一般的な説明を書けば、54cm×27cm×27cmに標準化された建築ブロックのことを言います。


そして、このブロックを多用したのはアクエンアテンとなります。

この王は自らの建造物をこのブロックを使用して短時間につくり上げていました。

つまり、この時代には運搬に苦労する少数の巨石ではなく、小型のブロックを大量にしたほうが早く建造できるということを知っていたということになります。


ですが、この後どうなるかといえば、再び大きな石を運搬するスタイルに戻ります。


極論的に言い切ってしまえば、せっかく手に入れた時間短縮にもつながる現代的な規格化された小型ブロックでの建造方法を捨て、再び古典手法に戻したということになります。


それはなぜか?

この問い自体があまり聞かないものなので、直接的な答えとなるものはみつからないです。

ですが、間接的なものなら、もちろんあります。


なぜ彼らは巨石を運搬するのか?


この問いに対しては、多くの専門家がこう答えていますから。


宗教的な意味あいがある。

国家プロジェクトとして団結力を見せるため。


これがもし正しいということになった場合、このような理論は成り立たないでしょうか?


狂信的で変人であるアクエンアテンは実は合理主義者で、アクエンアテンと彼の宗教を排除した常識人とされた方々は実は精神論ばかり語る偏屈な者たちだった。


病的なアマルナ好きとしては、この説を推し進めたいところですが、個人的にはアクエンアテンの部分はともかく、後半部分は修正したい。

つまり、専門家の言う理由には大いなる疑問を持ちたいと思います。


そこで、その代案をいくつか提示したいと思います。


まず、その重量による崩壊の防止。

小さく軽いブロックよりも、大きく重いブロックを積み上げた方が、組み上げたあとに起こる様々な事故、たとえば、地震ですが、そのようなものから建物が守られることを経験上知っていたから。


もうひとつも、まあ重さに関係するものですが、石泥棒の略奪から建物が守られる。


日本のエジプト学者の口からはあまり語られることはありませんが、古代エジプトでは、統治者は自らの建造物の材料供給先として先人たちの記念建造物を利用する、つまりすでにある建造物から石を盛大に拝借することは稀ではありませんでした。

当然自らもやっているのですから、自分の後継者たちも自らの記念建造物に手をつけることは予想できる。

それを防ぐ手段は、より奪いにくくする。

イコール、大きな石を使う。

そのような理由ではなかったのかというものです。


これは小型で軽いタラタートブロック製の建築物はきれいに残っていないことからもわかります。


ですが、結局のところ、こういうものはそれについて当時の人間が述べた文字資料が出てくるわけではないので、想像というか妄想の類になります。


というところで、今回の話はネタが尽きたところで終了です。

では。

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